スティーヴン・キング『ダークタワーⅢ 荒地』

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スティーヴン・キング『ダークタワーⅢ 荒地』 (風間賢二 訳、角川文庫、上・下)

スティーヴン・キングの『ダークタワー』シリーズの第3部、『ダークタワーⅢ 荒地』を読みました。
第1部『ガンスリンガー』の感想は → コチラ。
第2部『運命の三人』の感想は → コチラ。

異なる時代のニューヨークから“中間世界”にやってきたエディとスザンナ。“旅の仲間”を得たローランドは、2人をガンスリンガーに育てあげるべく修行を開始した。ある日、凶暴化した巨大なクマとの死闘を経て、“暗黒の塔”へと導いてくれる“ビーム”の道を発見する。その一方で彼は、見殺しにしたジェイク少年への罪悪感で、着実に心を蝕まれていく。そしてジェイクもまた、生々しい死の記憶に苦しめられていた…。

3人目の運命の仲間はジェイクだった! ローランドと少年を責め苛んでいたタイム・パラドックスはようやく終結した。人の言葉を理解する小動物オイがジェイクになつき、旅の道連れとなる。一行が都市“ラド”へと向かう途中、高齢者ばかりが住む小さな町に辿り着く。そこで荒地を疾駆する超高速モノレールの存在を知るのだが…。暴力と狂気、跋扈する異形のものたち―キングの本領がいかんなく発揮された白眉の1冊!


旅のパーティー<カ・テット>が完成する。
物語の世界観がどんどん掘り下げられてゆき、それにつれて本シリーズへの愛着がグングン増してゆくんですわ。


以下、「ネタバレ」してますので、ご注意ください。
 ↓




ジェイクが仲間になるまでの上巻。
アナグマ的なアライグマ的な小動物=オイを加えた5人組の<カ・テット>が完成し、本格的に暗黒の塔への旅が始まる下巻。
そんな二部構成になってます。

前作では化け物ロブスターの毒によって瀕死の状態だったローランドですが、ここではジェイクを見捨てるという行為と彼の“亡霊”に苛まれて、これまた瀕死です。息苦しいムードの中、パーティーを引っ張るのは、エディとスザンナの見習いガンスリンガー夫婦。マスター=ローランド/パダワン=エディ&スザンナという、この師匠と弟子的構図も『スター・ウォーズ』のジェダイっぽいよね。燃えるぜ。

ジェイクを“中間世界”に迎えるドアを作るために奮闘するエディ。彼はローランドとぶつかり、すれ違いながらも心を通わせてゆきます。この第3部だけではありませんが、そんなエディの成長物語でもあるところが大きな読みどころですね。また、ジェイクも運命に導かれるように、家族の下を離れ、冒険の途に就く。
別次元で同時進行する2つの世界の物語が、遂に開かれたドアをもって繋がり、ローランドとジェイクが再び邂逅を果たす場面は、涙なしには読めんぜよ。そのクライマックスに向けて、キングは念を入って感情の起伏をコントロールしてきますから。

下巻。
旅の途中で立ち寄る街、“河の交差点”の時代の流れから取り残された虚無感、そこで語られる変転する前の在りし日の世界の姿。また、かつての大都市“ラド”の世紀末的/ディストピア的な描写。そのどれもが魅力的で、読み手の“中間世界”へのイメージがグングン固まってゆくくだりです。

“ラド”に着くなり、ジェイクが攫われてしまいます。それを救出に向かうローランド&オイ組、超高速モノレ-ル=ブレインを探しに行くエディ&スザンナという、三つの陣営に分断させるのが、憎たらしいほど上手いんですよね。一旦離れることで、再び合流するときの感慨がよりいっそう深くなりますから。パーティー物の冒険活劇かくあるべし。
あと高所恐怖症のエディに萌える。


第3部は、ブレインとのなぞなぞ合戦の幕が開こうとする場面で終わります。
ワクワクドキドキ。
第4部、『魔道師と水晶球』へ。


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