スティーヴン・キング『ダークタワーⅠ ガンスリンガー』

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スティーヴン・キング『ダークタワーⅠ ガンスリンガー』 (風間賢二 訳、角川文庫)

御大キングのライフワーク。
BLIND GUARDIANが名曲Somewhere Far Beyondで取り上げた名作。
管理人ランキング不動のナンバーワンの地位を占める、全7部構成の超大作。

うぉー、スティーヴン・キングの『ダークタワー』シリーズ、遂に読み始めましたーッ!!
2005~2006年に刊行された新潮文庫版に続き、2017年の角川文庫版による再読です。
うん、つまりまた買い直した。
新潮文庫版もちゃんと持ってるんだけども。
日本語訳も同じ風間賢二氏なんだけども。

時間も空間も変転する異界の地“中間世界”。最後の拳銃使いローランドは、宿敵である“黒衣の男”を追いつづけていた。タルの町で死から甦った男や妖艶な女説教師らから情報を聞き出し、旅は続く。やがて、別の世界からやってきた少年ジェイクと出会い、少しずつ心を通わせてゆく。だが思いがけない事態が2人を襲った…。キングの物語世界はすべて、本シリーズにつながる。今世紀最高のダーク・ファンタジー、待望の復活!

黒衣の男は砂漠の彼方に逃げ去り、そのあとをガンスリンガーが追っていた。


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
 ↓




第1部である『ガンスリンガー』は、このシリーズにしては短い物語になっています。というのも、シリーズの基本的な世界観の提示と、主人公=ローランド・デスチェインの人物造形を紹介することが中心になっているから。どれもこれもがはっきりとした「結末」を示されるわけではないため、読者はなんとなくぼんやりとしたイメージを保持したまま、第2部の『運命の三人』へと進むことになります。
ただし、全編を読んでみると分かる、再読してみると分かる、物語上の重要な描写がいくつもあります。「かつては携帯していた角笛もなくした。何年も前のことだ」なんていうサラリと書かれた一文が、後々重要な意味を持ってきたり。

過去と現在、二つの時点の話が語られます。といっても、時間も空間も“変転”しているので、物語の中での時間の流れは一定ではなかったりするのですが。「いつのどこ」というのは、物語を貫いて意識せざるを得ない、重要なキーみたいなものです。

「過去」部分の最大の読みどころは、ガンスリンガーとしての通過儀礼となる、師匠コートとの果たし合いシーンでしょう。対決前に交わされる、古式ゆかしいハイ・スピーチ語における問答が震えるほどカッチョイイ。
「現在」部分では、少年ジェイクとの邂逅と彼とガンスリンガーが心を通わせてゆくくだり、そして、暗黒の塔かジェイクかの二択を迫られたローランドが彼を“見捨てる”ところまでかな。あとはもちろん、ラストの黒衣の男の“対決”シーン。対決とはいいつつも、実際に闘うわけではなく、黒衣の男との問答を通して「予言」を得るものですけど。この「予言」の内容が、今後の物語上ちょー重要よね。

ジェイクを見捨てたことについての描写が、やや分かりにくいですね。(そうなることが)予め定められた運命のように描かれているからでしょうか。ローランド自身も「暗黒の塔のためにジェイクを見捨てることになる」と予知しているというか。
「運命」ってのはこのシリーズに通底する概念だと思いますけど、それが読者の前に放り出されるように提示されるのが、このシーンなんですよね。


いやー、最高に面白れぇ。
再読してる今の方が面白れぇ。
現在進行形の話として盛り上がってくるのは次の第2部以降ですが、物語の世界観と設定、ローランドの人物造形が堪らんほど魅力的で好き。あとラストに漂う詩情がクール極まりない。


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