Silex「ARISE」


Silex「ARISE」 (2017)

CRYING MACHINEのギタリスト・Mashaが、カナダ人ヴォーカリスト・Pete Klassen、SABER TIGERALHAMBRAのhibiki(Ba)、Kelly SIMONZ's BLIND FAITHのYosuke(Dr)と共に結成した、正統派HR/HMバンドの1stアルバム。
ライブでサポートするMashaのお兄ちゃん=YOSISI(Key)が、ここでも約半数の曲でプレイしており、もはや5番目のメンバーのようになってますね。

Silexについて初めて記事にしたのが2016年の7月(→コチラ)。
本作のリリースが2017年11月(一般流通は12月)。
Mashaの「納得のいくものをじっくり作りたい」という意向もあり、いきなりアルバムをリリースするのではなく、挨拶代わりのシングルを出して→ライブを重ねて→バンドの練度を上げて、という期間を積んできました。満を持してのアルバムがこの「ARISE」。個人的にはもっと時間掛けてくると思ってましたけど。


Peteのハイトーンを活かしたメロディックなHR/HMです。もっとゴリゴリな正統派寄りの音像かと思ってたら、意外なほどメロハーしてました。ネオクラ風味の疾走曲と爽やか哀愁メロディアスハードが、ちょうど半分ずつ収められている感じです。

めっちゃ気持ちいいね!
弾く速度に関係なく、常に歌心と泣きを感じさせるMashaのGtプレイはやっぱ凄い。GALNERYUSのSYUに比肩するギター・ヒーローじゃないですかね。現代的なテクまで網羅しているSYUに比べると、Mashaのル-ツはもっと古典的なところにあるような気がしてますけど。

弦楽器隊の華麗なテクが華を添えることで、質実剛健なだけじゃない魅力があるし、Keyフレーズが無骨になるのを回避してる。そのバランス感覚は心憎いほどです。MashaのGtに絡んでゆくhibikiのBaがまるで2本目のギターみたいな活躍っぷりで、マジたまんねぇス。Yosukeのプレイ・スタイルもCROSS VEINの時よりはるかに音楽性にマッチしてるし。インスト曲⑥Forevermoreでの華麗なテクの応酬はかなりの聴き応え。

Peteの声にカラッとした明るさがあるので、ヴォーカル・パートに関していえば、LAメタルのような雰囲気があります。こうしてまとまった曲数を聴くと、実はこの声質、あんまり得意じゃない。…等とあらためて気づいたり(苦笑)
あと、伸びやかな高音域は彼の武器でしょうけど、それにしても歌メロがハイに寄りすぎている気がしますね。そのせいか、Voパートが平坦に感じる。もっと中音域中心のメロの方が、色気が出ると思うんだけどなぁ。1曲だけhibikiが書いた曲があって、その⑦Somewhere In Betweenはアルバムで最もメロハーしてる曲なんですけど、これがMasha曲とは異なる音域を使っているからでしょうか、Peteのまた違った良さで出ていて◎。


高品質な作品です。
歌・演奏・楽曲、すべてがハイレベルで文句はつけにくい。見事。
ただ、高品質ではあるんだけど、曲展開やアレンジ、フレーズがあまりにも定石に則っていて、どうも面白くないんですよね。この感覚はクラマシの時から感じていたものだし、予備知識なしに観たSilexのライブ(→コチラ)でも再確認した点なので、Mashaのセンスがそういうところに根差したものなんでしょう。優れた先達の継承といいましょうか。
事実、インタビューによると(→コチラ)、アルバムの1曲1曲にリスペクトするバンドやミュージシャンの要素を取り入れてるそうですし。例えば②Ariseはインギー、③Metal NationSTRATOVARIUS⑪Standing On The Grave of YesterdayはMichael Schenkerといった具合に。

【お気に入り】
⑦Somewhere In Between
⑨Cry For You
③Metal Nation
⑪Standing On The Grave of Yesterday
④Everlasting Symphony
②Arise


「どうも面白くない」と言いつつ、響くところは結構あるっちゃあ、ある。


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