BEAST IN BLACK「berserker」


BEAST IN BLACK「berserker」 (2017)

愛すべきフィンランド産“メタル馬鹿”メタル・バンド=BATTLE BEASTから、バンドの中心人物であるAnton Kabanen(Gt&Vo)が脱退(解雇だっけ?)したのはビックリ・ニュースでしたが、それほど間を空けることなく、彼がこのBEAST IN BLACK率いて戻ってきたこともビックリでした。なんせ当てつけのようにビースト感全開のこのバンド名ですからね。ジャケのマスコット・キャラこと、ライオン丸くんもこちらに転職です。

そして真にビックリなのは、このデビュー盤の音楽的方向性とレベルの高さでした。
Anton在籍時BATTLE BEASTの最終作にして名盤3rd、「UNHOLY SAVIOR」(2015)とまんま同じ音楽性じゃないですか。激烈なメタル曲からバラード⑩Ghost In The Rainまで揃え、80年代ディスコ・ポップ調の⑦Crazy, Mad, Insaneを収録しているところまで。
てっきりもっと正統派HMに接近した音楽になるんじゃないかと思ってたんですよね。BBでいえばACCEPTを想起させる1st「STEEL」(2011)路線の。というのも最初は、BBの「ポップ化」はAntonによるものだと思っていて、彼の抜けたアルバムこそが1st路線になるんだと思っていましたから。でも蓋を開けてみれば、4th「BRINGER OF PAIN」(2017)は最高に「ポップ化」してた。じゃあAntonバンドこそゴリゴリでくるだろう、と。

その予想が外れた格好ですが、しかしこれは嬉しい驚き! なんせワタクシ3rdが一番好きなんで。
しかもこれがやたらカッチョイイ作品に仕上がっているので、仲違いとか「ポップ化」の原因なんてもうどうでもいいや、という気分です。

漫画『ベルセルク』を題材にした作品のようですね。管理人は連載が始まってから少しの間だけチラ読みしてた程度なので、その世界観はボンヤリとイメージできるものの、物語についてはほとんど分かりませんが。とはいえ、テーマについて無知であろうが、いわゆるストーリー・アルバムではないし、メロディやアグレッションがストレートに伝わってくる分かり易い楽曲ばかりなので、楽しむのに支障は全くありません。
Antonのソングライティング能力やっぱりすげぇ!と感嘆した一枚ですね。一つ一つのメロディの強さもさりながら、アルバム全体のまとまりと多彩さが素晴らしいです。ヤケクソさと計算高さの両方を感じる。要はバランス感覚に秀でた人なのかもしれん。

Antonの作曲術に加え、本作の充実を支えているのは、元WARDRUMのYannis Papadopoulos(Vo)の存在。凄まじい歌唱力と表現の幅ですわ。雄々しい歌い上げや金切りメタルVoから女性のようなナイーヴ声まで、この人、こんなに色んな歌い方ができる人だったんだなーと、驚きました。ザラついた声/ツヤのある声と、質感も自由自在。WARDRUMを積みCDにしててスマン(笑)。
Antonはギターだけじゃなくて自分でも歌う人で、彼のUdo Dirkschneiderを思わせる声はやたら特徴的なので、聴けばすぐにそれと分かります。本作でも歌ってます。…そのはずです。でも、Yannisが自分の中にいくつもの人格があるかのような、あまりにも幅の広い表現をしてくるもんで、「これAnton声だろ?」ってパートでも、実はYannisが声音を似せて歌ってるんじゃないかと思うほどです。すげぇよYannisたん。

Yannisのシャウトがなかったら北欧ポップスといっても通じる②Blind And Frozen、強力無比なメタル・チューン⑤Zodd The Immortalの名曲っぷりがやばしやばし。良曲揃いのアルバムですけど、ウチのブログ的にはこの2曲がずば抜けてる。特にの哀メロは衝撃モノでした。


“メタル馬鹿”の復権(笑)
HR/HMが好きで良かったと、心の底から思わせてくれる傑作です。
素晴らしい!

【お気に入り】
②Blind And Frozen MVは → コチラ。
⑤Zodd The Immortal
⑥The Fifth Angel
⑨End Of The World
①Beast In Black
⑦Crazy, Mad, Insane


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