MAHATMA「WITH LOVE IN MY HEART」


MAHATMA「WITH LOVE IN MY HEART」 (2017)

群馬のテクニカル・雑食ロック・バンド=MAHATMAのミニアルバム。
新曲3つ(イントロSE含む)と再録曲2つの、計5曲。

ジャケは、樹々をバックに翼を備えたヴォーカルNaNaが祈りを捧げているもの。これは、翼=Tsubasa(Gt&Ba)、樹=秀樹=Hideki(Dr)というふうに、それぞれのメンバーを表しているのだそうです。
表向き、バンドのギタリストとしての活動をストップしたTsubasaではありますが(→コチラ)、クリエイターとしては大活躍しています。新曲③GREATNESSは彼が作詞作曲したものですし、GtとBaの演奏/アレンジ/ミックスと、いつも通りの役割を担っているようです。演奏に関してはクレジットを見る限り、ISAO(Gt)やSumio(Gt)、Hikaru(Ba)といったゲスト陣が担当した部分も大きそうですけどね。


①Overture for WITH LOVE IN MY HEART②WITH LOVE IN MY HEART ~君と共に~
Hideki作詞作曲による、本作のメインディッシュとなる重要曲。
2ndフル「Orchestra of the Life」(2016)はシンフォ色が強くなったアルバムで、収録曲の中でもひときわその特徴が濃い曲がRomanceだったと思います。その続編にあたり、亡父への追悼歌として完成されたこの曲は、作者Hidekiの渾身の想いがぶつけられたマスターピースとなりました。
ドラマティックで切ない歌メロは彼らしさが存分に発揮された美旋律ですが、同時にドラマーとしてのエゴも全開。とりわけ間奏はすんげぇことになっていますね。明らかに曲のバランスを壊すくらいに叩きまくりなんだけど、ここまでDrに感情を込められる技術があり、それを発揮できる場(=曲)があるというのは素晴らしいことだと思います。ある意味“個人的”な色合いの強い曲ですから、その必然性もありますし。
間奏明けの怒涛のラスサビ。ここでの哀感は歌詞&演奏ともに至高で、特に「With Love in my Heart and Precious Memories」のフレーズにヤラれます。2ndミニにキヲク -Precious Memories-という曲が収録されており、これもまた「追悼」を感じさせる曲なんですよね。こちらはTsubasaの手に依る曲ですが、ここの歌詞のくだりは、弟Tsubasaの気持ちも兄Hidekiが一緒に救い上げて、②WITH LOVE IN MY HEART ~君と共に~を作ったんじゃないか、そんな風に思えて泣けてきます。そして、過去と現在とを接続し、「君とこの夢を咲かせたい」という未来へと繋げてゆく感覚がもたらされるところに痺れるのです。

③GREATNESS
がシンフォニックな大作だったので、もう1曲はTsubasaらしいヒネリの効いた小気味良いポップ・センス溢れる曲に振ってくるかと思いきや…、、、こちらも8分に及ばんとする大作でした。そしてより目まぐるしい展開を持つ曲になってます。Gtトーンはかなりヘヴィ志向ですけど、ピアノの澄んだ響きが中和してるし、押し出しの強さより色んなフレーズが飛び出してくる面白さの方が勝りますね。オケと泣きのGtで終盤グイグイ盛り上がってくるところが堪らん。

④Departure
2ndミニ「Dioramatic」(2010)収録曲の再録ヴァージョン。
サビの「安倍総理!安倍総理!」の空耳で(一部界隈で)有名な曲ですが、原曲よりは安倍総理度合いが低下したかな?(笑)
それよりイントロの掛け合いディベート合戦の迫力が増してる。というか全体的に力強く生まれ変わってますね。

⑤生きとし生けるもの
シングル収録曲の再録デュエット・ヴァージョン。
NaNaと一緒に歌っているのは、「あぶらに火を注げるかいッ!?」の名MCで(一部界隈で)有名な佐々井康雄(Vo)。
ゆえに濃ゆい。めちゃくちゃクドい味付けです(褒めてる)。元々勇壮な歌メロを持つ佳曲ですけど、佐々井氏の熱血ヴォーカルによって、まるで戦隊モノの主題歌のようなヒロイックな空気が漂ってますからね。最高だわコレ。


全体のヴォリュームは控えめだし、実質新曲は2曲みたいなものなので、お買い得度は薄いかもしれません。ただその2曲が実に濃厚で、聴いて得ることのできる充実感はかなりのもの。2つに共通した楽曲のトーンは温かくもシリアスなもので、その統一感は2ndフルの作風(シンフォニック色強め、Hideki&Tsubasa兄弟による執念の作り込み)を順当に受け継ぐものと言えそうです。とにかく渾身のにはとどめを刺されますね。希望の光を超えて、MAHATMAの曲で一番好きかもしれません。
作を重ねるたびに力強さが光るようになってきたNaNaのVoですが、今回は頼もしさよりもたおやかさや儚さを重視した歌い方であるような気がしました。を除いて、ね。Hideki&Tsubasa兄弟の本作への想いを汲み取った結果なんでしょうか。とても良い歌唱だと思います。


スポンサーサイト



COMMENT 0