NE OBLIVISCARIS「URN」


NE OBLIVISCARIS「URN」 (2017)

あーん!!

オーストラリアのプログレッシヴ/エクストリーム・メタル・バンド、NE OBLIVISCARISの3rdアルバム。
相変わらずの美麗な暗黒コラージュ・ジャケがイカす。

今まで2回行われた来日公演は両方観に行ってるし(レポは→コチラコチラ)、前作「CITADEL」(2014)は年間ベストにもランクインしたし(→コチラ)ということで、てっきりCD感想の記事もあるかと思いきや、書くのは本作が初めてじゃないですか。

1st「PORTAL OF I」(2012)は、表現力豊かな清濁ツインVoと変幻自在のエクストリーム・メタル・サウンド、そして大々的にフィーチャーされたヴァイオリンの優美な響き、これらの組み合わせが衝撃を与えてくれた名盤でした。なにもかもが個性的で、かつ芸術的。2ndはそこからさらにプログレメタル度が増した、これまた素晴らしい作品でした。

で、本作。
方向性は不変。
いや、そもそもどちらに向かっているのか、どんなサウンドを志向しているのか不明なほど、多岐にわたる音楽的要素を内包している音なので、方向性が変わっていないというよりは、バンドのアプローチが変わっていないというところでしょうか。それぞれのベクトルが収める射程は広くなっている気はします。
この手のメタルにしては、意外なほどヴォーカルを中心に据えたアンサンブルをしているのも不変。というのも、バンドの中心人物/スポークスマンは、Xenoyr(Harsh Vo)とTim Charles(Violin&Clean Vo)という、2人のヴォーカリストっぽいですし。
端正で気品があって、時に優しさすら感じさせるプログレメタルですが、エクストリーム・メタルとしての攻撃性や暗黒性を変わらず湛えているのも頼もしいところです。やはり、NE OBLIVISCARISすげえよ。

相変わらず長尺曲を中心にした作品ながら、全6曲46分というランニング・タイムは今までで一番コンパクトです。そのおかげでもあるんでしょうけど、聴き易いですね。アルバム一枚が自然な流れをもって構成されています。今までもそうだったけど、今まで以上に。
清濁・明暗・軽重・動静。相反する要素を自由に行き来するのは、このバンドの得意とするところですけど、それがまるで違和感のないところまで突き詰められていて、こりゃあすげぇわってなります。アッと言わせる効果抜群だったヴァイオリンによるソロも、壮絶なブラスト・ビートも、曲の一部としてすんなり馴染んでいるし。

同時に、その点が逆に物足りない部分にも感じたり。あまりにも自然に展開するもんだから、前後のパートの「落差」の妙で感情を揺さぶられる場面が減ったかな、と。そんな風にも感じました。彼らの出すサウンドの個性に、ようやっと自分の耳や感性が追いついてきたってことかもしれませんけど。これは“慣れ”ってやつか。はたまた、バンドの成長なのか。
いずれにせよ、本作も傑作と言い切っちまってよいでしょう。


名手Brendan“Cygnus”Brown(Ba)が脱退してしまったので、本作のベース・パートはサポートを迎えて録音されています。そんじょそこらのベーシストでは務まらない代役ですけど、弾いたのはCYNICにも参加したRobin Zielhorstというんだから、ピッタリの人選。Brendanの抜けた大きな穴は、少なくとも音源では感じることはありません。
因みに正式メンバーとして、イタリアのシンフォニック・パワーメタル・バンド=ANCIENT BARDSのMartino Garattoniが加入したようですね。
来日してくれ。

【お気に入り】
どの曲とか選べないくらい、アルバム1枚で1曲みたいな感覚ですが、①Libera (Part I) – Saturnine Spheresの終盤の畳み掛け、アルバム中最もインテンスなサウンドを聴かせる③Intra Venusはやばしやばし。


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