LOVEBITES「AWAKENING FROM ABYSS」


LOVEBITES「AWAKENING FROM ABYSS」 (2017)

「THE LOVEBITES EP」(2017)でビクターの洋楽部門からいきなりメジャー・デビューした、国産ガールズ・メタル・バンド=LOVEBITESの1stフルアルバム。メンバー構成とか音楽性とかについては、EPの感想を読んでちょ。
レーベルの猛プッシュに加え、マサ○トーの猛プッシュも効いているんでしょうか、本作の発売前にO-WESTがソールドアウト、この6月に行われるO-EASTもソールドアウトと、HR/HMフィールドで活動するバンドとしてはなんだかすんごいことになってますね。

かつてこれほどダサいジャケに出会ったことはあっただろうかッ!?
ってくらいサイテーのジャケにまずビックリさせられます。辺境のC級スラッシュ・バンドのCDみたいだ。クソコラ感が半端ない。ビクター繋がりなんでしょうか、HELLOWEEN作品も手掛けたアーティストのものらしいですけど、南瓜自体もアートワークはカッコ良くはないしね。

だが、
ジャケはサイテーだが、中身はサイコー。
デビューEPと同様、ミックス&マスタリングはMikko KarmilaとMika Jussila@Finnvox Studio、Fuki CommuneLIGHT BRINGERのMao(Key)のバックアップの下に制作されています。Maoは作曲に演奏にアレンジにと、さらに役割が大きくなっていますね。これが効いてる。めっちゃ効いてる。
…と思うんですよ。Maoファンの贔屓目があるにしても。

あ、あと前作の時点ではサポート・メンバーだったmi-ya(Gt&Key/現在はmiyakoと改名)は、本作から正式メンバーとなっています。良かったねぇ。彼女のこのバンドへの貢献は大きいですから。幅広い素養をもつmi-yaとガチメタラーのmiho(Ba)、それにMaoのような外部ライターの参加と、作曲が複数チャンネルから為されるのはこのバンドの強みでしょう。


前作の延長線上にある音楽性です。オールド志向の王道HR/HMを現代版へとアップデートさせた音。バラードらしいバラードは今回もありません。潔い。
EP以上に海外志向を打ち出しており、全編英詞。唯一の日本語詞だった⑫Braveheartedも英詞版になっています。言葉を無理矢理詰め込んでいるところはあるし、歌に十分に感情が乗ってるのか不確かに感じるパートもチラホラあります。これもまた前作同様ですけどね。
因みに、を含むEPの4曲は全て録音しなおされて本作に再収録されています。⑤Scream For MeはエンドGtソロの掛け合いが大フィーチャーされたヴァージョンに生まれ変わっており、聴き応えがグンと増しました。

HR/HMの美味しいところを節操も無くぶっ込んできた感、全開。はっきり言ってオッサンホイホイな音でしょう。なので、紛うことなきオッサンである管理人もホイホイされました。だって曲展開がメイデンっぽくて、間奏は南瓜で、曲の途中で切り込んでくるGtソロにはブラガっぽさがあるって、コレたまんねぇス。どの曲も間奏がスリリングで、演奏のあちこちにオマージュを感じまくりング。個人的にはGtソロのクレジットがあるのが嬉しかったです。

斯様に良くも悪くも古臭い音楽性ながら、asamiのVoによってベタつかない仕上がりをみせているのはEP同様だし、このバンドの個性であり強みですね。ここはこうしてほしいと思うところを気持ち良く突いてくるのに、典型的メタル・ヴォーカリストとは異なるってのがまたいいんだよなー。⑥Liar⑨Inspireは、そんな彼女の「違う畑」の魅力を引き出している曲だと思いまするー。
ストレートでも変化球でもイケるというか、真っ直ぐ突き抜ける歌唱もエモーショナルに揺らぐ歌唱も、どちらもこなす実力はほんと素晴らしいです。彼女の存在失くしては、LOVEBITESが成り立たん。
というか、なんでこの人メタル歌ってくれてるんだろう?という疑問が浮かんできますよね(笑)。ありがてぇありがてぇ。

異様なほどの楽曲の粒揃いっぷりを前にして My Mouth is Open Wide なんですけど、ぶっちぎりの名曲が1つあってですね、それがMao作曲の⑪Edge Of The Worldです。バラード調の冒頭からダイナミックに展開する曲構成の面でも、醸し出すスケールの大きさの面でも他の曲とは少々趣が異なり、アルバムの中でバカデカい存在感を示しています。こういう、静かに始まって後半激しさを増してメロが泣いててギターが大活躍ってタイプの曲は大好物なんですよね。METALLICAでいうところのFade To BlackWelcome Home (Sanitarium)系。聖飢魔Ⅱでいうと地獄への階段(完結編)系(笑)。
mi-yaの泣きまくるGtソロの後、オケがガンガン盛り上げつつ、時計が刻む音とともに南瓜風ツインリードへ。ここです!こっからですよ奥さん!! あまりにも劇的に盛り上がる様子に嬉ション漏らさずにはいられないッ!! 曲の壮大さに真っ向勝負を賭けるasamiのVoもサイコー。また最後に時計の刻みに戻ってきて終わるってのもサイコー。くっそ、完璧じゃないか。


1作目だからか、攻めの作風ですね。
よくここまで歌謡曲クサさを排除して作ることができたものです。いや、十分に日本人クサいメロディではあるんですけど、もっと“甘く”仕上げてくるかもな~と思っていたので。ただ、甘さ控えめゆえに剛直過ぎて、“遊び”の感じられない音であるのも事実です。もっと隙間がある音やスピードに頼らない曲だとどんな風に仕上がるのかな?という点は、これからに期待したいところですかね。

衝撃のデビュー。そこから導き出された大きな期待。
それすら楽々と飛び越えてきた傑作かと。
こいつはすげぇわ。

【お気に入り】
ほぼ全曲好きですけど、特に
⑪Edge Of The World
⑦Burden Of Time
⑧The Apocalypse
⑤Scream For Me


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