ARCH ENEMY「WILL TO POWER」


ARCH ENEMY「WILL TO POWER」 (2017)

10thオリジナル・アルバム。
Alissa White-Gluz(Vo)2作目。Jeff Loomis(Gt)が加入してからは初のアルバムです。

前作「WAR ETERNAL」(2014)は決定盤とでもいうべき会心作でした。アチエネはそのキャリアの中で重要な位置を占める作品を今までにいくつも出してきましたが、それらの1コ後の作品では同じ作風を繰り返すのではなく、少し異なるテイストのアルバムをリリースしてきたように思います。「WAGES OF SIN」(2001)の後の「ANTHEMS OF REBELLION」(2003)しかり、「RISE OF THE TYRANT」(2007)の後の「KHAOS LEGIONS」(2011)しかり。
そして「WAR ETERNAL」の次にきた本作。

やはり変化は感じますね。
いや、バンドが変わったというよりは、前回とは違う持ち球を投げてきたとの印象でしょうか。
オーセンティックなHR/HMに接近し、より古典的なドラマの演出方法に則っている感じ。暴虐性やスピード感は控えめ・抑えめで、いつも以上に「このテーマメロを聴きやがれ!」ってふうに目立たせてるような作り。人によっては軟弱に感じるかもしれませんし、突進力やファスト・チューンを求める人だと今回は物足りないだろうなーと。
メロウなパートの存在意義をはっきりと感じさせる曲が多いですね。ストレートにアグレッションを撒き散らす②The Raceは、本作ではむしろ例外的な存在。

ってそうそう、このアルバム、国内盤と輸入盤で曲順が異なります。管理人が購入したのは輸入盤で、序曲的なインストの①Set Flame To The Nightで始まり、②The Raceへと流れてゆきます。でも国内盤だと、The Raceで始まりSet Flame To The Nightで締めくくる構成になっています。輸入盤が本来の形で、それを国内盤では特別に変更したいうふうに映りますが、それだとなんだか流れがチグハグじゃないすかね? 意図が分からん。ま、私が聴くのは本来の順番なんで、関係ないんですけど。

見通しの良いサウンドに、パーツパーツの落差を大きく感じさせる楽曲展開。それゆえに、明快で劇的なメロディが普段以上に迫ってきます。MVが作られた⑤The Eagle Flies Aloneはその最たる楽曲ですし、性急さと爽快感を封じ込めた④The World Is Yoursには新たな名曲が誕生したと確信できるインパクトがあります。
ヌルいと評されそうな作風ではありますが、異常なほどのメロディの充実っぷりがそんなつまんない思いを吹っ飛ばす。その意味で「ANTHEMS ~」「KHAOS ~」を大きく上回ると思いますね。アルバム一枚のまとまりの良さもなかなかのもの。キラー・チューン⑩Dreams Of Retribution(悲哀のメロディに絡みつくオーケストラという、前作から取り入れられた新機軸が結実してる)の半端ない充実感の後だと、残り2曲に少々蛇足感を感じてしまいますけど、それも些細な点かと。

Alissa加入当初、Michael Amott(Gt)は彼女のクリーンVoは使わない旨の発言をしていました。が、早くも2作目で大々的に解禁(笑)。パワーバラード調の⑥Reason To Believeがそれで、大きくフィーチャーされたしっとり歌唱は本作における“売り”の一つでもあるんでしょう。
でも、ウチのブログを普段から読んでくれている人はなんとなく想像できちゃうかもしれませんけど、この曲は管理人にとってはめっちゃ苦手なタイプなんですな。80年代アメリカのバンドの代表曲によくありそうな、バラードとはいっても、サビになると今までのしっとり感を捨て去って途端にド明るくなるタイプ。そういう曲に通じるモノがあるような…。なんだか能天気で白々しく感じちゃうのよね。これ、アチエネの中でも一番受け付けない曲かも。


や、なんでオマエが参加してるんだChristopher Amott?(でも彼が作曲に関わった曲はすげー良いw)みたいな疑問点や、Jeffの存在が希薄で空気みたいに感じるのが気になりますけど、やっぱアチエネ凄かった、な傑作。
という結論に落ち着きます。
すげぇわ。

【お気に入り】
④The World Is Yours MVは → コチラ。
⑩Dreams Of Retribution
⑤The Eagle Flies Alone MVは → コチラ。
③Blood In The Water
⑦Murder Scene


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COMMENT 2

B!13  2018, 03. 18 [Sun] 01:06

最初はイマイチかなと思ったんですが、何度か聴く内に好きになりました。前作が全アルバムで1番好きというくらい気に入ってるので比べると劣りますが、今作もベテランらしさとらしくなさを兼ね備えた力作だと思います。

曲順…については難しいですね。「The Race」で始まるのはインパクトがあって良かったので日本盤の曲順はアリだと思います。

「Set Flame To The Night」はアルバムのアウトロというよりもボートラで収録されてる「Back To Back」(PRETTY MAIDSのカバー)のイントロと考えています(笑)

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ヒゲ・スカイウォーカー  2018, 03. 21 [Wed] 12:26

B!13さん、

私は分かり易いメロディが好きだからか、本作は(も)最初からビビビときました。

国内盤の曲順は仰る通り、インパクト重視のものなんだろうなと思っています。
そうですか、Back To Backが収録されているんですね。ポジティヴ・シンキング万歳\(^o^)/(笑)

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