似鳥鶏『午後からはワニ日和』

似鳥鶏_午後からはワニ日和
似鳥鶏『午後からはワニ日和』 (文春文庫)

似鳥鶏(にたどり けい)による、楓ヶ丘動物園シリーズの1作目、『午後からはワニ日和』を読みました。
ジャケ画、いいね。少し前に感想を上げた、バリー・ライガの『さよなら、シリアルキラー』のシリーズと同じ、スカイエマ氏が手掛けています。

「イリエワニ一頭を頂戴しました。怪盗ソロモン」 凶暴なクロコダイルをどうやって? 続いて今度はミニブタが盗まれた。楓ヶ丘動物園の飼育員である僕(桃本)は解決に乗り出す。 獣医の鴇先生や動物園のアイドル七森さん、ミステリ好きの変人・服部君など、動物よりもさらに個性豊かなメンバーが活躍する愉快な動物園ミステリ。

動物園とか水族館とか美術館とか博物館とか好きなんですよ。
反面、人が多いところは苦手なので、そこらへんの葛藤(←大袈裟)ゆえに、あまり気軽にホイホイと足を運んではいないんですけど。
本書は動物好き/動物園好きならば、まず楽しめるんじゃないですかね。そうでなくとも、ちゃんとミステリとしても成立しているので、安心(何が?)


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
 ↓




いやー、めっちゃ面白いです。
これ、好きだわ。

ライトタッチのお仕事小説、でもその職場がちょっと特殊だよという作品です。動物園の飼育係から獣医、園長や広報等の事務方まで、その仕事模様がめっぽう面白い。普段触れることのない環境だけに読んでいて新鮮さがあるし、語り口は軽妙でも、動物(園)を取り巻く状況の裏表を分け隔てなく描いているので、リアリティがある。
また、「動物」というテーマを描くうえでは避けて通ることはできないであろうある事実を、ミステリ部分と絡めて描いており、第1作に相応しい出来なんじゃないかと感じました。結構シリアスです。

何より楓ヶ丘動物園で働く個性豊かな登場人物達が魅力的ですね。このキャラの強みだけでもグイグイ引っ張ってゆけるよ。シリーズ物にとって最大のポイントは、何を描くかってこと(=テーマ)よりも主要登場人物/チームの魅力があるかどうかってことだと思いますのでね。その点において、本シリーズは2作目以降も楽しみです。


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