TM NETWORK「humansystem」


TM NETWORK「humansystem」 (1987)

5thスタジオ・アルバム。
前作「Self Control」以上に、豪華で幅広いゲスト・ミュージシャンが参加した作品。

前作と同じ年のうちに発表されています。「Self Control」が2月、本作が11月。その間にあたる4月に、TMの最も有名な曲であろうGet Wildがシングル・リリ-スされていますが、本作には収録されていません。
本作に入っているいわゆるシングルA面曲は、②Kiss You⑧Resistanceの2曲になります。鈴木亜美がカヴァーした(小室哲哉がさせた?)ことでも有名な③Be Togetherが、本作の中では一番名の知れた曲でしょうけど、これは後に再発シングルのカップリングには収録されるものの、シングル曲ではありません。

ファンには人気の高いアルバムだと思います。私も好きです。もしかしたら、前作に次いで、2番目に好きかも。
ジャケのスタイリッシュさ、それと連動したかのようなタイトル(造語)の響きによって、コンセプト作のようなイメージを受けますが、収録されている楽曲の印象は割とバラバラだし、別にコンセプチュアルではないんですよね。アルバム一枚を通した統一感ということなら、「Self Control」の方が強いです。前作より自分達(というか小室)のやりたいことを好き勝手ぶち込んでるなーというイメージ。

小室色が強いアルバム。
木根(尚登)曲にしても、小室のアレンジによっていつもよりひねくれてるような印象がありますし。前作譲りの分かり易い部分と、TKらしい先鋭的でマニアックな部分が入り混じっている作品ですが、アルバム後半が特にやりたい放題なので(笑)、その印象に押し切られているようにも思えます。かなり歪なアルバムじゃないですかね。反面、TMの(≒小室の)雑食センスが好きな人にはたまらない作品なんじゃないかなーって。

「小室色が強い」というのは図らずもダブル・ミーニングみたいになっており、ほとんどの曲で作詞を手掛けている小室みつ子の活躍が光る作品でもあります。独特の言葉使いがキレまくってる。
での細かい譜割りのメロディに言葉を嵌めてゆく神業、での情景描写力の強さ、でのキラー・ワーズの乱舞っぷり! 特に「ふたりエモーションはフォルテッシモ 離れられない」 のバブリーさはヤバい(笑)

歌詞といえばタイトル・トラックの④Human System。本作の高評価のかなり大きな部分を占めるんではないかという名曲です。「humansystem」は好きだけどHuman Systemは嫌いって人がいたら、それは何故なんだ!?と問い詰めてやりたいくらいの気持ちはありますね(笑)。
TMのバラードの中では、ELECTRIC PROPHET (電気じかけの予言者)と双璧を為すんじゃないでしょうか。しかもライブVer.こそが至高である(つまりスタジオver.は物足りない)エレプロに対し、こちらは既に完成された美がここにある。こんなに切ねぇ曲があっていいのかって話ですよ。メロディが詞世界とガッチリ結びついているのを感じます。一例ですけど、「汚れたシャツのえりもと」なんてフレーズをさらりと入れて、それがどれだけ曲の雰囲気を醸成するのに効果的かって。
「教科書に落がきした少女の短い歌は 少年がカバンにつめた夢と同じ」からのサックス・ソロ(アメリカのフュージョン・バンドSEAWINDで有名なLarry Williamsによるもの)! その後ろで鳴るピアノ! ラスサビへ!って流れが狂おしさ全開で死にそう。←
イントロ&アウトロに違和感無く取り込まれたトルコ行進曲のメロディがまた泣かせるのよね。


アルバム前半に隙無し。
DURAN DURANを意識したというは、管理人の苦手なタイプの曲ですけど(ラップとファンキーなノリのせいか)、宇都宮隆でしか出せないであろうノリと緻密な構成、そしてこれをシングルとして出してしまうってことに、敬意を感じざるを得ないっす。因みに当時DURAN DURANにいたWarren Cuccurulloが、本作の4曲でギターを弾いてますね。
反面、後半がやや弱いかなー。なんだか曲の並びがギクシャクしてるのよね。あと、何を狙っているのかよく分からないアレンジの曲があったり…(苦笑)。

そうそう。
書き忘れそうになりましたが、このアルバム、小室先生の意向により音量が小さいです。私は曲単位というよりアルバム単位で聴くことが多いので大して気にしちゃいませんが、それでもコレを聴くときは毎回ヴォリューム上げますわね。

【お気に入り】
④Human System
⑧Resistance ゆったりしているようで焦燥感に駆られる曲調。熱さと緊迫感が前作収録のDon't Let Me Cryに似ているかも
③Be Together TM王道のキャッチーさ
①Children of the New Century 転調と技巧の応酬なのに、それを感じさせない聴き易さ
⑪This Night


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