THE UNCROWNED、シェーンベルク、VELATRIA@吉祥寺CRESCENDO

【 Triple Crown #15 】 吉祥寺CRESCENDO (2017/9/10)



国産メロディック・メタル・バンドTHE UNCROWNEDのライブを観てきました。Amiliyahシェーンベルクとのスリーマン・イベントです。各バンド60分ステージ。オープニング・アクトあり。
ソールドアウトですって!


VELATRIA (O.A.)
この日から発売になるというシングルのトレーラー(→コチラ)を試聴して、実はTHE UNCROWNEDの次に楽しみにしていたバンドです。女性Vo+シングルGt+Key入り(サポート)の5人編成。
平均年齢19歳という若いバンドでしたが、曲作り/歌唱&演奏/ライブでの音作り等、とてもしっかりしていました。ヘドバンの揃ってなさと一応やってます感、それとMCのぎこちなさには、まだまだこなれていないものを感じましたが、それ以外はお見事。MCに関しては、無理に場慣れしたバンドっぽく振る舞わなくても良いと思いますけどね。

「シンフォニック」と評するまではいかないKeyの味付けに、リフがずっと曲を主導するわけではないくらいのメタル度数。音的には陰陽座のシングル曲にキラキラしたKeyを入れたような感じかしら。日本語の歌詞を大切にしているっぽい点もしかり。
この手の音楽で弱点になりやすいのはやはりヴォーカルですけど、厚みのある声量で安定感のある歌唱を聞かせてくれたHaLuはなかなかの実力者。抑揚の表現にメリハリが付いてくると、もっと良くなると思います。楽器隊も無理にテクニカルなことをしようとはせず(といっても技巧派指向だとは思うけど)、メロディをしっかりと聞かせようとする姿勢がとても良かったと思います。どの楽器の音もぶつからずに明瞭に聞こえてきたのには驚きました。ベテランでもちゃんとできてないバンドが多いところですしね。特にKeyの取り入れ方とバランスは◎。

オープニング・アクトとはいえ5曲(だったかな)しっかりプレイ、好印象でした。どの曲も印象的なメロディがありましたし。
終演後にシングル購入。しかしサンクス・リストに、寺沢功一とか阿久井喜一郎とか佐藤潤一とかhibikiとかMashaとか、錚々たる名前が並んでいるのは何なのだろうか…


シェーンベルク(Schonberg)
「シェーンベルク」と「Schonberg」、どちらで表記したら良いのか。
女性Voシンフォニック・メタル・バンド、観るのは2回目ですね。
初めて彼らのライブを観たときは、「~でございます」繋がりのCROSS VEINに近い世界観/音楽性で、歌メロを歌謡曲寄りに、Gtをネオクラ寄りにした感じだな~との認識でした。それが間違っていたわけではないと思いますし、そういう曲もあるんですけど、「それだけじゃないな」というのがこの日観た感想です。
演歌っぽい“ど”バラードもあれば、正調クラシック音楽要素全開のシンフォ・チューン、ジャパメタらしい疾走曲、演劇色強めの曲等々、幅広い。というか、以前観たときより引き出しが多くなっている気がする。シンフォニックな色合いはかなり強めではありますが、専任キーボーディストはおらず、同期音源で再現するスタイルです。

アルバム再現といえばこちらもそうで、2ndアルバム「Another Veiled Story ~運命の系譜~」(2016)の“ほぼ”完全再現ライブとなっていました。ストーリー・アルバムだけあって、ステージの頭っからケツまで徹頭徹尾、美意識に貫かれたショウを見せてくれましたが、その完成度の高さと拘りの強さに圧倒された1時間でした。はっきり言いまして、このバンドのことを過小評価していたようです。鱗 from 目でした、申し訳ありません。
語り部であるナル嬢(Vo)がカンテラ/ローブ/仮面舞踏会のマスク/一輪の花/洋風扇等々の小道具を使って濃厚な雰囲気を作りつつ、バンドはほぼシームレスに曲を繋ぎ、物語を練り上げてゆく。驚くべきは世界観を壊す要素がまるで無いことでしょうね。メンバー全員が物語に奉仕しているかのような、そんな没入っぷり。スクリーン等の視覚効果も無く、SEとステージ上の4人のメンバーだけ(と言うとハコのスタッフもいるので語弊があるけども)で、この物語世界を再現するのは凄いですね。

とりわけナル嬢の役者っぷりな! 歌だけじゃなくて、時折挿入される物語背景を説明する口上や、登場人物になりきったかのような(ささやかな)演技、膝を折っての美しいお辞儀、様々な場面での優雅な所作…etc…。むをおおおおお! なかでも、左手にマイク、左半身を前に、右腕を頭の後ろ辺りから高く掲げる必殺の姿勢、これを「ナル・ポーズ」と名付けたい気はしますが、これが実にフォトジェニック。家の姿見の前で真似したくなるよ(真似してどうする)。気品&耽美全開、ハートがふるえて、燃えつきるほどヒートして、血液のビートを刻んじゃうこの感じ分かりますかね? 緋色の波紋疾走(スカーレットオーバードライブ)ですね。赤いドレスをお召しだっただけに。
実は、彼女のVoに物足りなさを感じて、CD購入やライブに足を運ぶことに二の足を踏んでいる自分がいたんですけど、以前よりずっと上手くなっており驚きました。歌唱力もそうですけど、表現の幅がめちゃくちゃ広くなってる。ゆえに色んなタイプの曲を歌い分けできてるし、それら全てが彼女のVoによってシェーンベルクの名の下にまとまる。そんな風に感じました。歌い回しに少々クセはありますけど、それが濃厚な世界観にマッチしているので◎。

彼らの音楽について、誤解していたというか、自分の中で聞き方/評価の仕方を誤っていたような気がします。
ライブ向けだと思われるアップテンポの曲をところどころで挟んではきますが、そういう“即効性”のあるステージではないんですね。練られたアンサンブルと巧みな曲展開がジワジワ効いてくる、そんな“遅効性”のライブであったように感じました。いつの間にか、グイグイ引き込まれている自分に気づきました。
聴きながら、「あー今俺、プログレ系のライブと似たような楽しみ方してるわー」って考えていましたね。キャッチーなサビ一発だけが曲の良さではないという、ごくごく当たり前のことをシェーンベルクのステージが思い出させてくれた気がします。音楽性に比して演奏がヘヴィ過ぎる(パートもある)ようにも思いましたけど、それもバンドの個性の一つなんでしょう。中心人物である星野学(Gt)のシュレッド・プレイが、曲の要所々々で大きな聴きどころを提供してくれるのも美味しいところ。

いやー、この日一番の収穫でした。一度評価を定めたらテコでも動かない頑固者の管理人には珍しい事象が発生した一夜。素晴らしかった。終演後に、遅ればせながら2ndアルバムを購入した次第です。
拘りを感じられるステージをまた体験したいですね。今度はCDをしっかり聴き込んで。あと、CROSS VEINと対バンして、姫と姫の取っ組み合いしてほしい(笑)
<セットリスト>
01.Back to the Past -前世への邂逅- ~ Another Story
02.ロサ・ヴェルメンティス
03.The Phantom thirsts for bloods
04.Prophecy~コルベイユは美しく、はかなく ~ St.エトワール
05.Black Masquerade
06.Moonlight Blues
07.Prisoner -砂の城の物語-
08.Celestine Aria -最期のアリア-
09.Back to Now -意識の復帰- ~ アルス・ノーヴァ
10.Find My Way -星辰のキャロル-


THE UNCROWNEDの転換中に流れてる曲が、10月27日に発売する新曲っぽくて、というか間違いなくそうで、めちゃくちゃカッコイイんですけど! テクニカル・スピード・チューン哀メロ派。


THE UNCROWNED
トリ。
この日はデビュー作「REVIVE」を完全再現するということで、本作を2016年の年間ベスト記事(→コチラ)でもランクインさせた身としては、とても楽しみにしていました。

リーダーTakeshi(Gt&Key)の弟であるNaoki(Ba)が脱退したので、サポートとしてシンフォニック・メタル・バンドElupiAのMats(Ba)が参加、Drは引き続きBALFLAREの松崎功です。Naokiの後任としてMatsの名前が発表された時に、良い人選だなぁ!と思いました。そして実際にバンドにぴったりフィットしていましたね。上から下まで黒い衣装で固めた彼は、ElupiAの時よりもスタイリッシュに見えました。オールバックっぽい髪型のせいもあるかも。それでいて時に歌メロを口ずさみつつにこやかにプレイするんだから良いよねぇ。鉄壁の松崎のドラミングと合わせて、素晴らしいリズム隊でした。おかげで、CD音源よりもHR/HMらしいガッツンガッツンした攻撃性が前に出ていました。
ベテラン松崎は、告知MCでメンバーがもたついてると「メモしとけや!」「客に訊くな!」と、ムードメーカー的に場を和ませたりと、演奏以外でも2人が助けられていた部分は大きかったと思います。DrとBa、それぞれのソロタイムもあったしね。

パワフルな音像の中、Takeshiのギターが縦横無尽に駆ける様子がスリリングこの上ないのね。タッチとしてはねちっこくはなく、小気味良いと表現したいタイプ。技巧に秀でたギタリストがメロディを大切にして弾くと、こんなにツボを突きまくってくるのかという、お手本のようなプレイでした。リフもソロも両方ね。いやー好きですこういうGtプレイ♡
今回4回目のライブだというSHAL嬢(Vo)は、このバンドより前のキャリアが無いために、THE UNCROWNEDでのステージの数がイコール経験値となります。音源のイメージを違うことのない歌唱を聞かせてくれたことは良かったと思います。ただ、歌唱そのものというより、それを伝える技術やフロントマンとしてのステージングはまだまだ、といったところですね。マイクと口元との距離がブレブレなのが勿体ないです。声量はあるのでマイクが声を拾わなくなるほどじゃないんですが、不安定に聞こえちゃうから。
あと、これは人柄による部分が大きいとは思うんだけども、ロック・ミュージックを歌うヴォーカリストではなく、いち社会人である素の自分のままステージに上がっているような感じはします。緊張とか羞恥という感情については管理人も痛いほど分かりますし、彼女のそういったところが良いんだよって意見もあるでしょうけど、個人的には「もっとワタシを見やがれー!」っていうスタンスが欲しいところ(笑)

お題目の完全再現は、「完全」なのでアルバムの曲順通りのセットリストです。中盤にメロウな曲を配置しつつ揺さぶりをかけて、冒頭と最後を激しめの曲で締める構成のアルバムなので、ショウの流れとしては違和感はありません。一点だけ、ポジティヴなエネルギーに満ちたキラーチューン、INFINITEを序盤で“使い切って”しまうところが難点かなー。しかしTOWARD YOUの哀メロ、絶品でしたな。やっぱこのバンド、メロディが強力。

本編はアルバム丸ごと9曲で終了。トリなので当然のように、というか皆さん新曲を聴くことができるんじゃないかと期待して、アンコールの呼び出しが掛かります。すると松崎氏が登場して、持ち曲がもう無い&新曲は準備が出来てないということを豪放磊落に笑いをとりつつ説明。SHAL嬢が好きだという、そしてクレッシェンドの新年会イベントで歌ったこともある中森明菜DESIREをカヴァーしました。まっさかさまに堕ちてゲラ!ゲラ!ゲラ!バーニラー!なやつね。TakeshiのGtの刻みがめっちゃ気持ちいい! そしてSHAL嬢の歌唱と所作が自分のバンドの曲よりも板についてるww

曲の良さ、サポート陣の踏ん張り、ファンの好反応のおかげもあって、とても盛り上がりました。SHAL嬢は自身の足りないところについてしっかり把握されてるようですし、新曲も凄いのが来そうだしということで、今後を見守りたくなるバンドですね。これからどんどん魅力が増していくと思います。
家に忘れて一旦取りに帰ったという予約特典(笑)が、とても心のこもった物で嬉しかったです。メンバー2人の人柄をそのまんま象徴しているような、ささやかだけど心温まるお土産。素敵♡
<セットリスト>
01.SHIVER
02.REVIVE
03.INFINITE
04.BLUE MOON
05.RELUME
06.BRAVE MY HEART
07.TOWARD YOU
08.DUELLO
09.UNWAVERING

ENCORE
10.DESIRE -情熱- (中森明菜カヴァー)


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