KAMEN RIDER GIRLS「invincible」


KAMEN RIDER GIRLS「invincible」 (2017)

覆面乗手的ガールズ・ユニット=KAMEN RIDER GIRLS(仮面ライダーGIRLS)の3rdアルバム。フルアルバムとしては3年5ヶ月ぶりのリリースとなりました。アイドル・グループとしてはかなり長いスパンですね。
ジャケでハーレム状態になっているのは藤岡ひr…じゃなくて仮面ライダー1号ですけど、3枚目のアルバムだけにV3じゃないんだ?っていう。ま、どうでもいいんですけどねw


間違いなく、2017年最も回数多く聴いたアルバムでしょう。

HR/HMを売り文句に掲げつつも幅広くメロディックな楽曲を収めた、1stアルバム「alteration」(2013)。
様式美は薄れたものの技巧とテンションの高さで攻めてくる、2ndアルバム「exploded」(2014)。
1stは初期曲に甘さ(←曲調も歌唱の精度も)がありつつも、複数のキラーチューンにヤラれてすぐさまお気に入りの一枚になりましたし、最初はピンとこなかった2ndもライブで定番曲を観ていたらジワジワと響くようになってきました。

そんな2枚のアルバムを軽く凌駕して、圧倒的な完成度の高さを見せつけてきたのがこの3rdです。
収録曲の多くがライブで披露済みで、既に耳に馴染んでいるってのはあるでしょう。ステージを観る機会が増えるにつれて、グループに対する思い入れが積み重なっているってのもあるでしょう。ただ、そんな個人的な「体験」を無視したとしても、アルバム一枚を通したスムーズな流れとまとまりの良さは、段違いなんじゃないかと感じます。
ハードな冒頭で一気にツカミにキて、中盤で揺さぶりつつ、後半には盛り上がる系のアッパーチューンを配置して…って流れ。これは正に、ワンマン・ライブを想起させる構成なんですよね。で、2曲収録されたボーナス・トラックが「ボーナス」の名に相応しい、ある意味スペシャルな曲になっているから、これがアンコールのようにも感じるし。
そして、シングルやコンピ盤でリリース済みだったり、ライブでいち早く披露していたりという、「既発曲」が多いにも関わらず、寄せ集め感が無いのが強い。

パッケージされた一つの作品としてアルバムを捉えた時のこの統一感は、楽曲の方向性がとっちらかっていないこともそうなんですけど、ヴォーカル・パートがまとまっていることとイコールな気がしてます。曲毎のチグハグ感がありません。逆に言うと、1stと2ndには録った時期や曲によってのバラつきがありました。
7人編成でのNext stageも5人編成時の楽曲も、井坂仁美/秋田知里/鷲見友美ジェナ/黒田絢子という現行メンバー4人で録り直しされていることが大きいでしょうし、リリースまでのスパンこそ空いたものの製作自体は短い期間で凝縮して行われたことが功を奏したんじゃないかなー。
また、この4人でライブを重ねてきた成果とも言えるでしょう。ライブの回数が増えれば、自然と歌唱力や表現力がアップすることが多いですしね。中でも、別働声優系ユニット=アプリコット・レグルスでも活動する、秋田&鷲見の存在は頼もしいです。アニソン的なまっすぐ伸びやかなVoのチサート、洋楽ポップスに通じるリズミック&テクニカルなVoのジェナと、タイプの異なる2人の歌唱が安定をもたらすことで、ヴォーカル・パートにビシッと芯が通りますから。


以下、1曲ずつ。

①B.A.T.T.L.E G.A.M.E
兄妹の関係にあるRIDER CHIPSとのコラボ曲。作詞作曲はチップスのRicky(Vo)。…のKRGS版。ですのでヴォーカルはGIRLSが担当してます。演奏はチップスなのかな? 忙しないDrはJOEっぽいけどね。
ハードロッキン&ミクスチャーな曲調と言葉遊びを交えたフック満載の歌詞の組み合わせがガツンときます。オープニング・トラックにぴったり。「B.A.T.T.L.E G.A.M.E BATTLE GAME」の歌詞のハマリ方が気持ちいいのよね。

②Reason for
ここで初収録となる、いわゆる新曲。作編曲を担当したのは、仮面ライダー楽曲やKRGS曲でもお馴染み、defspiralのRyo(Ba)。Gtを弾いてるのは、これまたKRGS曲でお馴染みのChewing High!!の綾野光紘。
前曲からの入りにゾクッとします。イントロのカッチョ良さなら2017年ぶっちぎりですよ。過去曲でいえば、名曲Last Engageに似た感じのメロパワ・タイプ。これは好き。めちゃくちゃ好き。こういう疾走感と勇壮さ、切なさこそがKRGSだなって思えるので。

③Time of Victory
ヒロイックな歌メロが突き抜ける、これも“らしい”タイプですね。曲調はメロハーっぽいんだけど、ライブで聴いた時の印象よりも打ち込み主体の仕上がりになっているかな。
サビの歌詞にメンバー4人の名前とイニシャルを織り込む遊び心がニクいんですが、それが曲のかっこよさに結びついているので、重ねてニクい。ニクニクしい。

④Next stage
黒田絢子が加入して7人編成になった時のシングル曲(感想は→コチラ)の再録Ver.。シンセのキラキラと哀メロが特徴ですけど、そういう曲でもKRGSの場合、過度に甘々にならないところが良いのです。

⑤PEOPLE GAME
『仮面ライダーエグゼイド』のポッピーピポパポのテーマ曲、のKRGS版。…って自分で書いてても何言ってんだかよく分かってませんが、ポッピーピポパポってのはキャラクターの名前なのか。原曲は→コチラ。
これ好きー。GIRLSが歌うとカワイイ系の原曲からグッとおねーさんっぽくなりますけど、KRGSの曲の中ではかなりカワイイ部類に入るという、このバランスが秀逸。アルバムの中でも良いスパイスになっているのではないでしょうか。間奏はGtソロの弾き倒しに変更されてます。
この曲、ライブでは黒田考案の振り付けで披露されるんですけど、これが最強にかあいーんだ。

⑥Future Capture
キラーチューン キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
作詞:藤林聖子/作編曲:鳴瀬シュウヘイという、これぞKRGS!なコンビによる、暗くシリアスな新曲。ヴァース→ブリッジ→サビへと、徐々に明度と疾走感を増してゆくメロディ展開がネ申懸ってるゥ!し、男前過ぎる秋田&凛としたジェナの歌唱が光ってますね。そしてダメ押しのように綾野光紘によるGtソロで泣く…。。。か、完璧だッ! アルバムで一番のお気に入り曲なんですけど、これだけ一度もライブで聴いたことがないのよね。
しかし冒頭からここまでのアルバムの流れ、マジで隙が無いわぁ。
…という言い回しは、次曲以降に隙があるってことになるけど(笑)

⑦風の向こうへ
『仮面ライダーエグゼイド』の劇中曲に歌詞を乗せた変わり種バラード。1曲の中でドラマを描くのではなく、物語を彩るための伴奏音楽が基になっているという曲の成り立ちゆえか、全体的に淡く、起伏に乏しいつくりです。ただし、Voの感情表現の深さが1stの頃の比じゃないのは◎。

⑧Movin'on
爽やかかつ清楚な純白の衣装で驚かせてくれたシングル曲(感想は→コチラ)の再録Ver.。タイプの近いが前半に、こちらが後半に配置され、アルバムの中のポップ・サイドの役割を担っています。それが統一感や流れの良さを感じることの一因でしょうね。

⑨Stormy Story
と同じく、『エグゼイド』の劇伴が基になっています。ドギツい打ち込みとハンドクラップを誘発するリズムの連動が強烈な印象を残す、ハードテイストな曲。歌メロの叙情性は抑えめ。

⑩Let's Try Together
ライブではタオル回しで盛り上がる曲。脳内補正効果により、そんな楽しげな光景が自然と浮かんできますけど、音源では打ち込み主体のアレンジにより、シリアスさが増してるかな。ガツンとした生バンド演奏でロック感と豪快さを前面に押し出した、Just the Beginningみたいな方向性でも光る曲だと思います。「Wo Oh Oh Oh Wo Oh Oh Oh」のコーラスがキャッチー極まりない。

⑪YO-SO-LO !
チアガール系お祭りミクスチャーロック船出派。
安定と信頼のソングライティング&アレンジ、tatsuoが作編曲を手掛けた新曲です。氏が書いたKRGS曲といえば、代表曲中の代表曲であるE-X-A (Exciting × Attitude)Girls Anthem ~with our BIG LUV~があるわけですけど、その2つに負けず劣らずライブでの超重要な必殺曲にのし上がったのがコレ。
彼らしい細かい譜割りの歌メロ。韻を踏みまくる歌詞。掛け声やラップを織り交ぜ、目まぐるしく歌い手が交代する作りはテクニカルな印象が強いですが、サビ前にややゆったりしたメロを入れてフックを盛り込んでいるのはさすが。帆船が、港を出て→速度を上げて→外海へと進水してゆく様子がはっきりと想像できますもん。また、ラスサビの後の「If it's cloudy windy rainy~」からの展開が、ダメ押しのようにクライマックスを演出していて美味しいのよね。
曲作りの巧さが光る逸品。キラー!!

⑫Girls Anthem ~with our BIG LUV~
1stアルバム収録曲の再録。グループにとってもファンにとっても重要度の高い楽曲なんだけど、対バン形式のライブではまずやることのない、そんな曲。ま、ヴォーカル・テイクがどうだとかいう以前に、圧倒的に曲がつよいよね。2013年の年間ベストでも選びました(→コチラ)。
前曲からのtatsuoチューンの連続技が、テンション高いままでアルバムを締めくくり、かつ(前述したような)ワンマン・ライブのようなムードを作り上げてくれます。サイコー。サイキョー。

⑬The theme song of Sunagawa-shi, Hokkaido (Let's Dancing)
最後の2曲はボーナス・トラックです。ワンコーラス・1分弱のこの曲は、AbemaTVの企画で、北海道の砂川市をPRすることになった際に作られたもの。砂川市のHPにメンバーが現地を訪れた時の様子が掲載されていますね(→コチラ)。
歌詞を書いたのはメンバー。どこのアイドルだよッ!?()っていう、なんとも異色なカワイイ曲になっております。このギャップこそが「ボーナス」。

⑭レッツゴー!! ライダーキック (Rebuild)
例の仮面ライダー的な、KRGSのデビュー曲的なアレを、TRFのDJ KOOがリアレンジした、ホゥ!ホゥ!イェアッ!フゥッ!なヴァージョンです。バブリー!めっちゃTRF!90年代バンザイ!(笑)
とにかくDJ KOOのラップがカッチョイイです。大したこと言ってないのかもしれないけど、口調がカッチョイイ。管理人がTRFのファンだったことはありませんけど、魅力的な声してるんだなーと再確認しました。


全12曲+2曲。
曲順にはメンバーの意向も盛り込まれているようで、実に見事な流れになっています。
そして3つの新曲が果たす役割の大きさね! どれもがこれぞKRGSというソングライターが書いてるし、仕上がりも申し分なし。「既存曲」よりもそれら新曲の方がさらに強力ってのが嬉しかったのです。また、序盤・真ん中・終盤という配置の妙も効いてる。効きまくってる。

グループの成り立ちからして、仮面ライダーや特撮に近い位置で活動していることは必然でもあるし、それがメリットになっていることも多いんでしょう。でも同時に、それが枷(かせ)のなっているようにも感じます。そういう時がある。それは活動範囲のことだったり、歌詞のテーマに限界があったり。
前者についてはここ1,2年でよくなってますけど、特に歌詞についてね。どうしても、戦いや団結や友情や勝利、事象に対するスタンス等の抽象的なテーマや言葉選びになりがちですから。具体的なシチュエーションに照らした歌詞や、ファンタジー/神話等の他の創造物からの引用、比喩表現を持ち込むのは難しいかな、と感じるので。ま、言葉選びが稚拙じゃなきゃ、そういうのも嫌いではないですけど。

そんな不満や懸念は置いといても、1曲1曲の手応えとアルバム一枚のまとまりを両立させてくれたのはガッツポーズしまくりングです。最高ね。これはタイトル通り、invincible。無敵。
傑作!!

【殿堂入り】
⑫Girls Anthem ~with our BIG LUV~

【むをおおおお!】
⑥Future Capture
⑪YO-SO-LO !
②Reason for
③Time of Victory
④Next stage
①B.A.T.T.L.E G.A.M.E
⑤PEOPLE GAME
⑩Let's Try Together
⑧Movin'on



追記にて、DISC 2(Blu-ray)の感想を。
    ↓




この「invincible」、CD1枚の通常盤に加え、CD+Blu-rayのものとCD2枚組のものと、計3仕様があります。
CD本編は全て同内容で、Blu-rayには2017年5月3日に原宿アストロホールで行われたワンマン・ライブがフル収録されています。CD2枚組のDISC 2は、同公演の「ライブCD」になります。
私が購入したのはBlu-ray付きのものね。

このワンマン、遠藤三貴の卒業公演、正確には卒業した遠藤をゲストとして迎えた一夜限りの復活公演、でした。当日のライブレポは→コチラ。
自分が観に行ったライブが、Blu-rayの鮮明な映像で残るのは嬉しいことです。アストロホールはフロア後方から観やすいつくりにはなっていないので、至近距離からメンバーを捉えた映像には新鮮さを覚えますし。振り付けとマイクを持ち替えるタイミングの兼ね合いとか、普段はさほど意識してないところにも気づいたりして「オォッ!」ってなったり。←沼
音もクリアなので、(同期音源ではありますが)演奏のヘヴィさも伝わってくるのが良いですね。

二部構成の第一部が、ゲーム形式で進行する現行4人でのパフォーマンス(ゲストあり)に、第二部が遠藤を加えた5人でのステージになります。
一部のクライマックスは、レア曲と言ってもよいHEAVY METAL STRIKES BACK-血まみれの救世主(メサイア)たち-でしょうね。息も絶え絶えの歌唱が、敵役とのバトル・シーンの臨場感を煽ります。振り付けはないものの、動きながら、そして敵役との戦いの演技をしながら歌いきれるような曲ではないんですわな。

二部は遠藤の晴れやかな笑顔に引っ張られるような、溌剌としたステージ。
途中までは。
この日のライブに足を運んでない(行けなかった)人は、咲いてが始まった途端にメンバーが泣いているのに面食らうと思いますが、この前にみっちゃんから4人に向けてのお手紙朗読タイムがあったからなんですね。それが収録されていない。あ、そうすると「フル収録」じゃないね、これ。あとはMCとか煽りとかもちょいちょいカットして、ライブ作品としてコンパクトにまとめているかも。
ともあれこの咲いて、ピンクからオレンジへとチェンジするサイリュームや、嗚咽&鼻をすする音がマイクインしちゃう生々しい歌唱に、サプライズ合戦にと、見どころがやたら多い名演になっています。また歌詞がジ~ンと響いてくるんだよなぁ。
因みに咲いてはアンコールの「卒業式」でもGIRLSの生演奏とファンの合唱によってプレイされ、こちらも拙さが漂いつつも、KRGSのライブ空間の雰囲気(温かさや親密さ)がストレートに出ていて、泣けること泣けること。

アンコールには新衣装によるTime of Victoryの初披露があったりと、演出面でも楽曲面でもめちゃくちゃ充実したライブ映像作品に仕上がっています。


DISC 2

01. OPENING-第一幕-
02. B.A.T.T.L.E G.A.M.E
03. Let's go riderkick 2011
04. Just The Beginning
05. 悪魔の侵攻
06. Last Engage
07. Scarlet Savage
08. DECIDING MATCH
09. 風の向こうへ
10. PEOPLE GAME
11. スピード・デーモン (Another Ver)
12. Exploded
13. HEAVY METAL STRIKES BACK-血まみれの救世主(メサイア)たち-
14. Stormy Story
15. エグゼイドLEVEL2 ~患者の運命は俺が変える

16. OPENING-第二幕-
17. Movin'on
18. LoL
19. OK Allright
20. 仮面ライダーフォーゼ曲メドレー
  「Giant Step ~ COSMIC MIND ~ Shooting Star ~ Voyagers ~ Switch On!」
21. 咲いて
22. Let's Try Together
23. E-X-A (Exciting × Attitude)
24. Girls Anthem ~with our BIG LUV~

25. Time of Victory
26. Primary colors
27. 卒業式 ~咲いて (生演奏)
28. HERO


あ、そういえば卒業したみっちゃん、女優として活動を再開しましたね(パチパチパチパチ


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