ジェフリー・ディーヴァー『バーニング・ワイヤー』

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ジェフリー・ディーヴァー『バーニング・ワイヤー』 (池田真紀子 訳、文春文庫、上・下)

ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライム・シリーズの9作目、『バーニング・ワイヤー』を読みました。
8作目『ソウル・コレクター』の感想は → コチラ。

突然の閃光と炎。それが路線バスを襲った。送電システムの異常により変電所が爆発したのだ。電力網を操作する何者かによって引き起こされた攻撃だった。FBIは科学捜査の天才リンカーン・ライムに捜査協力を依頼する。果たして犯人の目的は何か? 人質はニューヨーク―史上最大の犯罪計画に、ライムと仲間たちが挑む!

ニューヨークへの送電を半減させろ。それが犯人の要求だった。だがそれは大停電を引き起こすことになる。殺戮の刻限が迫る中、必死の捜査を続けるライムは、メキシコに出現したウォッチメイカー逮捕作戦の指揮もとらねばならない。二つの大事件に立ち向かう名探偵ライム! 大スケールで贈るシリーズ第9作。


もういいかげん飽きてきたかな、と思われたリンカーン・ライム・シリーズですが、ごめんなさい舐めてました。
すげぇ面白いです。


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
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シリーズの中でも大きな区切りとなる出来事が起こります。いくつも。ネタバラしはしないけど。
シリーズ物はどうやって書けば読者を飽きさせないか、その見本となるのが本シリーズであり、もう悔しいほど構成と語り口と登場人物の活躍させ方が上手い。ほんとはまるで悔しくないけど。

正直、これはちょっと偶然過ぎるんじゃね?と思う展開もありますが、そんなこたぁどうだってよくなるくらい、次々とクライマックスを演出してくるので、結果オーライなんです。その「クライマックスを演出」ってのが事件の急展開ばかりではなく、それぞれの登場人物に降りかかるトラブルだったりするところが、ジェフリー・ディーヴァーの巧みな点ですね。
本作では、ライムから“ルーキー”と呼ばれるロナルド・プラスキー巡査、それと犯人から脅迫を受けている電力会社の“発明家”チャーリー・サマーズの活躍が、大きな読みどころですね。ライムからロナルドへのかつてないほど温かい視線は物語に深みを与えているし、作者はサマーズのような「才能あふれる変人」を描くのがめっぽう上手いから、これまた面白いのなんの。

(スピンオフではなく)本ライム・シリーズは、この後『ゴースト・スナイパー』『スキン・コレクター』と続きます。『ゴースト~』は他の作品ほどランキングで目覚ましい結果を出してはいませんが、管理人の好きな狙撃手モノだし、『スキン~』は『ウォッチメイカー』以来の「このミス」1位を獲得している。非常に楽しみですね。


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