ulma sound junction@渋谷CYCLONE

『 ulma sound junction ONEMAN Live 』 渋谷CYCLONE (2017/7/15)



超絶テクニカル・プログレッシヴ・ラウドロック・バンド、ulma sound junctionの初ワンマン・ライブに行ってきました。

いや、「初ワンマン」ではありませんでしたね。アルバム「idealogy」(2014)リリース後に、地元・石垣島への凱旋ワンマンをやったことがありました。でも多くのファンが、ここまで長いステージを観るのは初めてでしょう。
未体験ゾーン突入。

通常の対バン・イベントの持ち時間30分だと、ulmaがプレイする曲数は3曲。40分ステージだと4曲。50分ステージだと5曲(笑)。出番がトリでアンコールがある場合は1曲多くなったりしますけど、MC等も含めた構成で概ね1曲10分の計算になります。はい、なんだかおかしいですね。狂ってますね。
「2時間のワンマンだったら12曲くらいだなー」なんていう呑気な予想も立てられますけど、この日もほんとにそんなペースだったんだから驚きです。二部構成、3時間。メドレーを含む全16曲。途中にインターミッションを挟んでいたので、正味は2時間半くらいだったでしょうか。インターミッションには、初公開のMV(まだ完成形ではないようです)をスクリーンに流したり、メンバーがフロアに降りてきてお客さんに挨拶回りをしてました。彼ら自身の休憩という意味合いもあったであろう30分弱でしたけれど、このタイミングでファン交流をするというのが斬新、かつ彼ららしい衒いの無さ。

ライブの感想を一言で申しますと、「うぉぉぉおおお!!」になります。
全くもって何を言ってるのか不明ですね。
でも、言語化を放棄したくなるほど、ストレートに感性と身体を揺さぶられた体験だったと言えます。この「うぉぉぉおおお!!」は「うぉぉぉおおおすげぇぇぇぇええええ!!」の後半部分が省略された形のシャウトなんですけれど、技巧的にすげぇぇええのは勿論、感情表現としてもすげぇぇええですし、こんなに緻密にアンサンブルを練り上げてくるなんてすげぇぇええし、とにかく何もかもがすげぇぇええってなった結果のアウトプットが「うぉぉぉおおお!!」です。

ウチのブログでは、バンドが長くて複雑な曲を演奏する様子を、何かの建築物や構造物を組み上げる光景に例えて表現することがあります。プログレッシヴ・ロックとかプログレ・メタル系の音で使いたくなっちゃう言い回し。緻密さや複雑さ、正確さ、きっちりとした構成に、人間だけでは成し得ないような、何か機械的なものが介在している感じを受けるからでしょうね。
ulmaが演奏しているのも、そうした長く緻密で複雑な楽曲です。でも、一貫して感じるのは、機械っぽさじゃなくて、人間的でオーガニックな印象なんですよね。「組み上げる」というよりは「編み上げる」というか。その印象は音源よりもライブでさらに強く感じます。ジャム・セッション的に練り上げてゆく場面もあって、これまたすげぇぇええってなるんですよね。
プログレ、ラウドロック、メタル、ミクスチャー、アンビエント、民族音楽…etc…を自由に行き来し、始まりの時点とは全く異なる地平に辿り着く楽曲。HR/HMの流儀に則っており、メタル的カタルシスを得ることのできるパートが多いんですが、音自体はあんまりメタルっぽくないのも特徴。「人間的でオーガニック」な音ゆえに、攻撃的だけど何故か刺々しくないアンサンブルになってますから。また、ディレイを強めにかけたGtサウンドが、ザクザク&ギャンギャンしてないことも大きいかもしれません。

このバンド、楽曲に「流れ」を感じるんですよね。その「流れ」は常にゆったりでまっすぐしたものではなく、急に勢いを増して激流に変わったりするし、方向を変えたりもします。そして、“ulma sound”を構成する全ての音楽的要素が、その「流れ」の中に必然性を備えて存在している。あれほど目まぐるしく変化する楽曲であるにも関わらず、ulmaの曲が長く感じないっていうのは、聴き手がこの「流れ」の中に自然と身を委ねているからじゃないか、と思うんですよね。だって3時間でも短い、もっと聴きたいって感じたもん(笑)
ulmaの音は決して難しくはないです。変拍子に、トリッキーな弦楽器の応酬に、密教染みたヴォーカル・パフォーマンスなんて、どう考えてもとっつき易い要素ではありません。でもulmaの音を構成するのはそれらだけじゃないし、全部ひっくるめて音の「流れ」に身体を任せることができるんですよね。これが不思議。変拍子だろうがなんだろうが、実はノリやすいです。ノリやすいというか、所々リズムに身体が反応しちゃうというかね。ビクッビクッと(笑)。そういう、身体や本能に直接訴えかけてくる衝動を秘めた音。

若者くさい言葉を使って恐縮ですけど(ほんとは全く恐縮してない)、ulmaはめちゃくちゃエモいぜ。「エモ」が付く音楽ジャンルや、エモいエモいと評されるアーティストは多くいるでしょうけど、ulmaのエモさに比べたらそんなんじゃまだまだ甘いね(?)。エモさの演出に作為的な匂いがするといいましょうかね。ulmaの場合は「ナチュラルボーン・エモ」ですから(意味不明)
長尺曲の中で、演者&聴き手双方の感情がジワジワ高まってゆき、遂に堰を切って溢れ出す瞬間の甘美さは強烈ですよ。第一部のgiftRotten Appleの流れ、本編ラストのelem-5/6/7とアンコールVillaは、胸と涙腺にクるものがありました。

ulmaは難しくない。でも同時に、難しくも聴けるってのがまた面白いところです。楽器をやる人であれば、そのことを私よりもっとはっきりと感じ取ることができるはず。
(西洋)音楽の三要素はリズムとメロディとハーモニーなんていいますけど、正にそれを感じるのがulmaの音楽です。それはバンドが出している音が、リズム/メロディ/ハーモニー、どれにも偏っていないからじゃないかと思うんですよね。全ての楽器がメロディも担当し、リズムも担当する。それは田村ヒサオ(Ba&Vo)の歌もしかり。リズムは得意、メロディもハーモニーも得意。全部得意。ってなんだ、オールマイティじゃないか。全ての楽器がクリアに聞こえるよう住み分けされた、高度なアンサンブルも驚異的です。

過去には、「idealogy」「LAND a SCAPE」(2010)の感想、巣鴨獅子王と高円寺CLUB MISSION'Sでのライブ感想(→コチラコチラ)でも色々と触れていますし、ただでさえグダグダと長くなっている記事が余計に収まらなくなってきちゃうので、メンバー個々の技量やステージングについての記述はここでは止めます。いずれまた書く機会もあるでしょう。
でも1点だけ。Gtチームのトーンの使い分けと技術的な懐の深さは魔術的ですよ。特にトリッキ-なプレイを担当することの多い、山里ヨシタカ(Gt)の右手の柔らかさ、軽やかさは異常事態。


この日、ステージから発せられるムードが随分と明るいな、と感じました。「内なる探究者」的ムードは以前からありましたが、のっけから外へと向かうエネルギーが印象強かった。暗く沈み込んだり荘厳だったりと、パートによって異なるんですけども、全体的にはどこか明るいというか。(基本的には)彼らのファンしかいないという、ワンマン・ライブゆえかもしれませんけど、メンバーは実に楽しそうな表情でプレイしていました。いくら難曲であろうが、プレイに集中していようが、この4人は常にどこか余裕を感じさせているのが凄い。ものすごい。ラストには「(指が)攣ってる!攣ってる!」(田村)ってなってましたけど(笑)
訥々と喋る、どこへ向かうのか全くもって不明なMCはいつも通り。いや、田村以外のメンバーも横からボソボソと合いの手(?)を入れるもんだから、より一層ケイオティック・コア化していましたが、それもまたulma sound。


感激でしたよ、このワンマンは。
今までも凄かったけど、段違いの満足度。
待望の次作(フルアルバム?)が今年中にリリースされるとのことです。この日のセトリにも新曲・未収録曲がありましたが、大いに期待しています。
正直、音楽的にはulmaより好きなバンドはたくさんありますけど、彼ら以上にSUGEEEEEEEって思えるバンドがどれだけあるのかって話ですね。我が国には、俺達(?)には、ulma sound junctionがいるんだぜっていう、根拠不明な誇らしさが湧いてくる。Rotten Apple級にキャッチーで、かつ(比較的)コンパクトなキメ曲がもう一つ出来れば、鬼に金棒なんじゃないかなって思います。

余計なお世話ですけど、この日の集客については少し心配してたんですよね。でも開演直前には、フロアの7~8割くらいは埋まっていたのかな? ミュージシャンズ・ミュージシャンらしく、バンドマンらしき人も多かったです。
ただですね、まだまだ足りない。実力に見合う知名度や集客や人気が全然足りない。彼らのライブに足を運ぶのが、1年に1回のペースに(結果的に)なっているヤローから言われたくないかもしれないですけど、悔しさすら感じますね。こんなに凄いバンドなのに何故なんだよ、って。ウブなことを言うようですが、本心。

世界よ、ulma sound junctionを早く発見してくれ。

<セットリスト>
***** 第一部 *****
01.OverCure part.1
02.utopia
03.イデア -Into the Void-
04.Silver Memory
05.Curse of Life
06.gift
07.Rotten Apple
08 OverCure part.2

***** 第二部 *****
09.1day a suite
10.A New World
11.Shooting Testament
12.Elysium
13.スペシャル・メドレー
  Mrs.Shuffle ~ デラソル -De La Sol- ~ memorise unclear ~
  patient of echo ~ 俄か凪
14.Dozarel
15.elem-5/6/7

ENCORE
16.Villa


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