SIN ISOMER「BURST Into ISOMER」


SIN ISOMER「BURST Into ISOMER」 (2017)

「驚異の女性メタル・シンガー」SINのソロ・プロジェクト、SIN ISOMERとは??

…って記事を以前書きましたね。5月に。→コチラ。
「sin isomer」ってググると、ウチのブログのその記事がトップにきていたこともあります(笑)。今はキングレコードのオフィシャルとAmazonとウチの熾烈な攻防← というかウチはこれからどんどん落ちてゆくでしょうし、そうなるべき。

ということで、謎の女性Voメタル・ニュー・アクト、SIN ISOMERのデビュー・ミニアルバムです。
7曲入り。全編英詞。

謎の超絶女性ヴォーカリストに凄腕ミュージシャンのバックアップ、というのが帯タタキ文句的な構図でしたが、先の記事をアップした後にもちょいちょい新しい情報がオープンになりましたし、ブログにタレコミ的なコメントもいただきました。
SIN ISOMERのマネージメントを手掛けているのがMasayuki Ogata Vocal Studioという音楽学校ですけど、ヴォーカリストSINはどうやらその学校の出身者なんだろうな、と。またこの学校が楽曲の管理も行っているようで(→コチラ)、そのクレジットを見ると本作収録曲を書いたのもその学校の人。
Masayuki Ogata Vocal Studio側が、SINと一緒に楽曲をキングレコードに売り込んだのかどうかは定かではありません。でも、キング側がプロデューサー/コンポーザー/ギタリストのtatsuoに、アレンジを含む制作面を任せたってのはありそうな気もしてます。推測の域を出ませんけど。
tatsuoは本作で1曲だけ提供(⑦Bang Your Head)していますけど、編曲と演奏を含む「サウンド・プロデューサー」という位置付けですね。このプロジェクトのことを知った時には、曲も全部彼が書いていることを期待したんですけどね。今までの実績を鑑みるに、優れたHR/HMチューンを量産できる人ですから。

そんなわけで、演奏陣にはtatsuo人脈、およびキング人脈の豪華なミュージシャンの名前が並ぶことになりました。
IKUO(Ba/BULL ZEICHEN 88他)やRyo(Ba/defspiral)、長野典ニ(Ba/Chewing High!!他)はtatsuoによる人選っぽいですよね。hibiki(Ba/Silex, ALHAMBRA)とAnzi(Gt/ex:摩天楼オペラ)はキング繋がりかな。
他にも何人ものミュージシャンが関わっていますが、ブックレットに楽曲毎のクレジットが詳細に載っているのはとても良いですね。因みにドラマーの記載はないので、全曲打ち込みのよう(プログラミングはtatsuo)。


「圧倒的な歌唱力」「驚異の女性メタル・シンガー」「天賦の才」等々、レーベル自らハードルを上げまくってきたSINの歌唱でしたが、その期待値をさらに上回らんかとするくらい、巧いです。これはかなりの逸材でしょう。
売りであろうハイトーンは当然のように凄まじいんですが、そもそもレンジがやたら広いし、それよりも驚いたのが声の多彩な使い分けですね。曲毎に使い分けるというより、パート毎にニュアンスを変えてきます。かつ、声音だけじゃなくて、声の太さまでこんなに変えられるのかよ!?っていう凄さ。声の透明度の変化まで自由自在ですからね。
力強くまっすぐ伸びやかな歌唱(ビブラートはかけない)を最も得意とする人だと思うんですが、それだけじゃなくって、シンフォ・メタル系バンドのヴォーカリストにあるような大らかなVo、淡く融けゆく儚い歌、ポップスの歌い手のような軽やかさ、そして意外にもちょい可愛めの声までも操るんだから、こりゃあ唖然とさせられます。ストロング一辺倒じゃないところが良いですね。個人的には、インパクト重視のリードトラック①Quiet Skyよりも、②The Last Spell⑥Sedimentでの、ことさら声を張り上げなくてもめちゃくちゃ巧さが伝わってくる歌い方が好き。

音楽性は、前評判のとおり欧州型のメロディック・メタル。
英詞ということもありますけど、メロディに歌謡曲やアニソン的な臭みは控えめで、かつHR/HM的流儀に則った楽曲。「ヨーロピアン・テイストを感じさせるスピードとパワーを帯びたメロディック・ヘヴィ・メタル」という宣伝文句は大袈裟でもありませんし、思いのほか外してもいないと思います。SINの歌唱がビブラートをかけずにグイグイ伸びてゆくタイプだということも、あまりジャパメタ臭さを感じさせないところかもしれません。

曲の出来については総じて満足ながら、ややバラつきがあるというか、もうちょっと練り上げてほしかったな、と感じます。
kumという人が7曲中5曲を書いているんですけど、正直もうちょっと整理できたんじゃないかしら。曲の中で最も強力なパートがどこなのか、伝わりにくくなっているような気がする。tatsuoが書いたと、チモシーカタパルトが書いたメロスピ④Future Kingの方がシンプルなんだけど、メロディが強いと感じますもん。
あとは、歌詞が詰め込み気味なせいでメロディの良さが活かされていないところがチラホラありますね。それ以外で英詞についての違和感はそれほど感じず。


なかなか衝撃度の高いデビュー作です。
tatsuoが曲を書いていればもっと素晴らしい仕上がりだったんじゃないかと妄想してしまいますけど、まぁ仕方ありません。
SINのVoの凄みが伝わるパフォーマンスを敢えて収めた作品とも言えそうで、意地悪く言えば「技術のひけらかし」的な匂いもあります。また、1曲の中で声音が千変万化するから、やたら忙しない印象もアリ。ただ、デビュー作としてはそれで正解なんじゃないかなー、とも思うんですよね。
早くも次作が楽しみです。良くも悪くもVoの実力に寄りかかった感もあるこのデビュー作からどう進化してくるのか? 今度はバンド(というかプロジェクト)の総合力で驚かせてほしいなぁ。

【お気に入り】
⑦Bang Your Head
④Future King
⑥Sediment
②The Last Spell
①Quiet Sky MVは→コチラ。


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