DRAGONFORCE「REACHING INTO INFINITY」


DRAGONFORCE「REACHING INTO INFINITY」 (2017)

ちょっぱや・メロディック・ハイパー・エクストリーム・メタル・バンド、DRAGONFORCEの7thアルバム。私が買ったのは、CD+DVD仕様の国内初回限定盤。
そういえば前作「MAXIMUM OVERLOAD」(2014)リリース後に、DrがDave MackintoshからGee Anzaloneに交代してましたね。

ドラマーが変わったせいか、はたまたプロデュース&ミックスにJens Bogrenを迎えたことによる洗練のためか、ヤケクソ気味なエクストリーム・メタルっぽさが減退してるような気もします。ハチャメチャ感が抑えめで、真っ当なメロスピ/メロパワに寄ってきたかも。あと、それほどマシーナリーじゃない。ほんの少しの感触の違いですけどね。
それ以外はいつも通りの「まーくんドラフォ」ではないかと思います。なので、初期っぽさはあまりない。

作曲クレジットに大きな変化があります。カヴァー曲を除いた12曲のうち、9曲にFrédéric Leclercq(Ba)が関わっています。楽曲面でいってしまえば、Frédéricのアルバムと言っても過言ではないほど。他のメンバーと共作しているものもありますが、それにしてもSam Totman(Gt)が書いた曲が減ったなぁ…。Frédéric曲は前作から増えていましたし、管理人大好きVadim Pruzhanov(Key)曲はここずっと少ないですけども。Herman Li(Gt)が書いた曲なんてゼロですよ、ぜろ。アレンジには関わっていますけどね。
作風が初期っぽくないのは、歌い手がまーくんことMarc Hudson(Vo)だっていうのも勿論ありますけど、誰が曲を書いてるのかってところにも依っていると思います。クサメロにクサメロを重ねてゆくタイプの歌メロが減って、よりコンパクトで明るめのものが増えた気がします。こってり味からあっさり味へとシフトしてきたというか。

そんな歌メロの感触の変化のほか、“らしさ”の中にところどころ新鮮さを見出すことができます。最後にサビを繰り返さないで別の大サビを用意する③Judgement Dayのちょっと意外なエンディングとか、ボーナストラック⑫Hatred And Revengeのフォーク・メタル調のサビとか。⑤Curse Of Darkness⑪Our Final Standは彼らにしては隙間を感じるメロパワ曲ですけど、他のバンドなら全然新しい!って感じることのない曲調なのに、ドラフォがやると新しい!ってなるのはズルいですね(笑)。まーくんのVoにも合ってます。

個人的には、アルバム後半の曲の並びがとても練られていると感じました。
今後代表曲になっていっても驚かないであろう王道の⑦Midnight Madnessに、スラッシーに振り切った本作一の意外曲⑧WAR!(リフやスピード感がスラッシュというよりは、ヴァースのリズムと歌詞の入れ方、サビの吐き捨て調がスラッシュ)、ヒロイックさとスピード感で押し切るキラー・チューン⑨Land Of Shattered Dreams、11分におよぶ⑩The Edge Of The Worldと、持ち駒の中で最大限手を変え品を変えて、ドラマを作ってるのが上手いです。
また、DEATHのカヴァー⑬Evil Deadで聞くことのできる、デスVo/シャウトを交えたよりアグレッシヴなVoワークは、まーくんの成長がしっかり刻まれているところでしょう。

前作はアルバム後半がちと弱いなと感じたんですけど、前作の前半と本作の後半が合わさったら凄いアルバムになるな、なんて妄想してしまいました。金太郎飴にならざるを得ないサウンドゆえに、そろそろ本格的に飽きが来るかもなぁーとも考えていたんですが、その予想を超えてドラフォは凄かった。作曲術とアレンジの勝利か。
充実盤です。


最後に⑭Gloriaについて触れておきます。日本盤を買う最大の(個人的には唯一の)理由となった、ZIGGYの大ヒット曲のカヴァーです。ブリッジからサビに掛けて、果敢にも日本語詞にチャレンジしております。まぁこの曲のそのパートはそもそも日本語が少ないっちゃあ少ないんですけども(笑)。
大方の予想通りというべきか、しっかりドラフォ印のメロスピ/メロパワになっています。原曲よりも明るく吹っ切れてる。ロンリーナイトをもう二度と見せないでくれとか言ってても、ほとんど切迫感は感じません。けどメロディの方向性としてはほとんど違和感が無いことが驚きで、ブリッジのメロディのハマり方なんてほんと驚異的。
また、Twitterで教えてもらったんですけど、長い間奏を切り返して後半に突入してゆくところのメロディ展開が、まんま(同じZIGGYの)TOKYO CITY NIGHTになっていて、その拘りっぷりと愛の深さにさすが日本大好きドラフォだなって感心しました。好カヴァー。
一枚通して聴くとオワラナイヨルニオワラナイメロディーヲグロリアなこの曲のインパクトが一番強かったりもするんですけど、それは森重樹一のメロディ・センスが凄まじいってこともあるし、管理人がジギースキーだってこともあるので、如何ともしがたいところ。脳味噌にこびりついてる曲なのでしょうがないのです。

【お気に入り】
⑩The Edge Of The World 長い曲だから良いんじゃなくて、この曲の歌メロ(特にサビ)が一番好みだから。
⑨Land Of Shattered Dreams
⑦Midnight Madness
⑧WAR!
③Judgement Day
②Ashes Of The Dawn MVは→コチラ。
⑪Our Final Stand

【ズルい】
⑭Gloria



ボーナスDVDについて追記INTO INFINITY。
    ↓



DVDには『WOODSTOCK FESTIVAL POLAND 2016』に出演した時のライブ映像が3曲収録されています。Holding OnHeroes Of Our TimeOperation Ground And Pound。この3曲はマルチアングルver.でも収められていますが、画面を4分割してそれぞれ別のカメラからの映像を流してるだけの代物なので、あんまり面白くはないかな。

ポーランドという緯度が高い国なので、実際は夜なのかもしれませんが、画面上は午後~夕方にかけての時間帯に見えます。
観客のノリがわちゃわちゃしてて自由極まりないです。巨大モッシュピットは発生するし、剣をブンブン振り回してるし、コスプレしてる人がマットみたいのに乗ってサーフしてるし…etc…、カオス。例えば『WACKEN』なんかと比べると、向こうの方が随分と秩序がある印象。この『WOODSTOCK』は、映像を見てる分には楽しそうですけど、その場にはいたくない感じですね(苦笑)

バンドのパフォーマンスは素晴らしいです。まーくんはハイトーンを中心によく声が出てるし、フロントマンとしての立ち振る舞いも頼もしい。こんなに超人技が連続するような楽曲を、これほど楽しそうに演奏するバンドが存在するってのは凄いことですよ。DrのGeeでさえニッコニコしながら叩いていますし。Samは表情はクールにキメてるんだけど、別のそれが無愛想に映るわけじゃないし、バンドが発するムードがどこか/なぜか明るい。観ている人を幸せにさせるような正のオーラがあるよ、彼らのライブには。楽しんだもん勝ち、的な。

つくづく面白い位置にいるバンドです。


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