Jupiter「TEARS OF THE SUN」


Jupiter「TEARS OF THE SUN」 (2017)

国産ヴィジュアル系メタル・バンド、Jupiterのミニアルバム。

元々はVersaillesのKamijo兄貴(Vo)を除くメンバーが、ヴォーカリストZINを迎えて結成したのがこのJupiterですけど、薔薇の末裔再始動に合わせたかのようにリズム隊のMASASHI(Ba)とYUKI(Dr)が脱退。以後はライブ・サポート・メンバーの助けを借りつつ活動してきました。
そんな中、バンドは4月半ばに新メンバーを発表。サポートで叩いていたDAISUKE(Dr)と、弱冠21歳のRUCY(Ba)が加入しました。本作はその新生Jupiterによる第一弾作品となります。


全5曲。
新曲が3つに、オフィシャル通販&配信限定でリリースされたシングルに収録済みの④Guilty as Sin、2015年のシングル曲のVer違い⑤TOPAZ -symphonic ver.-という構成。熱心に彼らの活動を追いかけていたファンからすると、お得度は低い作品と言えるでしょうね。
ちょっと驚いたことに、全曲HIZAKI(Gt)作曲です。歌詞はHIZAKIだったりZINだったり2人の共作だったり。今回TERU(Gt)は書いていないですね。

一聴して感じたのは、

押しつけがましいな、これは。

ということ。
ゴリゴリです。ヘヴィで激烈です。
低音の押し出しが強いですね。あまりにもボトムが過剰に聞こえるので、Gt音だかBa音だか判別がつかないリフも多いです。

①TEARS OF THE SUNは木星王道のスピードメタル。自分達の得意なことをそのまま素直に出している曲ですし、メロディが強力なので、なかなかの好感触です。ただそれ以降が異質。というか、新機軸と言ったほうがいいのか。モダンなエッジを備えた攻め攻めの楽曲が続きます。ZINがデスVoを含めた様々な声音/発声法を使用していることも特徴で、③The Crucifixionなんてほとんどシンフォニック・ブラックメタルですよ。
今までもそういった激烈曲やオイ!オイ!ってやる曲はありましたけど、ミニアルバムという限られた曲数の中で連続して並べられると、また異なった印象を受けるわけで。2~4曲目はそんな感じ。

以前よりメタリックになってます。かつ、海外向けに英詞を多めにしたとのこと。海外展開を視野に入れて英詞にする、もしくは英詞の分量を増やすというのはよくあるやり方ですけど、個人的にはあんまり効果があるとは思っていないんですよね。英語で歌うことに相当堪能なヴォーカリストでない限りは。ZINの歌唱は作を重ねる度にたくましくなっており、その伸び幅は本作が今までで最大だと感じますが、英詞で歌うことについて得意にしているわけじゃないでしょうし。

以前から本隊Versaillesとの音楽的な差異はありましたけど、ここにきてまるで別物バンドになっていますね。「俺達はメタリックにいくぞ!」という、メンバーの決意みたいなものはビシバシ伝わってきます。
しかし、日本のバンドが海外バンドに憧れてそちらに接近してゆくことで、自分達の美点が薄まってしまう。そんな勿体ない構図にも感じてしまうんですよね。このバンドの美しさが失われているわけではないけれど、押しつけがましさに圧倒されて、それが伝わりにくくなっているような……。。。。

さて、今後もこの路線で行くのかしら…??
管理人的には、クサめなメロディをフィーチャーした端正なプログレメタルってのが、このバンドの理想像なんだけどなぁ。

【お気に入り】
①TEARS OF THE SUN


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COMMENT 2

TK  2017, 06. 10 [Sat] 20:45

No title

エクストリームな方面に舵を切ったのは思い切った差別化だなと思いますしクオリティも高くZINの歌唱も良くなってるんですが如何せん急にハードになったなあとも思いますね…

V系並びに国産メタルにはあまり無いサウンドなので魅力的なんですがZINの声質に若干合っていないのかなあとも考えられますしライブでここまで出せるのでしょうか…ローズフェスで拝見したいですね

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ヒゲ・スカイウォーカー  2017, 06. 11 [Sun] 19:33

TKさん、

ギター2人はメタルをやりたいんだろうなぁ…ってのが強く伝わってくる音ですね。同時にこの作品から新生Jupiterを印象付けたいとの気概も感じます。
ZINはライブでの煽りはなかなか板に付いている人なので、パフォーマンス面ではこの方向性はイケるような気はするんですが、確かに歌唱面はどうなりますかね…といったところ。
私もRose Fes参加します。

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