TEARS OF TRAGEDY@荻窪 Live Bar BUNGA

TEARS OF TRAGEDY TEARS ACOUSTIC LIVE 『別腹 Vol.1』 荻窪 Live Bar BUNGA (2017/5/20)



国産女性Voすぴめろバンド、TEARS OF TRAGEDYお笑いトークショー アコースティック・ライブに行ってきましたそ。

別腹 OF TRAGEDY。
お値段2,000ティアーズ。安い!
お昼公演ざます。因みにバンドはこのライブの後、リハだったそうで。

会場の荻窪BUNGAは初めて行きます。
着席スタイルで40人くらい入ってましたけど、ライブ・バーにしては狭苦しくもないし歪な構造でもないし、とても観やすいです。フロアの端っこに単に演奏するスペースがあるだけじゃなくて、ちゃんとステージになってますし。動線も◎。ホール部分は禁煙だしね(満席だったから?)。良いハコです。


ここ数年の間にティアーズのライブを体験したことのある人は、あの雰囲気が分かるでしょう。対バン・イベントですら漂うあの雰囲気は、ワンマンともなると「持ち時間」という軛から解き放たれて飛翔するわけですけど、ここではアコースティックというリラックスした雰囲気や親密さ、ステージとの距離の近さがそうさせるのか、あの雰囲気は加速しまくって、もはやAnother Worldに突入している感すらありました。

なんせスタートがメンバーの音頭(というかKey・HAYATOの音頭)による乾杯ですからね。
1曲目の演奏が始まる前に。
居酒屋 OF TRAGEDY。
そして1曲毎に漫才 トークを挟みつつ、進行するスタイルです。当然のように、どこでMCを入れるとかは、あらかじめ決まっている雰囲気は皆無で、自由な進行である。予定演奏時間1時間のところ、2時間くらいでしたかね。演奏したのは9曲なんだけど。

こんなによく笑うライブってのはそうそう無いし、同じ空気を醸し出すバンドはもっと無い。音楽的にも希少なバンドですけど、お笑い的にも希少種ですよティアーズは。(もはや何言ってるのか分かんない)
ロック・バンドで「話が面白い」っていう場合、デーモン閣下(聖飢魔Ⅱ)とか大槻ケンヂ(筋肉少女帯)とか団長(NoGoD)なんて名前が思い浮かんできますけど、そういう面白さとは違うんだよなぁティアーズの場合。というかHAYATOの場合。説明しにくいんだよ、お客さんもメンバーも半ば置いてきぼりにしつつどこに転がってゆくか分からないあの喋りってのは。
そう、一つ言えるのは、あれは「MC」や「会話」というよりは、単なる「喋り」に近いんだろうなってことですね。口を開いたら最後、喋り疲れるまで言葉が溢れ出てきちゃうという。「漫才」ともちょっと違うかな。“ボケ”と“ツッコミ”が漫才ならば、“ボケなのか分からない何か”と“ツッコめず”という組み合わせがティアーズだから。オチがきちんとキマらない、あのフワンと置いてきぼりにされる感覚がたまんねーんだろうなって(笑)。HAYATO社長の前では、お客さんは勿論、メンバーまでもタジタジ OF TRAGEDYですよ。
つまり、グダグダであるw

その場で聞いてなんぼ、あとで文章化しても面白さが伝わらないような喋りなので、いちいち書きませんし、湯水のように溢れてくるHAYATO節をとても覚えてはいられないんですけど、こういうまとまった時間が取れる機会だからこそ、聞くことのできる貴重なバンド秘話もチラホラ。TORU(Gt)とHAYATOが初めて会った時の話や、デモ音源を交換してそこにはすでにSilence OceanPrison Of Abyssの終盤に登場するメロディが既にあった話、とかね。


HAYATO社長との噛み合ってんだか噛み合ってないんだかよくわからないやりとりを担当せざるを得ないHARUKA嬢(Vo)ですが、この日は幾何学模様のワンピースにベレー帽をお召しで、looks like 美大生 OF TRAGEDYです。彼女のVoを中心にして、バックの演奏はアコギだったりKey(ピアノ)だったりと、曲に合わせて交代。
このアコースティックという仕掛けが、ティアーズの音楽性や立ち位置をより明確にします。とりわけはっきりと認識されるのは、このバンドの中のHR/HM部分を担っているのが歌メロではないこと、ですね。ンなこたぁ分かっとるんじゃー!という感じでしょうけど、それをはっきりと目の前で提示されると、ポップスとしても強力無比な楽曲、そしてHARUKA嬢の歌唱の見事さに改めて唸らされるのです。

極論すれば、歌メロだけでも成立するのがここで演奏された楽曲群。だからカヴァー曲であるForever Love花束を君にと一緒になっても、何ら違和感はありません。後者は聴いたことなかったんですけど、Forever Loveを聴いてYOSHIKIの作るメロディは綺麗だなぁ…と、再確認しました。
しかし、カヴァーだろうと自分のバンドの曲だろうと、全てひっくるめて自分のモノにしているHARUKA嬢の歌の解釈と感情表現はものすごい。歌唱というのは、歌詞と曲に込められた感情を汲み取るセンスと作業、それを具現化する技術によって支えられていることがよく分かる。彼女が、唇からマイクへと言の葉を送り出す、その最後の瞬間まで丁寧に意識を行き渡らせている様子を見よ。「見よ」って誰に向かって言ってるのか定かではありませんが、こういった姿勢は多くの歌い手がもっと気にした方がよいところじゃないですかね。特にメタル系のヴォーカリスト。
彼女のVoの特性と演奏の組み合わせの妙こそがティアーズをティアーズたらしめていると確信している身からすれば、このアコースティック・ライブは別腹にしてメインディッシュでした。

選曲的にはそれほど冒険はしていなかったかな、と。元々アコースティックを想定している曲やバラード、「STATICE」(2016)の予約特典CD-RとしてつけられたアコースティックVer.の曲。それにカヴァー。
The Arclight Of The Skyは以前にもライブでやったことありますけど日本語詞によるアレンジVer.で、EuclaseはHIDEYUKIのカホンも入ってのラテンちっくなアレンジで。ラストのは、YO-“遅れて来てお客さんの拍手の中登場”-HEIのBaと間奏にはHARUKA嬢によるグロッケン(鉄琴)をフィーチャーしたにぎやかで分厚いアレンジで演奏。個人的にはVOICEを期待していたんですけど、ありませんでしたね。Arclight~は原曲からして歌メロが際立っている曲ですけど、ここでのパフォーマンスは正に名演でした。


ティアーズはミスしない/演奏が完璧なバンドではありません。どんなバンドやアーティストでも、多かれ少なかれ生のライブではミスったり表現が追いつかなかったりということはあるんだと思いますけど、彼らの場合はミスやトラブルが目立つんですよね。簡単には演奏できない音楽をやっているとはいえ、ね。あんまり誤魔化す技術(?)が上手くないのか、トラブった時に素の人柄がストレートに出ちゃうからか。
この日もなかなかやっちゃってるところはあったな(笑)。ミスるとHAYATOは表情でバレバレだし(笑)、TORUは普段のタッチやトーンが綺麗極まりないから、乱れるとすぐバレる。
でも新宿MARZのワンマン・レポでも書いたように、そういうのも別にいいと思わせる魅力があるのがこのバンド。稀有ですよ。こういう(言い方はアレですけど)「プロらしくない」バンドが、その雰囲気を保ったまんまファン層を拡大してゆくってのは奇妙な気もするんですけど、それが出来ちゃっているのがティアーズ。「CDを買った人=ライブに来る人」ではないとはいえ、ね。
彼らのライブに繰り返し足を運ぶ人の多くが、マイナス面を大きく上回る美点を見出しているんでしょう。もしくはマイナス面をマイナスだとは捉えていない、か(笑)。そういったティアーズの美点を再度強く意識した、最高の別腹でありました。楽しかった。
今後さらに多くの人達が、その人なりのこのバンドの美点を発見してゆくことを期待しています。

<セットリスト> ※カッコ内に楽器編成等を注記
1.星の砂 (Gt)
2.Spring Memory (Gt)
3.close yet far (Key)
4.The Arclight Of The Sky (Key、日本語詞Ver.)
5.Euclase (Gt & カホン)
6.It Like Snow… (Gt)
7.Forever Love (Key、X JAPANカヴァー)
8.花束を君に (Gt、宇多田ヒカルカヴァー)
9.雫 (Gt, Key, Ba & 鉄琴)


また『別腹 Vol.2』、やってほしいな!
このハコで。


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COMMENT 2

DD  2017, 05. 25 [Thu] 21:44

 2時間ぐらいやっていたのなら、行ってたかもしれないですね。1時間だと時間の都合上無理と考えたので行かなかったのは、ちと後悔してます。

 見た人数がそれぐらいでも、伝え方によっては、かなりの人数に伝わるはずなので、それで新たにファンになる人が出てくればそれなりの成果はあったんじゃないですかね(SNS等、今やいろんな方法があることだし)。

 どの場所であっても、この方式のliveは見てみたいものです。

追伸 6月のliveは対バン方式ということなので、見に行きます。どう成長してるか楽しみにしたいですね。 

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ヒゲ・スカイウォーカー  2017, 05. 26 [Fri] 19:12

DDさん、

2時間といっても成り行き上、長くなったって感じですからね(笑)
ハコに夜のイベントが入っていたから終了時間は決まっていましたけど、それが無かったらどうなっていたことやら…w

ティアーズの、というより吉川遼さんのアコースティックでの歌唱はものすごいものがあるので、一人でも多くの方に観てほしいですね。

6/4のMAHATMAとの対バンは、90分の予定だそうです。
またその日のセトリはKeyのHAYATOが考えたものらしく、しばらくやっていない曲も含まれているとのことです。ご期待ください。

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