摩天楼オペラ「PANTHEON -PART 1-」

摩天楼オペラ_pantheon1
摩天楼オペラ「PANTHEON -PART 1-」 (2017)

パンテオン!

キン肉マンゼブラ! 技巧チーム!
キャンバス・プレッサー! 人体化石封じ!


国産ヴィジュアル系HR/HMバンドによる、メジャー5枚目のアルバム。通常盤。
リリース順としては、約半年前のミニアルバム「PHOENIX RISING」(2016)の次作にあたり、Anzi(Gt)脱退後もかなり精力的に活動していることが分かります。正に本作収録曲のタイトルの如く、「止まるんじゃねえ」。

本作のキャッチコピーである、「摩天楼オペラ史上最もHEAVY METALなアルバム」に心躍りましたよね?
「~よね?」とか言われても困っちまうかもしれませんが、あたしゃあ躍ったんです。踊りまくりです。「エンドレスで、かまわない。止めるまで、DANCE空間」
そして本作のギターを弾いてるのは、ライブ・サポートも担当していた、JaY(LIGHT BRINGER)!! ぶりっ子としては興奮せざるを得ないッ! 黒を基調にし、一気に硬派なイメージになったアー写も、期待を高めてきました。


で、どうなのか。

正直に言うと、「最もHEAVY METALなアルバム」っていうほど一気にメタリックな音像へと変わっているわけではありません。全編がHR/HMの様式に則った美学に貫かれているわけでもないです。今までの作風やバランスとそう大差は無いと感じます。彩雨(Key)らしいオイオイ曲である⑥AM6:00に針路をとれやモダンな④Mammon Will Not Dieもありますし、アルバム後半にはさほど攻撃的でない楽曲もありますし。バラードはありませんけども。

ただね、LIGHT BRINGERファンの贔屓目もあるでしょうけど、JaYのGtプレイが最ッ高ォオに素晴らしいのです。
端的に言うと、本作は最高のギター・アルバムですよ。
オペラの作品の中では、間違いなく、最も管理人好みのギター・プレイが収められているアルバムです。

摩天楼オペラの音楽って、メタリックではあっても、「歌メロがリードするHR/HM」って感じが常にあって、それほどメタル・ギターをフィーチャーした音楽だという印象はありません。あくまで苑の個性強めなヴォーカルがド真ん中にある音楽性。それは揺るがない点。AnziのGtプレイは、俺だ俺だと自己主張してくるというよりは、全体のアンサンブルの中にすんなり馴染むという感じでしたし。
それが今作はどうだ。VoとGtが対等に渡り合ってる。…というより、今までと比べると、ザクザクしたGtの刻みがやたら目立つ。おまけに、Keyとリズム隊の存在感も増しているように思える。それは曲をよりストレートにアレンジしてあるからかもしれません。いや、ほんとは色々仕込んでいるし、起伏も展開もたっぷりなんだけど、ストレートに伝わるように仕上げてあると言ったほうがいいかな。
なんだか全ての楽器が平等に主張していて、とても「バンド」っぽい。ヘンな言い方かもしれないし、Anziファンは頭にくるかもしれませんけど。

ピッキング・ハーモニクスやチョーキングがキュインキュインとぶち込まれるバッキングに、ヒロイックに駆け巡るソロ…。
ギター的に特に強力なのは、スラッシーに弾きまくる②Curse Of Blood、気品のあるソロに涙せざるを得ない③ICARUS(この曲名がまたラブリーファンとしては!)、聴いてると息が止まるほど峻烈なフレーズが乱舞する⑤Excaliburあたり。実にヤバい。これらのギターを弾いてるのがJaYかと思うと泣けてくるわ。
Anziとも、「PHOENIX RISING」で弾いたLedaとも違いますね。インストの⑦SYMPOSIONを聴くと、やっぱJaYのギターは2人と全然違うよってのがよく分かる。
洗練された美しいトーンのAnziより、重く刺々しく烈しい。そして奔放。
マシ―ナリーで正確無比なLedaより、大きなビブラート&チョーキングで揺らぐ。オールドスクールでロックヒーロー的。
最高だ。
繰り返しますけど、贔屓目もあるでしょう。でも、なんつーかこのJaYの眩しいプレイを前にしたら、冷静に判断できねぇよ(笑)

メタルであることを意識するあまり、メロディの甘美さは控えめなアルバムかも、なんて初めは思いました。でも、いや、これはクサくないだけだ、と気づきました。クサみよりも美しさや気品、神秘性が前に出てるから甘ったるく感じないだけだ、と。かつ、激しさがあるから弱々しくないしね。
苑の曲は相変わらず強力だし、は彩雨が書いたとは思えないほどドラマティック。爽やかで明るい⑧何度目かのプロローグ(燿と苑の共作)はB'z(笑)。いや、サビの歌い回しなんて稲葉(浩志)にそっくりなのよほんとに。
「一人目の味方は自分だ」)を筆頭に、歌詞の力強さ・ポジティヴさもファンを裏切らないものでしょう。


全10曲・42分というコンパクトな尺に、リフ物スピードメタルの⑩止まるんじゃねえであまりにも潔く締めくくるエンディング。聴き易くまとまっているアルバムです。
この完成度の高さと作品を覆うトーンを合わせて考えると、今までで一番好きですね。1曲1曲を抜き出して考えると、歌メロ的には他のアルバムにもっと良い曲があります。特に「喝采と激情のグロリア」(2013)には。でも、ギターは本作がぶっちぎって一番なのよ。
傑 作 。

本作が「-PART 1-」ってことですから、「-PART 2-」も同路線で、かつギターはJaY君でお願いしますm(_____)m

【お気に入り】
⑤Excalibur
③ICARUS
⑩止まるんじゃねえ
⑨SHINE ON
②Curse Of Blood
①PANTHEON MVは→コチラ。
⑧何度目かのプロローグ
④Mammon Will Not DieのGtソロ

ほとんど全部だ。


スポンサーサイト

COMMENT 4

かつ丼  2017, 05. 17 [Wed] 23:45

発売前の摩天楼オペラ史上最もHEAVY METALなアルバムというフレーズを見て
PCの前で発狂していましたw
いざ買って開けてみるとそうでもなかったのですがw
前半5曲は文句なしにカッコいいし
後半も⑧も好きですがその次の季節はずれなリア充メロパワチューンの⑨も気に入ってますし
ラストのオペラらしい自己肯定前回のメロスピチューンでノックアウトされました
そしてランニングタイムが短いのも○
次作はとんでもないものが来るのかいろいろな意味で平常運転なのか気になるところです。
あとこのPANTHEONを引っさげたツアー(Part2も含め)いつ終わるかわからないそうですw(5/4のMCで彩雨が言ってました。)

Edit | Reply | 

TK  2017, 05. 18 [Thu] 02:06

毎回ブログを拝見させていただいておりますがここに書くのは初めてです
今作は曲自体のクオリティの高さに加えて曲の配置がコンパクトさと相まって非常にしっくり来てるのが評価の底上げにもなってるのかなあとも思いました
普通4曲目辺りでゆったりとした歌モノに入るかと思ったらMammonでさらに走っていきそこから流れるように叩きつけられるExcaliburの破壊力といったらたまりません
JaY君はライブでもサポートとは思えない程前に出て頑張ってくれてますしなんというかギター脱退から一年立たずしてここまで立て直せるものなのかと驚きました
あとは覚醒したのか前作から彩雨がアルバム内でもトップクラスのキラー曲を書き始めているのが次作の期待へ拍車を掛けてますね

Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2017, 05. 18 [Thu] 18:48

かつ丼さん、

オペラが自己肯定を得意とするバンドなのは、私も最近ようやく気づいてきました(笑)

本作、上手くまとまっていますよね。「-PART 2-」もそれを謳うに相応しいアルバムであることを期待してしまいます。

しかし、ツアーが長いとなればJaY君もしばらくは安心(何が?w)

Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2017, 05. 18 [Thu] 18:55

TKさん、

コメントありがとうございます。そしていつも読んでくださり、ありがとうございます。

仰る通り、アルバムの尺と曲配置は練られてますよね。パッケージされた一枚の作品としての完成度が非常に高いです。

Excalibur素晴らしいですよね。初めて聴いたときに「ウォ!」って声出ちゃいました。彩雨のソングライティング能力の向上については、私も同様に感じました。次作も楽しみです。

JaYが弾くオペラはまだ観ていないのですが、KAMIJO生誕祭「Rose Fes」のチケットは取ったので、そこでようやく観ることができそうです。

Edit | Reply |