WITHIN TEMPTATION「THE UNFORGIVING」


WITHIN TEMPTATION「THE UNFORGIVING」 (2011)

地元オランダでは国民的人気を誇るWITHIN TEMPTATIONの5thアルバム。前作「THE HEART OF EVERYTHING」でゴシック/シンフォニック・メタルとしては究極とも言える地点に辿り着いた彼ら。バンド側にもそれに似た意識はあったらしく、今回は意図的に方向性を変えてきたようです。ゴシック的要素は大きく後退し、現代最高の歌い手であるSharon den Adelのヴォーカルを前面に押し出した、コンパクトな歌モノハードロックに変貌してます。シンフォニック・アレンジも壮麗ながら、歌メロを引き立てるように機能しています。ゴシック・メタル時代を懐かしむ声があるでしょうが、個人的にはダントツの最高傑作。有無を言わせぬ完成度にぐうの音も出ない、といった感じです。捨て曲が無いなんてレベルではなくキラー曲しかないんじゃないか。リーダー・トラック④Fasterが逆に物足りなく思える程楽曲は粒揃いです。

楽曲の変化に合わせてSharonのVoも、透き通るようなソプラノ・ヴォイスは控えめになり、エモーショナルで力強い“感情込めまくり”ヴォーカルが前面に出てる感じ?上手く言えないんですけど、圧倒的な力量がありながら最後の一滴まで振り絞るような全力ヴォーカルと言うか。神秘さや幽玄な響きの代わりに“隣のお姉さん”的親しみやすさをより感じさせるようになったと言うか。⑩Murderのようなミステリアスでダーティな声も使ってます。

「深窓令嬢の幽玄なエンジェリック・ヴォイス」から「隣のお姉さんの超絶ヴォーカル」へ (何のこっちゃ)

得意のバラード⑤Fire And Ice,⑨Lostが素晴らしいのは当然ながら、それより比較的アップテンポの曲が光っているように感じます。ヘドバンすら誘発する③In The Middle Of The Night、武骨な曲名に似合わず狂おしい程の美旋律をエモーショナルに歌い上げる⑥Iron、オーケストレーションとバンドが一丸となってかっこいい歌メロを盛り上げる⑪A Demon’s Fateが素晴らし過ぎ。特には完璧としか言いようがない。
数曲に短いながらもソロらしいギターソロが挿入されているのも今までにないポイントかな。

失った、というより引っ込めたものより、得たものの方が遙かに大きい名盤。
私はWITHIN TEMPTATIONのこの変化を諸手を挙げて歓迎します。
コミックと連動したコンセプト作らしいが、それはどうでもいいや。不満点はジャケのみです。

【お気に入り】
⑥Iron
③In The Middle Of The Night
⑪A Demon’s Fate
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