FIREWIND「IMMORTALS」


FIREWIND「IMMORTALS」 (2017)

ギリシャ出身のギタリストGus G.率いる正統派HM/パワーメタル・バンド、FIREWINDの8枚目のスタジオ・アルバム。

前作「FEW AGAINST MANY」(2012)から5年ぶりの作品になりますが、その間にヴォーカルが現SPIRITUAL BEGGARSのApollo Papathanasioから元METALIUMのHenning Basseに交代しています。正確には2人の間にADAGIOCIVIL WARのKelly Sundown Carpenterがサポートで入っていたようですが。

これは彼らの最高作ではないでしょうか。
メロディの充実が素晴らしい。

無骨な正統派HMド真ん中ーって感じの最初期の音楽性と比べると、だいぶメロパワ色が濃くなっています。剛性を失わずに徐々に聴き易くなってきたのがこのバンドの変遷だと思いますけど、本作では一気にそれ(=メロパワ化)が進んでいる気がします。

FIREWINDの作曲面でのキーマンは、勿論Gus G.。そして、キーボードのBob Katsionisでしょう。これまでもBobの貢献はとても大きいものだったと思います。ですが、本作の充実の鍵を握っているのは、Dennis Wardだと思うんですよねぇ。オッサン的脳味噌では未だにPINK CREAM 69のメンバーというイメージが強いDennis親方なんですけど、今はMichael Kiske(Vo)に近いところで活躍(UNISONICPLACE VENDOME)していたり、それ以上にプロデューサーとして有名かもしれません。アメリカ人なんだけどヨーロピアンなサウンド/バンドを得意としてますよね。メロディ派HR/HM愛好家からの信頼性が高いプロデューサーだと思います。
そんなDennis親方が本作の制作にズッポリ食い込んでおります。Gusと共にプロデュースを手掛けるのは勿論、録音やミックス&マスタリングのエンジニア周り、そしてインスト曲以外の全ての楽曲制作に絡んでいます。クレジットを見ると、ほとんどがGusとDennis親方の共作じゃないか。作詞を担当ってことなのかな。
本作の強力なメロディの出どころやメロパワ化を、彼の貢献に求めるのはあながち間違いではないような気がしてます。

1曲目の①Hands Of Timeから、分かりやすくヒロイックなメロディが駆け巡ります。良い意味で派手でキャッチーになってる。Gusのテクニカルで流麗なソロもなかなかの尺でフィーチャー。このキラーチューン1発で終わってしまわないで、良曲佳曲が続くんですよね。ミドルテンポや正統ド真ん中な曲でも、退屈さではなくドラマティックさが際立っているのは、ひとえにメロディの強力さとアレンジの勝利でしょう。あちこちで煌めくGtフレーズにオッ!ってなりますし。Bobが関わった⑥Wars Of Agesも◎。
冷静に1曲1曲を取り出してゆくと、それほどメロパワ曲ばかり並んでいるアルバムではないようにも感じてくるんですけど、なんでしょうね、この洗練とメジャー感がそう思わせるのかな。

そして、Dennisと並ぶ本作のもう1人の功労者が、新VoのHenning Basse。
熱く野太い声、広いレンジと豊かな表現力を持つ素晴らしいメタル・ヴォーカリスト。こんなに良い歌い手だったっけか!?と驚きました。彼のVoのおかげでアルバム全編にエネルギーが漲っています。バラード⑦Lady Of 1000 Sorrowsのパワフルでありながら漢の哀愁を感じさせる歌いっぷりも見事。
個人的にはApolloのナイーヴな声が好きなので、この路線で彼が歌ったらどうなってたかな?とか想像しちゃうんですが、客観的に考えてHenningの起用は大成功でしょうね。


バンドのキャリアを通して、決定打となる一枚じゃないですかね。今後バンドがどういう路線になるのか分かりませんけども。
傑作。

あ、そういえば本作は、ペルシア戦争のおける2つの戦いに焦点を当てたコンセプト作らしいですね。それっぽいところは歌詞の題材以外では、③Ode To Leonidasの冒頭の語り等に分かり易い形で現れているところですが、コンパクトにまとまった楽曲が揃っているアルバムなので、まるで肩ひじ張らないで楽しめます。

【お気に入り】
①Hands Of Time
⑦Lady Of 1000 Sorrows MVは→コチラ。
⑥Wars Of Ages
⑨Warriors And Saints
③Ode To Leonidas MVは→コチラ。
⑤Live And Die By The Sword


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