戸梶圭太『牛乳アンタッチャブル』

戸梶圭太_牛乳アンタッチャブル
戸梶圭太『牛乳アンタッチャブル』 (双葉文庫)

戸梶圭太の『牛乳アンタッチャブル』を読みました。

雲印乳業西日本支社のお客様相談センターに一本の電話がかかってきた。低脂肪牛乳を飲んで食中毒をおこしたという。やがてその数は一気に増え対応に追われるセンターだが、会社の上層部は真剣に取り合わない。開いた記者会見では社長と工場長が真っ向から対立し大混乱に陥る。こんな会社に未来はあるのか? そのとき、無責任な俗物経営陣を倒すため、立ち上がった社員がいた! 痛快無比の企業エンターテインメント。

しばらく読み進めてから気づいたんですけど、これ読んだことありますね。再読だわ。
このブログを始める前だから、感想は載せてないけど。


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
 ↓


途中で再読と気づいたのでパパッと読んじゃいましたが、別に伏線の張り方が巧みな小説でもないから、新たな発見とかは無し。

下敷きになっているのはどう考えても雪印集団食中毒事件なわけで、それをコミカルなタッチと下ネタ満載で描くエンタメ小説ですね。何も考えずにさら~と読むことができます。あの有名な「私だって寝てないんだ!」発言も飛び出します(笑)。
語り口が軽妙なので印象としてはユーモア(←下品なやつ)が先行しますが、扱っているテーマは重いし、雪印の事件が2000年に起きて、そこから2年も経たずに刊行しているってのは、状況としてはなかなかすごい。

徹底的に会社組織の膿み出しと企業再生に着目して描いてほしかった気はします。対立構図としては「経営陣 vs 首切り前提内部調査チーム」という風になりますが、途中からその内部調査のことはなおざりになってきて、どうやったら相手陣営の裏をかけるかというスパイ的な面や、無駄に派手なアクション・シーンが前面に出てきて暴走し始めますから。それが残念。

前半はなかなか面白いし、ラストの爽やかさも好印象ではあります。
あと下ネタ部分はくだらなさが振り切れてて、結構好き。


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