和楽器バンド「四季彩 -shikisai-」

和楽器バンド_四季彩
和楽器バンド「四季彩 -shikisai-」 (2017)

尺八, 箏, 三味線, 和太鼓を含む8人編成、和楽器バンドの3rdアルバム。

初回生産限定盤に収録されたボーナス・トラック1曲を含めて、全17曲。
曲数いっぱい。
タイアップもいっぱい。

この曲数の多さは、発売前からMy懸念事項でした。ワタクシたいていアルバム単位で聴く人間なので、どうしても1枚を通したまとまりが気になるし、曲数が多いと後半ダレてくる(=集中力が続かない)からイヤなのよね。
本作は、ほとんどのメンバーが曲作りに参加していることでバラエティの豊かさが生まれ、曲数の割りには各曲のキャラ立ちは良い気がしますけど、それでもやっぱ多過ぎるなー、といったところでしょうか。

それよりも気になったのは、大人しい作風になっていることですかね。あんまり熱くないアルバムです。
ひととおりの曲パターンは揃っており、アッパーな曲も無いわけじゃないんですけど、静かな曲が多く(これも曲数の問題かな)、全体的に落ち着いたトーンに仕上がっています。バンドが安定期に入ったとも、成熟とも捉えることができそうな作風。
あと歌メロが、気品のあるものからJ-POP調のものへとシフトしているようにも感じられ、独特のアクが抜けてきて、なんか「ふつうの良いバンド」になってる気もします。タイアップありきで書きおろされた曲もあるでしょうから、そのせいかもしれませんけど。まぁ「ふつう」とはいっても、この楽器編成で「普通のバンド」の音になるわけもなく、未だ強烈な個性を有した音だとは思うんですが、どうも聴いてて熱くなる場面が少ない作品です。

管理人が好きなのは以下の曲。
 これぞ和楽器バンドという特徴が詰め込まれた②Howling
 MVになった哀メロ曲⑤雪よ舞い散れ其方に向けて
 小気味良いメロディ回しを持ち歌詞にも演奏にも仕掛けがたっぷりな⑦ワタシ・至上主義
 勇壮な王道曲⑩Valkyrie -戦乙女-
 前作「八奏絵巻」(2015)収録の名曲華振舞の作詞作曲コンビ(いぶくろ聖志/Cue-Q)による⑭空の極みへ
 懐かしさを感じるメロディが冴える⑯流星(サビでメインVoに寄り添うようなコーラスが◎)。

筝と三味線がカンカンカンカン!とトリッキーなフレーズをぶち込んで、尺八がブフォォオー!とメインテーマを奏でて、鈴華ゆう子の気品のある歌唱が舞い上がる、そんなタイプの曲が好きですね。それでいてボカロ曲にありがちな、歌メロの忙しなさや単調な感じとは無縁な曲。
は例外的ですけど、語尾がクイッと上がるところが異様に色っぽいのが良いです(笑)。特に「あきらめちゃダメ↑」「ダメ」がエロいw


熱いアルバムではないですが、ゆう子さぁんのVoはやはりすっげぇ上手いし、和楽器の入ったポップスとしては非常に高品質で、文句は付けにくいですね。自分の好みとは少しズレた方向性っていうだけで。バラード⑨オキノタユウはバンドっぽくはないし、淡々としたメロディもそれほど面白くは感じないんだけど、Voの表現力は凄まじいことになってますし。
あといつも思ってることですけど、町屋のGtトーンが綺麗過ぎるのが残念。全体のバランスを考えてるのかもしれないけど、いい子ちゃんというか優等生なのよね。もっとザクザクとエッジを効かせてほしい。

…という、HR/HMリスナー的視点からの感想でした。
元々そういう一ジャンルの領域に収まってる存在ではないんですけどね。
個人的には前作のバランスが最強でした。
あ、1stよりは本作の方が好きです。

【お気に入り】
⑭空の極みへ
⑩Valkyrie -戦乙女-
⑯流星
⑤雪よ舞い散れ其方に向けて
⑦ワタシ・至上主義
②Howling



DVD【LIVE COLLECTION】の追記
    ↓



DVDの【LIVE COLLECTION】付きを買ったので、日光東照宮で行われた『日光東照宮御鎮座四百年記念 単独公演』(2016年6月25, 26日)の模様を収録した映像が付いております。

日光東照宮といえば、小学校の修学旅行ですな。 ←ワタクシゴトw
家族旅行でも行ったことあったかな。 ←ワタクシゴトw

石鳥居を入って表門に入る手前の、最も広いであろうエリアにライブスペースを展開。ステージセットの後ろには五重塔が聳えてます。スクリーンがあるわけじゃないし、鳥居側に近い端っこの方だと、はたしてステージ見えたのかな?って気になりますが。

当日のショウをフル収録したわけではなさそうですし、そもそも2日間のうちどちらの日の映像(音)なのかも不明ですが、やや大人しめのセットリストですね。それでもライブ映像作品を観ていると、このバンド特有の“トゥーマッチ”さに胸焼けするというのも事実。その“濃さ”がこのバンドの良さでもあるんですけどね。映像で観ると、Valkyrie-戦乙女-は聴きどころが多い佳曲だなってのが分かります。
あと、ちょっとだけ軽装に感じるゆう子さぁんの衣装が良いですね。ゴテゴテしてるのはあんまり好きじゃないのよ。彼女の美しさが映えるシンプルな出で立ちの方がすきー。

ヴォリュームはそこそこですが、特別な舞台でのライブを収めた記録としては貴重かも。


『日光東照宮御鎮座四百年記念 単独公演』
01. Overture-天ノ大樹-
02. なでしこ桜
03. Valkyrie-戦乙女-
04. 戦-ikusa-
05. 詩吟-弘道館に梅花を賞す-
06. 起死回生
07. 遠野物語四四
08. 追憶
09. 虹色蝶々
10. 星月夜
11. 暁ノ糸
12. ミ・ラ・イ
13. 千本桜


スポンサーサイト

COMMENT 2

たけ  2017, 06. 27 [Tue] 16:42

超絶技巧集団あるある?といいますか、ガルネリウスの8枚目?のアルバムaosを聴いた時の感覚と近かったです。良いんだけど何だか求めてる方向と違うなあと。

すみません、前にコメントしたのですが間違えて非表示で送信してしまったので、もう一度おくらせていただきました。

Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2017, 06. 27 [Tue] 23:12

たけさん、

いえいえ、ありがとうございます。

私の周囲にはHR/HM方面から彼らにアプローチしている人が多いからか、私やたけさんと似たような感想も耳にします。ただ、彼らはもう武道館クラスのバンドですからね。どこから彼らに入ったのか(ボカロからなのか、ポップスとしてなのか、和楽器の使い方に興味をもったのか、絵になるバンドだったからか…etc…)で、評価は変わってくるような気もしています。

Edit | Reply |