OVERKILL「THE GRINDING WHEEL」


OVERKILL「THE GRINDING WHEEL」 (2017)

米国産スラッシュメタル・バンドの18thアルバム。
ミックス&マスタリングはAndy Sneap。

前作「WHITE DEVIL ARMORY」(2014)に続いて、緑色のジャケですね。
いや、前作と今作だけじゃなくて、OVERKILLのCDって緑色のジャケばっかりな気がするぞ。いや、気がするんじゃなくて、実際に緑色のジャケばっかなんだよ。これねぇ、間違って複数枚買わせるための作戦なんじゃないかとにらんでるんですよね(笑)

記事冒頭で「スラッシュメタル」とカテゴライズしつつも、このバンドの音楽性ってスラッシュだけでなく色んなジャンルの坩堝だと思うんです。主要な要素を挙げると、パワーメタルとR&Rとパンクあたりかしら。パワーメタルと言ってもこの場合、メロパワっぽいところではなくてMETAL CHURCHとかRAVENとかあたりのガツガツした感じのやつ。あとはNWOBHMや、BLACK SABBATH等の70年代HR~ドゥーム、ブリティッシュHRを想起させるダークで不穏な要素もたっぷり。そんなごった煮サウンドなんですけど、Bobby“Blitz”Ellsworthのパワフルなダミ声ヴォーカルが纏め上げ、イメージを決定づけるからか、不思議と散漫にはならないんですよね。漢臭い。

近作の特徴と同様、今回も様々なパートを長尺の中で自由にコントロールしてゆく手法。全体的な雰囲気はプリミティヴで野蛮なんだけど、それでいて整合感とオーセンティックなHMの流儀に則ったドラマティズムを感じる音です。音楽性のルーツは古いところにあるんでしょうけど、弦楽器を中心(特にD.D. VerniのBa)に現代的なエッジと煌めきがあるのでロートル感はありません。Andyの音作りのおかげもあるでしょう。
今回の作風というか、各要素のバランスの取り方としては、あまりスラッシュ一辺倒ではなく、R&Rや古典的なHRの風味が強いかなーと。純粋にスラッシュってる曲って、もしかして一つも無いんじゃない? いずれにせよ、スピードに頼らない曲作りの巧さが光りますし、疾ってるパートよりもミドルテンポのパートの組み合わせ方に魅かれます。


勢い任せの爽快感より、こってりとした味わいを重視。
前作よりはずっと良いですし、硬派なスラッシュ路線だった「IRONBOUND」(2010)&「THE ELECTRIC AGE」(2012)と同じくらい好きかも。飽きずに楽しめそう。

【お気に入り】
③Our Finest Hour ←これはかなりイイ!
①Mean, Green, Killing Machine
⑤The Long Road
⑩The Grinding Wheel
⑧Red White And Blue
②Goddamn Trouble MVは→コチラ。


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COMMENT 4

DD  2017, 04. 14 [Fri] 19:38

 彼らは初期はpunk的衝動の曲はかなり多いですが、それでも長めの曲は確実に1,2曲はalbumに入ってましたよね?

 rootsに近づいてる部分もありますが、それでも爆発力を失ってない点は、memberが5人になっても変わらないのはさすがだな、と思います。(albumごとに作風が違う点も)

 それら含めて軸がぶれてないし(この辺はBlitzとD.D.Verniが曲作りの軸を担ってる点でしょうかね?)。

 来日を期待したいところです、どんな形であれ。

 お気に入り・・1,4,6,7,9,10(現時点ゆえ、変わる可能性も)

追伸 6/4の渋谷のTears~のliveについて何か情報わかりますか、2組でやる以外に。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2017, 04. 15 [Sat] 12:31

DDさん、

初期作は「TAKING OVER」くらいしか聴いてなかったりするんですが、確かにその頃から長尺の曲はありますね。最初期から色んな要素ごちゃ混ぜって点は変わらないのでしょうし、同時にそれら要素の配分や押し引きの仕方が巧いんでしょう。
キャリアが長いバンドは、メンバーが多少変わろうとも中心となる人物のヴィジョンがしっかりとしている場合が多いですが、正にBlitzとD.D.のコンビは強固ですよね。


P.S.
6/4のツーマンは、4/22の12時からローソンチケットとe+で発売開始です。

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kazz-asai  2017, 04. 24 [Mon] 00:17

不撓不屈

ここ数年の快進撃は、かつての勢いを失っていた時代を考えるとまったく嘘のようですね。
それが始まったのがグランジにおもねったと思わせた1993年の6th「I Hear Black」。
続く「W.F.O」以降の3枚は、以前の作風に戻ったものの、代表曲となるものは見出せず。
さらにその後の「Necroshine」以降の4枚はどうにも冗長と感じさせる部分を散見させました
それを吹っ切れたのはやはり4thまでの「OverKill」シリーズを復活させた「Immortalis」。
そして立て続けに世に送られた「Ironbound」以降の3枚によって、破天荒なパワーに満ちた初期の作品をもしのぐパワーを見せつけられ、今またここに届けられた新作。
それは前3枚とは少々趣をかえ、初期の彼らのもうひとつの持ち味であったキャッチーな面を強調するという意外な手法に。しかしこれも確実に、かつて私が心酔したOverKillなのです。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2017, 04. 24 [Mon] 21:10

kazz_asaiさん、

「TAKING OVER」を買って、そこから「IRONBOUND」まですっ飛ばした身としては、幸せなことに安定感ばかり感じているバンドだったりするのですが、1作1作と順に追ってきた浅井さんのようなファンからしたら、紆余曲折あったのですね。それだけに黄金期とも言えそうな現状への喜びはひとしおなのではないでしょうか。
LOUD PARK、参戦できることをお祈りしてます。

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