KREATOR「GODS OF VIOLENCE」


KREATOR「GODS OF VIOLENCE」 (2017)

「クリーター」とは言いたくない、「クリエイター」派の皆さんこんばんは。
ドイツ産ベテラン・スラッシュメタル・バンド、14枚目のスタジオ・アルバムです。引き続きプロデュース周りはJens Bogrenという鉄壁の布陣。

前作「PHANTOM ANTICHRIST」(2012)はパワーメタル/メロディック・デスメタルっぽさのあるスラッシュとして捉えていて、従前のバンドの魅力と合わせて、そのある意味ARCH ENEMYに通じるところが大きな魅力でした。こんなにメロディックでドラマティックなことやっちゃうんだ!?という驚き。
それと比較すると、ヘンな言い方ですが本作はスラッシュらしいスラッシュというか、少し揺り戻しみたいなものを感じることができます。演奏もそうだけど、歌メロにおけるノリや言葉の詰め込み具合等々。それでいて前作譲りのドラマ性・メロディもたっぷりで(前々作「HORDES OF CHAOS」もメロディックな作風でしたが)、このバランスは見事。

ここまでメロディックになっても同時に野蛮極まりないなんて、信じられませんよこりゃあ。
このバランスというのは、やはりMille Petrozza様(Vo&Gt)のヴォーカルに依っているところが大きく、メロディ・ラインをなぞる歌唱だけでなく、シャウトにも歌心を込め、エモーショナルに吼えることのできる第一人者としての実力を今作でも如何なく発揮。というか、全開。爆走。バンド・サウンド全体を牽引しております。ヤワに感じさせないこの切迫感は凄いよなぁ。それでいて聴き易さもある声だし。

あと、Vo面においてメロパワ者的に気になるのは、クワイアのレコーディングに関わっている、Ronny Milianowiczの名前。DIONYSUSSAINT DEAMONSINERGY等々に在籍していたドラマーです。個人的には太鼓を叩く人というより、優れたメロパワ/メロスピ曲を書く作曲家として捉えていますが。SINERGYの1枚目にだけあったメロスピっぽさってのは完全にRonnyの色だと思っていますし。
で、そんな彼がこのメロディックな新作に関わっているのも面白いな、と。その影響や貢献がどの程度あったのか分かりませんけどね。また、クレジットを見るとクワイアやオケといった、所謂「装飾」部分にも力を入れているような本作ですが、それら装飾にロック/メタル部分が全く負けていない点も、バンドの地力を感じるところ。

全体的には、ファストな曲調にメロディックなGtフレーズをたっぷりとぶっ込んだ曲が多いアルバムです。そんな中、どっしり重厚に練り上げてゆく正統派HM③Satan Is Real、オールドスクール&アンセミックに一体感を高める⑦Hail To The Hordes、メロパワ要素が強めな⑧Lion With Eagle Wings、キビキビとしたリズムが軍隊っぽさを醸し出す⑨Fallen Brotherと、ちょっとずつ色合いを変えた楽曲を揃えてくるのが、実に巧い。終曲にして最長の⑪Death Becomes My LightなんてICED EARTHみたいな振り幅の広いドラマ性があるもんなぁ。


30年以上ものキャリアを経てなお、最高作とも言えそうな作品をぶつけてくるこの凄みよ。超絶傑作。サイコー。
特に、④Totalitarian Terror⑤Gods Of Violenceの流れで、激烈さと崇高さが頂点に達していて、堪らんのです…。。。

【お気に入り】
⑤Gods Of Violence MVは→コチラ。
④Totalitarian Terror MVは→コチラ。
⑧Lion With Eagle Wings
②World War Now
⑪Death Becomes My Light
③Satan Is Real MVは→コチラ。


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COMMENT 2

かつ丼  2017, 04. 07 [Fri] 20:58

今作で初めてKreatorを聴きましたが
前作や前々作、スラッシュメタル
全開な作品も聴いてみたくなるほどの
クオリティの作品ですね
お気に入りは強いてあげるなら2〜6,11,12
出だしから隙が無さすぎです(笑)
因みに読み方は気分で変わる派です(笑)

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ヒゲ・スカイウォーカー  2017, 04. 08 [Sat] 19:58

かつ丼さん、

これが初めての作品でしたか!
大きくハードルが上がってしまいましたね(笑)
個人的にはゴシカルな雰囲気が増した「OUTCAST」~「ENDORAMA」というところも好きなんですよね。特に後者は初クリエイターだったので思い入れがあります。一番の問題作、というか一番大人しくなった作品ではありますけど。勿論ここ数作は間違いないところだと思いますね。

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