DYNAZTY@渋谷TSUTAYA O-WEST

DYNAZTY 『 TITANIC MASS TOUR: TOKYO SHOWDOWN 』 渋谷TSUTAYA O-WEST



スウェーデンのメロディックHR/HMバンド、DYNAZTYの来日公演に行ってきました。

平日ではあるものの、初来日だしチケ代は6,500円とお高くないし、日本人好みの音だしメンバーのルックスに華はあるしということで、O-WESTのフロアは最終的には8割強くらい埋まったでしょうか。女性比率もなかなか高め。個人的にはもっと女子メタラー様が大挙して押し寄せるのかと思っていましたが(大袈裟)。

定刻を15分ほど過ぎて始まりましたが、最初の音出しからして“上手い”バンドだと気づきます。まとまりがよくパワフル。「堅実」という表現だと地味に感じるかもしれませんが、安定感はすこぶる高いですし、同期音源のKeyが適度に華やかさを添加してくれるので、無骨というよりは頼りがいがあるという印象。すげぇ良いバンドだぞこれは!って空気が一瞬でフロアいっぱいに広がったのを感じましたし、私は今夜のショウが素晴らしいものになる確信を得てウヒョー!ウヒョー!ってなってましたよ。

演奏だけでなくて、ステージでの動きも場慣れしてるようでしたね。DrのGeorge Eggを除く4人は終始アクティヴに動き回ってるし、ニコニコと笑みを絶やさずファンにアピール、クール過ぎず、温かくフレンドリーな青年達でございました。また、ステージ上にはマイクスタンドが4本配置されており、弦楽器隊3人はそこを自由に交替しながらコーラスを担当していたんですけど、その人力コーラスの揃いっぷりもなかなかのものでした。綺麗綺麗してないで適度にガッツィーなところがなお良し。
そうそう、Rob Love“黒レスポール”Magnusson(Gt)とMike“白レスポール”Lavér(Gt)とJonathan Olsson(Ba)の3人は、その明るいステージングがSABATONの楽器隊を彷彿させるところがあるかもなぁ、等と。

そんなバンドの雰囲気をビシッと引き締めていたのが、ヴォーカルのNils Molin。
彼はね、逸材ですよ。
1曲目のRun Amokの時点では「CDよりちょっと声の厚みがないかな、でもめちゃくちゃ巧いな」とか思いながら聴いていたんですけど、PAの影響だったのか、本人がすぐに本調子になったのか分かりませんが、ゴメン全然薄くねー。というか、ショウの最後まで衰え知らずで、グイグイ尻上がりに凄みが増していった感じがありました。ものすごいわ。
下山武徳(SABER TIGER)バリの魂込めまくりの絶唱に、Tobias Sammet(EDGUYAVANTASIA)を思わせる堂々たるフロントマンとしての資質。というか、アレだ、最新作「TITANIC MASS」の感想で、元SKID ROWのSebastian Bachを例に出して説明なんぞしましたが、うんうん、本人を目の前にしてもそんな感じありますわー。バズ本人は2012年のラウパでチラッと見ただけなんですけど。何より、全身全霊、感情を思いっきり込めて歌い上げ吼えるその姿、金属的シャウトも哀愁漂わせるナイーヴ歌唱もどちらもイケるところ、スター性があるところが、まじバズ的ですわー。
彼、歌唱もすげーんですけど、表情やアクションがいちいちカッコ良過ぎるんですよね。噛みつくような獰猛さを剥き出しにしてメタリックなシャウトを連発したかと思いきや、フロアの隅々や2階席までちゃんと視界に収めて一体感を練り上げてゆく冷静さもあるし、髪をバサッとやる仕草とか、リズムに合わせて拳を振り下ろす動さ、感謝の述べる時の少しシャイな様子も魅力的。女子じゃなくてもコロッとイクなこりゃ。時折ガッツポーズしながら歌うNilsに合わせて、あたしゃあ一緒に心の中でガッツポーズしてましたよ。自分が歌ってるわけじゃないのに(笑)。
Nils Molin、最高のフロントマンじゃないか!

大きな声では言えないですけどね、Bruce Dickinsonが歌えなくなる日が来たら、Nils Molinが後任でIRON MAIDENで歌ったらいいんじゃないか、とか言いたくなるほどですよ。大きな声では言えないけど。長尺曲におけるストーリーテラーとしての表現力は問われるかもしれないけど。あと、大きな声では言えないけど。
あ、バンド内で一番若いBruceが引退する頃には、Nicko McBrainはもう叩けないだろ、とかそういうのが聞きたいわけじゃないから。そんな風に言いたくなっちゃうほど凄かったってこと。


海外でやってるセトリを見ると、ほとんどが直近2作からの選曲なんですけど、そこに1stの曲を追加してやってくれたのは、初来日公演での顔見せみたいな意図があったのでしょうか。個人的にはさらに4th&5thのメタリックな曲を増やしてもらっても構わなかったんですが、まぁこれはファンへのサービス精神ゆえのものだったと思います。それにちょっとタイプが異なる1stからのHRチューンのおかげで、全体の流れに起伏が生まれていたのは事実ですし。

あとメンバーの自己紹介的な意味合いもあったのかもしれませんが、楽器隊全員のソロタイムがありました。
JonathanのBaソロはファンとの掛け合いを交えていてなかなか楽しかったですが、あとのDrとGtはこれが退屈で退屈で…(苦笑)
この日のライブで唯一残念に思った点かもしれません。
基本テクニック的に問題ないメンバーだと思いますけど、別に技巧で売ってるわけでもなし、魅せるアイデアがあるわけでもなしということで、個人的にはNilsの喉を休ませる以上の効果があったとは感じませんでしたね。白レスポ・Mikeの自己満足全開のソロなんて、今までで観た退屈なソロタイムの中でもかなり上位(下位?)に位置しますよ。

ただ、このソロタイムでなるほどと思ったこともありまして、ギタリスト2人ってその使ってるギターからも想像できるかもしれませんけど、それほどメタルメタルした音は出していないんですね。リード・ギタリストである黒レスポ・Loveちゃんは、ソロでは高速フレーズも弾きこなしていましたけど、2人とも割とオーセンティックなハードロック寄りのギターを弾くんだと思います。じゃあDYNAZTYのメタリックさって何だっつったら、Jonathanのベースが果たしている役割が大きいんじゃないのかな、と。彼のBaプレイ、バッキバキでめっちゃ金属的な音させていましたもん。リフの中にあってもBaの鋭さが主張して、メタルらしさを出している気はします。
偶然なのか、このバンドが音楽的によりメタリックになったのってJonathan加入(2013年)後ですしね。

ライブ後半、ハイライトが連続し、グイグイと緊張感と興奮が高まっていったのが凄かったなー。
間にBaソロを挟んだ構成のIncarnationから、ダイナスティ全部入りの圧巻の構築美を見せた大作Salvationへの流れ、Gtソロタイムのやや弛緩した空気を切り裂くキラーチューンThe Human Paradox、ファンとの大合唱で締められた本編ラストのTitanic Mass
アンコールでの代表曲Starlightとその後の写真撮影まで、最高の熱演を披露してくれたバンドと、それに大歓声で応えたファンとの間の、愛とエネルギーに満ちたワンマンでした。
至福だ…。。

来てくれてありがとー!
呼んでくれてありがとー!
是非とも再来日してほしいですね。
できればLOUD PARKでその凄さを多くのメタラー諸氏に見せつけてやってほしい。絶対度胆を抜くはずだから。
特にNils Molinな。ここまでのフロントマンがどれほどいるのかって話っすよ。
衝撃。

<セットリスト>
01.Run Amok
02.The Northern End
03.Raise Your Hands
04.Roar Of The Underdog
05.Free Man's Anthem
06.This Is My Life (Anna Bergendahlカヴァー)
07.Lights Out (In Candyland)
08.Bring The Thunder
09.George Egg Drソロ
10.The Beast Inside
11.Incarnation (incl. Jonathan Olsson Baソロ)
12.Salvation
13.Mike Lavér & Rob Love Magnusson Gtソロ
14.The Human Paradox
15.Titanic Mass

ENCORE
16.Starlight


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