パスピエ「&DNA」

パスピエ_dna
パスピエ「&DNA」 (2017)

4thアルバム。
初期にあった、回文タイトルが復活してますね。地味に嬉しいポイント。

前作「娑婆ラバ」(2015)の後、シングルを3枚発表(「ヨアケマエ」「永すぎた春/ハイパーリアリスト」「メーデー」)していますが、本作収録の12曲中、4曲はそこからの楽曲です。
3分の1がシングル曲であるにもかかわらず、その他の楽曲が全く見劣り(聴き劣り?)しないことは本作の特徴でしょうか。それはアルバム曲のレベルが高いということでもあるし、同時にシングル曲がそこまで抜きん出てるわけでもないという、まぁ諸刃の剣みたいなもんですけど、普段からアルバム単位で聴く私のようなリスナーからしたら喜ぶべきことです。

全体的にスピード感というか、軽やかさを感じるアルバムですね。それでもゴリゴリ&ガツガツと迫ってくることもなく、しなやかさがあるのがパスピエ流ですが、露骨なキメキメはさらに影をひそめ、楽器隊のアンサンブルは楽曲展開の中に自然に溶け込んでいる。大人しくなったともとれる作風かも。まぁここらへんの感覚は、1stから順番に辿ってくると順当な流れのようにも思えるところです。②やまない声⑤ああ、無情⑩おいしい関係あたりの、サラッと耳に優しく響くんだけど注意深く聴くと楽器隊がすっげー面白いことをやってるというバランスは、匠の域に辿り着きつつあるように思えますね。

あと、大胡田なつきのVoにキュートさやへんちくりんな響き(笑)だけではなくて、大らかさや気品が備わってきたんじゃないかしら。個性を失わずに普遍性が強くなってきたような。⑧スーパーカー⑨夜の子供で感じる懐かしさと切なさと抱擁感は絶品だし、表現力は広がっているし、端的に言ってかなり上手くなった。

パスピエ流の美しさを体現した③DISTANCE(オケの響きの重なりが綺麗)、彼らにしては珍しく空間的な広がりを感じさせる⑪ラストダンスもいいね。アルバムの最後は⑫ヨアケマエで明るく締めくくりますけど、が壮大な大団円のようにも思えます。「壮大」って言うと言い過ぎかもしれないけど、まぁそんな雰囲気。


最高に奥深いポップス・バンドになってきました。
瑞々しさなら1stか2ndだけど、完成度なら本作かな。前作よりはずっと好きだな。
傑作。

【お気に入り】
⑤ああ、無情
②やまない声
⑪ラストダンス
③DISTANCE
⑧スーパーカー MVは→コチラ。ラスト、ちょっとショッキングです。


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