PAIN OF SALVATION「IN THE PASSING LIGHT OF DAY」


PAIN OF SALVATION「IN THE PASSING LIGHT OF DAY」 (2017)

スウェーデンのプログレッシヴ・ロック/メタル・バンド、PAIN OF SALVATIONの10枚目のスタジオ・アルバム。ただ前作「FALLING HOME」(2014)がアコースティックによる企画盤だったことを考えると、純粋な新譜としては「ROAD SALT TWO」(2011)以来の9枚目と捉えた方がよいのかしら。久しぶりですね。

本作は、バンドの中心人物であるDaniel Gildenlow(Vo, Gt&Keyとか諸々)が重篤な感染症に罹って死にかけた、という体験を投影させたコンセプト作とのことです。まぁ彼らの場合、コンセプト作であろうがなかろうがコンセプト作っぽい雰囲気を常に漂わせているので、その点ではいつも通りという感じですし、PoSイコールDanielなわけでして、彼の気分 考え次第で色んな方向に向かっちゃうのがこのバンドの性。
リリース前には初期の作風に回帰したなんていう評判も聞こえてきました。確かに北欧らしいメロウな旋律が顔を出します。ただ同時に、現代的なヘヴィさと暗く内省的な空気、オーガニックな楽器の響きが同居し、今までのキャリアをここで束ねてさらに前進させたとの感覚もあります。

プログレメタル的な感触が強めのアルバムでもありますが、リズムの多彩さがこの印象を強めているような気がします。元々複雑怪奇な拍子をごくごく自然に取り込んできたバンドですが、ここにきてさらに凄まじさを増しているんじゃないかという…。PoS全部入りのオープナー①On A Tuesday、このバンドらしい奇妙さが支配的な怪チューン⑤Full Throttle Tribe、それ以上に奇妙に捻じれる⑥Reasonsあたりの楽曲には、口あんぐり状態になります。全楽器一丸となって刻み倒したり、全く異なるリズムを平行稼働させたり、ついたり離れたり…、ヘンテコなフレーズ盛り沢山なんだけど、それらがごく当たり前の顔で楽曲展開の中に取り込まれてるってのがマジPoS。すげぇ。Djentバンドも真っ青ですわ。あとギター(特にリフ)の押し出し具合はかなりメタリックかも。
元々秀でていた、Danielの歌唱力・表現の幅の広さに加え、「REMEDY LANE RE:VISITED」(2016)でも感じたことですが、他のメンバーによる多重コーラスも今のPoSの強みかな、と。

パーツパーツに感嘆させられながらも、ジワジワとその凄みが伝わってくる曲が多く、じっくりと対峙するに相応しい作品に仕上がっています。メロディ派からすると、パッと聴きは、バラード④Silent Gold⑦Angels Of Broken ThingsのエモーショナルなGtソロ、⑧The Taming Of A Beastの終盤あたりがグッときますが、メロディのタイプが好みである/好みじゃないという、単純な二択では判断できない奥深さにズルズルと引きずり込まれますね。広がりのあるメロディと苛烈な演奏が交錯する⑩The Passing Light Of Dayが素晴らしいクロージング・ナンバーというのも嬉しい。


やはりこのバンドは恐るべし。
聴き応え抜群の傑作だと思います。

【お気に入り】
⑩The Passing Light Of Day
①On A Tuesday
④Silent Gold
⑨If This Is The End
⑦Angels Of Broken Things
⑤Full Throttle Tribe
③Meaningless


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