三島浩司『ダイナミックフィギュア』

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三島浩司『ダイナミックフィギュア』 (ハヤカワ文庫、上・下)

三島浩司の『ダイナミックフィギュア』を読みました。
初めて読む作家。
SFね。

地球に飛来した謎の渡来体が建設した軌道リング・STPFは“究極的忌避感”と呼ばれる苦痛を生物に与える作用があった。リングの一部は四国に落下、そこから発生した生物・キッカイは特殊な遺伝メカニズムで急速に進化し、人を襲った。日本政府はキッカイ殱滅のため、二足歩行兵器・ダイナミックフィギュアを開発する。19歳の栂遊星はその操縦士として訓練を受けていたが―。実力派による究極のリアル・ロボットSF。

香川県善通寺市に拠点を置く、対キッカイ要撃組織・フタナワーフは栂遊星の活躍で第一次要撃戦に勝利するが、その代償として全権司令官を失った。一方、遊星の恋人・公文土筆は、反政府的思想集団と行動を共にする。計り知れぬ無力感を覚える遊星の想いをよそに、第二次要撃戦予定日が迫る。さらに進化を繰り返すキッカイとの戦いの行方は?渡来体の真の目的とは?―異星生命体と二足歩行兵器の最終総力戦がはじまる。


ガン○ムかパト○イバーかと思ったら、エ○ァンゲリ○ンだった。
何を言っているのかわからねーと思うが、俺もn (ry


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
 ↓


長いの。
めっちゃ長いの。
2作完結のシリーズ物にした方がダレなかったんじゃないかという気がします。ものすごく大雑把に言うと、上下巻で「ロボット物 → 渡来体と人類との関わり方」みたいに、規模も内容も大きくシフトするということもありますし。

ダイナミックフィギュアと呼ばれるロボットを巡るキッカイ掃討作戦についての描写は、練りに練られた舞台設定と共にかなり読ませます。ジワジワと真綿で首を絞められるような緊張感と焦燥感、絶望感や諦念に満ちてる。真綿で首絞められたことないけど。
独特の美学に則った台詞回しや戦局を一転させるシーンの面白さもなかなかのものです。

材料はとても良いのです。
ただ料理の腕が下手(もしくは乱暴)でその旨味を十分に活かせていないというか、勿体ないなと感じるんですよね。
正直言って、文章がヘタクソだと思う。自分の文章に酔って読者を置いてきぼりにしている風に感じる場面もチラホラ。いや、「あたしゃあ置いてかれないよ!」って人もいるでしょうけど、私はついてゆけなかったのよね。舞台設定は細かいんだけど、その上で動かす人物描写の掘り下げが甘かったりしますしね。

あと、固有名詞の使い方は個性的というか、クセが強いと思います。ほとんどの箇所で人物をフルネーム表記することがどういった効果を狙ったものなのかよく分かりませんし、一度設定や用語を説明したらそれっきりで物語が進行するため、何のことを示しているのか途中で思い出せなくなったりも。ニーツニーって何だっけ?とか。作品のムードや世界観が読者の意識に浸透してゆく、そのペースを見誤っている気がする。

「魂の継承」を物語全体のテーマに据えて、そこへと物語を収斂させてゆき決着をつけるという試みは、方向性としては良いし胸熱なんですけど、やっぱここでも強引さ・乱暴さが目立つ結果に。
やっぱりね、「勿体ない」なんですよね、感想は。

そういえばニーツニーって逆シャアのサイコフレームと似てるよな、と。


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