TEARS OF TRAGEDY@新宿MARZ

TEARS OF TRAGEDY 『 3rd Album 「STATICE」 リリースワンマン ~five stars chronicle~ 』 新宿MARZ (2017/1/21)

2017年初ライブ。
TEARS OF TRAGEDY3rdアルバム「STATICE」のレコ発ワンマンに行ってきましたそ。
昨年10月の『MINSTEARS』でのライブがえらく楽しくてですね、この日も当初はRobby Valentine=VALENTINEの来日公演(18年ぶり!)に行くつもりだったんですけどね、気づいたら新宿にいました。ルーラしてました。

ソールドアウトではなかったものの、結果ティアーズ史上最大動員だったとのことでフロアはかなりパンパンに埋まってます。200数十くらい入ってたらしいんですが、大体においてこのハコ、公称キャパの300人が入るようには到底思えない作りですからね。

定刻になってオープニング・アクト、いや、前説担当としてステージに登場したのは、お笑い芸人2人組のカレンダーガール。「ガール」言ってても、その実、漢2人のユニットです。
いや、問題は男か女かってことより、何故ミュージシャン/バンドじゃなくて芸人かってことでしょうけど、(どっちかというと)ボケ担当の人が、ティアーズのVo・HARUKA=吉川遼嬢の弟さんなんですね。「我々、完全にコネでこの場(ステージ)に立っています」とか言ってましたが、まぁその通りだし、この自由さもティアーズらしいと言えばらしい試み。
カレンダーガールのステージ、てっきり自分達のネタ(持ちネタのほとんどが野球ネタらしい)をぶっ込んでくるかと思いきや、“姉”からの指令(笑)らしく、コール&レスポンスをおさらいするという盛り上がり講座になっていました。物珍しさもあったと思いますが、本職の人達の喋りはやはりミュージシャンのそれとは異なっていて、フロアはそこそこ温かい(熱くはないw)空気に包まれます。重要なのは内容よりもリズムやタイム感なんだろな。ま、ミュージシャンの中にも芸人みたいな喋りをする人が一定数いますけどね(笑)
アンコールの時に“姉”から再度呼び出されてましたが、その時にはリクエストにより持ちネタを一つ披露してました。普段とは異なる場という緊張もあったかもしれませんけど、もうちょっとテンポ良くボケ&ツッコミの応酬をした方が良かったんじゃないかな。なんせ、我々はメロスピを聴きに来ている、いわばスピード狂みたいなもんだからな。(偏見&誤解) ファストでアグレッシヴなやつを頼むよ。


さて、ティアーズですが。
グダグダでしたね、過去最高に(笑)。

まずはTORUのギターの音が2曲目のBe Inconsistentで出なくなる。どうやら自前のアンプがぶっ壊れてしまったようで、スタッフがMarshallのものに交換してました。ただそれ以後もブツブツと音が途切れたり、Gtソロの途中で音が出なくなったりと、TORUは相当苦しめられていましたね。彼、終演後もかなり凹んでいたようで、ちょっと気の毒です。
あと、アンプ交換してから、普段の彼の音とはだいぶ印象が異なりました。音作りの設定だけじゃなくてMarshallという機器の特性もあるのかもしれませんが、ファットでHR的な音でした。いつもはもっとシャープでメタリックだから。(因みに、交換する前にどのメーカーのアンプを用意していたのかは知りません)
ま、私自身はそのこと(機材トラブル)はほとんど気にしていませんが。トーンが変わっても彼の気品のあるチョーキングの響きは健在だったと思いますし。それよりは、Be Inconsistentはソロ以降が丸ごとギターレスの状態になったんですが、その音を聴いていて、ティアーズのメタリックな部分のほぼすべてを担っているのがTORUのGtだっていうことを再確認できて、興味深かったです。ギターが無いと、ほぼポップスの演奏でしたからね。低音は効いているものの。

また、メンバー全員がMCを担当する…、というか好き勝手に喋りまくる時間があったおかげで(せいで?)、これが収拾つかないくらいのカオス状態に。Beyond The Chaosできなかったな。
ただティアーズの場合、それが楽しくてしょうがないわけですけど。特にHAYATO(Key&お笑い担当)の自由さな(笑)。あの自然な会話の展開力は天才的ですよ。人をバカにする笑いじゃないから気持ちいいし。
 は「今日初めて(ティア-ズの)ライブを観た方います?」
 客「はーい」
 は「どうですか?」
 客「カッコイイ!」
 は「おかしいですね。カッコイイはずはないんですけど…」

…のくだりとか(笑)。ま、展開力というよりは迷走しがちなだけかもしれんけどw

この日はアンサンブルの乱れもやや多めだったかな。大きなとちりをヤラかしてないのってYOHEI(Ba)くらいじゃないのかな? HIDEYUKI(Dr)の場合はミスというより、手技(特にシンバルワーク)が一瞬モタる傾向があるので、シャープさや勢いが殺がれているのが勿体ないなーと感じるというのが大きいですけど。ま、ここら辺の感覚は完全に好みによる部分ですけどね。ただこのバンドの場合、弦楽器隊は技術的に安定していることが多いから、曲の突進力や勢いは彼のドラム・プレイに懸かっているところがデカいんですわ。

TORUのGtは上記の通りでしたけど、音響はすこぶる聴き易いバランスでした。私は下手側、YOHEIの前あたりの6列目くらいで観ていたんですが、個人的にはそこらへんの横位置が最も気持ち良くこのバンドの出音を楽しめる場所。あんまり上手寄りだとBaの音が埋もれちゃいますから。
吉川遼史上最も“kawaii!!-HARUKA”(髪飾りは正義)だったHARUKA嬢の歌唱は、驚異的な安定感と個性。知ってたけど。HAYATOの盆踊り的手拍子に吹き出して歌えなくなったり、It Like Snow…のGtソロの時に、TORUの頭上から手動で雪に模した紙吹雪を巻くという余興(?)に専念するあまり、歌い出しを逃してましたけど。
2つのバラード、アコギをフィーチャーした利ky…じゃなくて、HAYATOと2人だけで披露したclose yet farでの、様々な感情表現を内包した声の深みは、スタイルに固執しがちなHR/HMシーンではほとんど聴くことの出来ない類いの歌唱だったと思いますね。普通ここまで突き詰めた表現力は身につかんぜ。
十八番のHARUKA踊りも健在。いや、健在どころか、動きのキレや激しさだけじゃなくて、たおやかさみたいなものがむしろ増してきているようでむをおおおおお!!
他のメタル・バンドがヘドバンやオイ!オイ!ってやる場面で、ティアーズは踊るんだ。歓喜の舞を。


期待を裏切られたわけじゃないけど想定外だったのは、MCでもありましたけどDOUGEN(THOUSAND EYESAFTERZEROのVo)の不在ですよね。メンバーとしても、このワンマンでは彼にゲストVoで出てもらって、例の大作(Prison Of AbyssCurse Bride)をやるつもりだったみたいですけど、まさか当日に出れない、というかそもそも日本にいないというね(笑/UNDEAD CORPORATIONのライブでスイスに行ってる…)。ま、この2つをやるにはDOUGENだけじゃなくてソプラノ担当の女性Voも要るわけですけど。あと必要なのはHAYATOの踏ん張り(笑)

セットリストは、新譜からほとんど(件の大作のみオミット)と2ndからもほぼ全て、1stからの3曲の、計21曲(SE含む)でした。
2nd収録のある意味特殊な曲であるPrison Of Abyss星の砂はともかく、落選したのがStay With Youだったのはちとイタい。この曲好きなのよ。あとは1stのThe Arclight Of The Skyが無かったのは意外でした。反面、AnfilliaSilence Oceanは今後も演奏され続けていくんでしょうね。
今回は「STATICE」からの曲紹介という意味合いもあるライブでしたけど、新曲がライブの場で研磨されてゆく過程で選曲がどうシャッフルされてゆくのかも興味深いですね。


大好きなバンドの場合、何故か親心的なものが芽生えるんでしょうか、ライブを観ていて「失敗するなよな!」と祈るような気持ちになることが時々あります。「MCスベるなよな!」とか(笑)。それは対象のバンド(もしくはメンバー)の実力に懐疑的だからということではなく(そういう時もあるけど)、そういうのとは無関係に、ただただそういう感じになるってだけ。
ただし、ティアーズの場合にはちょっと違うってことに気づきました。演奏や歌唱、ライブ進行や個々のパフォーマンスに失敗して欲しいわけでは勿論ないんだけど、失敗してもいい、むしろちょっとはそれを期待してるって面があるのも事実だったりします。意地悪な感情や上から目線したいわけじゃないし、別に困ってる様子を見たいわけでもないんですけど。なぜなら、そういう時こそ、表情や仕草にメンバーの人間性が滲み出て、それが自分にとっては堪らなく魅力的に映るから。要は彼らって「いいひと」なんだよな。ステージとフロアという立ち位置の違いや距離を感じさせない親近感があるというか。
勿論、そこに奏でられているのが素晴らしい音楽だってことが大前提ではありますし、その温かい雰囲気はミスやトラブル時じゃない“正常な”ステージからも十二分伝わってくるんですけどね。

彼らよりミュージシャンシップの高いバンドなんていくらでもあるし、プロらしくないと言われればまぁそうかもしれないんだけど、自分にとって大事なことは、これだけ楽しい場を提供してくれるバンドが他にどれだけあるのかってこと。その点で実に貴重な存在だし、やっている音楽の希少性は「STATICE」の感想や今までの記事でも述べてきた通り。
音楽やライブに対して、すげー!とかカッコイイ!を求める傾向は自分自身にもありますが、同時に、人を笑顔にすることができる、そんなアーティストこそ多くの人に受け入れられてほしいと願います。

そのグダグダ&ドタバタっぷりに反比例して私は最高に楽しかったですけど、メンバーはリベンジしたがっているでしょう。なので、またそう間を置かずに是非ワンマンの開催を。
大作2つもやらなきゃね。

<セットリスト>
01.Beyond The Chaos~Void Act
02.Be Inconsistent
03.Anfillia
04.always
05.Blue Lotus
06.Another World
07.Rebirth
08.Statice
09.Accept Yourself
10.Fall In The Air
11.It Like Snow…
12.Spring Memory
13.Euclase
14.Own Crime
15.VOICE
16.雫
17.Silence Ocean
18.Pastel Color

ENCORE
19.close yet far
20.Falling Star


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COMMENT 2

DD  2017, 01. 24 [Tue] 20:02

 今後大作をセットに組み込むとしたら、そのまま入れるのですか、どれか外して入れるのか、その辺は気になりますね。

 それは差し引いても、(序盤のトラブルを差し引けば)楽しめましたよ、新曲もlive映えしてましたし。

 POPsを音楽性に取り入れるbandは多いでしょうが、彼らのようにうまく消化して、きちんとやれるのは少ないんじゃないですか、そうならよりこの個性を大事にしてほしいし、そうあるべきだと思います。

 ちなみに、MCでも言ってましたが、後ろのほうで見たので、HAYATOの弟さんを見ました(2人組で来てたようです)。(MCあるまで誰?と思いましたが)
 
 うまくliveを重ねて新曲を成長させてほしいし、今度ワンマンあるならきちんと見たいですね。

追伸  そのlivehouseの人数って、よほどキツキツに入れないと入らないし、何度か行ったものの視点として、300は無理と感じるんですが。 

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ヒゲ・スカイウォーカー  2017, 01. 25 [Wed] 22:58

DDさん、

大作は片方にせよ両方やるにせよ、他の曲を削ることになるんでしょうね。

ポッスさ/J-POPテイストはティアーズの大きな個性の一つですから、失うことはないと信じています。あとはメタリックな部分との配分と押し引きでしょうか。

あんまりライブ回数の多いバンドではないんですが、今年は割とアクティヴに活動するような気はしてます。

ライブハウスって公称キャパよりも手前で「ソールドアウト」とすることが多いようですが、MARZは目いっぱい入れたとしても、ステージ見えないところになっちゃいますしね(笑)。300は厳しいような…。

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