Unlucky Morpheus「Black Pentagram」


Unlucky Morpheus「Black Pentagram」 (2016)

コミケっていつやってるのか、1年に何回開催してるのか知らない(調べてない)んですが、イメージでは気候的に過酷な時期にばかりやってるような気がしてるんですよね。真夏と真冬。灼熱と極寒。汗だくと凍傷(←大袈裟)。
同人音楽CDって、まずはコミケで発売されて、ほんのちょっと遅れて委託販売されるショップに並んで、物によってはまたちょっと遅れて通販で…って流れを辿るように思うんですが、まぁ夏に発売されるやつはまだいい。そのうち手に入れればいいかな、って思うので。問題は年末のコミケで発売されるものですわ。それが流通するのって年明けになりますから。コミケらない管理人が手に入れるのって翌年になりますから。
で、何で困るかって言ったら、「年間ベスト」ですわな。必然的に「手に入れたのは○○年だけど、リリースはその前年なんだよな」って状況になるので、扱いに困るんですよね。

というわけで、年末に発売されたUnlucky Morpheus(あんきも)の3曲入りシングルです。
発売日は、2016年12月29日。今年は年間ベストの公開(作成)時期が遅れているため、アップする前に間に合いました。
※年間ベストにラインクインするとは言ってない。

収録曲は、天外冬黄(ふっきー)によると「不死」「人ならざる者」「罪」というキーワードでリンクする3曲とのこと。歌詞カードを見ると、「罪」という言葉だけフォントが大きく色を変えて印刷されていますね。

タイトルトラック①Black Pentagramは、傑作「VAMPIR」(2015)の流れを汲む、暗く激烈なネオクラ調のメロスピ。歌詞のテーマはエリザベート・バートリということで、この曲も広義の吸血鬼モノと言ってよいかと思います。
楽曲の雰囲気としては最高なんだけど、メロディはいまひとつかな。声を張り上げまくるふっきーのVoと、定石を一歩も踏み外さない紫煉のGtに「はいはい、またこのタイプね」ってなる。ソロの入りなんて、あまりにもいつものインギー・タイプなんで吹き出しちゃった。まぁ新鮮味はゼロであってもスリリングだし完成度は高いし、何だかんだ言っても好きなタイプの楽曲なので興奮しちゃうんですけどね(笑)
それよりこの曲は何と言っても、森下フミヤ(ふーみん)のDrですよ。ミックス&マスタリングとDrレコーディングを手掛けたのが、あの安心印のSTUDIO PRISONERですから、最高の音響で録られておりますし、量感がありながらもビシバシと軽快にキマりまくる彼のドラミングが気持ちよく伝わってきます。

②Dead Leaves Risingはテクニカルなリフ物スピード・チューン。テーマは山田風太郎の『忍者枯葉塔九郎』。ほど暗い情念に彩られてはいないものの、凛々しさ溢れるふっきーのVoが良い。
…んですけど、この曲は縦横無尽に駆け抜けるギターがもっとイイ!! ソロが! ツインリードが! ラスサビのバックが!
キラー!!

そしてふっきーのVoが超絶胸キュンな③Violetがウチのブログ的ハイライトです。と同じ人が歌ってるとは思えんほどの表現力。
この曲、JoJoシリーズでお馴染み、荒木飛呂彦の『バオー来訪者』が題材ってだけでガッツポーズ必至なんですが、これが血沸き肉躍る系のメタル・チューンじゃなくて、哀メロ・ハードポップってのがもうバオー。まじバオー。ピアノのイントロも、「VAMPIR」や最近のライブにもゲストで参加しているJillによるViolinも、曲の切なさを増す方向にしか作用してねぇ(それが最高にバオー)。
曲の題材になった作品を読んでいるからだと思いますが、この曲の歌詞が私は一番沁みますね。だって、「遺伝子の咎」っすよ? 「傷だらけの映像(ヴィジョン)」「七年後の映像(ヴィジョン)」っすよ? 「湖底できっと 生きているから」っすよ?
「スミレ」視点の歌詞だってことが最大のポイントでしょうけど、「花が開く」という言葉を選びながら希望を託したラストの歌詞、これには鳥肌&落涙した。そういや、Voiletという曲名にも、バオーの名前の由来である「バイオ」が含まれていますね。

ふっきーの歌詞の凄さって、言葉選びのセンスや比喩の使い方や連想のさせ方、メロディへの言葉のハメ方等々、色々ありますけど、題材の取り入れ方があまり露骨じゃないところにもあるような気がしてます。元の物語(であることが多い)のあらすじや背景をそのまんま歌詞に投影するんじゃなくて、作品の核となる心情やエッセンスを巧みに掬い上げているところにこそ、強烈に魅かれます。であるからこそ、曲のイメージを必要以上に固定しないし、聴き手毎に様々な解釈が可能になる。テーマを知らないで聴いても「凄ぇ」ってなって、その後元ネタを知ることによって「あぁそうだったのか!」ってなる。
ヴォーカリストとしても大好きな人ですけど、作詞家としてもそう。いちばんすき♡


タイプの異なる3曲を収めた、充実という言葉すら生ぬるいシングル。
あんきも、脂のってるようですね。
最高に美味。

【むをおおおおお!】
③Violet
②Dead Leaves Rising


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COMMENT 2

かつ丼  2017, 02. 12 [Sun] 22:44

私はツーマンの日に買おうと思ったら
会場の道を間違えて
買えなくてネットで買いました(笑)
どれもタイプは違いますが三曲とも気に入ってます。
ふっきー最高!(勿論、他のメンバーも)
紫煉さん曰く毎月、ライブか音源のリリースが有るそうな
あんきもや他の活動も含めてなんでしょうけど(苦笑)

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ヒゲ・スカイウォーカー  2017, 02. 13 [Mon] 19:33

かつ丼さん、

楽曲のタイプに合わせてふっきーの歌唱も異なっていて良いですよね。
とてもお得なシングルだと思います。

紫煉は今のところ、3つのバンドを掛け持ちでしょうか。それにしてもなかなかアクティヴなペースですね。今までと比較すると。


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