DARK TRANQUILLITY「ATOMA」


DARK TRANQUILLITY「ATOMA」 (2016)

11th。
ジャケの色合い、好き♡

前作「CONSTRUCT」(2013)はフォワーーーーッとした雰囲気に包まれたポストロック/メタル的な方向に舵を切ったダートラいちの問題作だったと思います。そのチャレンジングな姿勢に対して一定の理解を示してはいるし、それが結実している曲もいくつか見出せたものの、個人的には今までで一番ハマらなかった作品です。
私にとってポスト○○と括られる類いのアトモスフェリックな音楽(シューゲイザーも含めてもいいかも)は、常に一定の高評価を献上できるジャンルではなくてですね、自身の体調や気分によってハマる時はハマるし受け付けない時は徹底的にムリという、著しく評価の定まらない音楽なんですね。どんなジャンルにしても、どんなに好きなアーティストの曲にしても、そういうことは多かれ少なかれあるでしょうけど、ことこのジャンルに関してはその傾向が強い。

前作でキーを握っていた人物であるような気もするJens Bogrenは引き続き関わっていますが、本作ではマスタリングのみ。ミックスはDavid Castillo、プロデュースはKey奏者のMartin Brandstrom。作詞作曲のクレジットを見ると、新加入したAnders Iwers(Ba/TIAMAT)を除いて、いつも通り全員が関わっています(作詞は全てMikael Stanne/Vo)。

方向性は前作の延長線上にあります。メロディの質感がそうだし、誰が書いた曲であれBrandstromのKeyワークが支配している点は一緒。ただ、ギター由来のアグレッションや疾走感が戻ってきていますね。以前より残響音多めのGtワークに、ファーッと覆ってくるKeyに、タイトに聴かせるリズム(これは演奏者というよりエンジニアの貢献大)、そして勿論、清濁操るMikaelのエモーショナルな美声。
過去を捨てることなく、そして現在に留まることなく、自らのサウンドをアップデートしてゆく姿勢は素晴らしい。そして結果が伴っているところがまた輪を掛けて素晴らしい。

ダートラ、進化してる。

問題作の後に、そこでの「実験」をしっかり結実させた作品を提示してくるところがさすがです。その意味では「PROJECTOR」(1999)の後の「HAVEN」(2000)のようにも感じます。音楽性のことじゃなくて、位置付けが。それと私は「CONSTRUCT」とは違って「PROJECTOR」を相当高く評価していますし。

めちゃくちゃ丁寧に作られていますね。音のレイヤーが綺麗で気持ち良い。メロディそのものが練られているし、各楽器のアンサンブルがバランス良く伝わってきます。
ただ、すげー高品質な作品だってことはアタマでは分かっているんだけど、どうも感動しません。Mikael様が歌ってるのにも関わらず。メロディをいちフレーズずつ取り出して捉えるとどれもが私好みのものであるはずなのに。緩急・動静、バラエティに富んでるアルバムのはずなのに、どの曲も同じに聞こえる。というか、聴き終えて浮かんでくる感情がどれも一緒と言った方がいいかしら。
何でや?
分からん。

私が買ったCDは2枚組の輸入盤で、ディスク2にはMikaelが終始クリーンVoで歌う2曲が収められています。①The Absolute②Time Out Of Place、共にしっとりとしたバラードで、フォワーーーッなこの方向性が最大限に生きています。特には好き。


客観性を全開にするとオススメ作。
自分の主観に素直になるとダートラにサヨナラを告げかねない大問題作。
「2016年、好きなタイプなのに何故かピンとこなかったシリーズ、パート1」ですね。
Martin Henriksson(Gt)が脱退したのはこの方向性がイヤだったんじゃないのかなぁ…とか勘ぐってしまいます…。

【お気に入り】
⑦The Pitiless
②Atoma
①Encircled
⑤Force Of Hand
ディスク2②Time Out Of Place


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