Octaviagrace@吉祥寺CRESCENDO

【 Octaviagrace One Man Live "Outward Resonance" 】 吉祥寺CRESCENDO (2016/11/26)



Octaviagrace1stフルアルバム「Outward Resonance」リリースに伴うレコ発ワンマン・ライブに行ってきました。2回目のワンマン。場所は1stワンマンと同じ、吉祥寺CRESCENDO。

定刻18:30ちょい過ぎから正味2時間弱。
前回このバンドのライブを観たのは5月でしたが、その時点からここに至るまでの伸びしろの存在、それが着実に反映されていたワンマンになっていたと思います。

音響について、終演後に「ギターが大きかった」とか「ドラムが小さかった」とか耳にしましたが、私の観ていたやや下手側では気になる点は無かったかな。確かに菩薩様(=hanako嬢)のGtの音は普段よりおっきめでしたが、逆にいつも小さめに感じていたので、結果的にはちょうど良かった。元々(下手側の)YouskeのBaはデカいしね。ま、彼のBaはただでさえ抜けてくるから、もう少し音量を落としたほうが良いと思うけど。そうしたらメンバー各々がお互いに無理矢理張り合うようなバンド・サウンドにはならないような気がする。


ここまで畳み掛ける彼らのライブは初めてではないかな。特に後半。
対バン・イベントではなくワンマンなのに、所謂“遊び”の時間は極力少なく。リズム隊のソロ・タイムはあったものの、それも短めにまとめていたので、逆にキビキビとした場面展開になったと感じられましたし。「曲を聴かせる」ということに焦点を当てたような構成ですよね。正直言って、MCタイムで曲演奏とは異なる面のエンタメを提供できるバンドではないため、この手法は正解でしょう。演る側は疲れるだろうけど。

「Outward Resonance」の感想でも触れた点ですが、タイプの異なる楽曲を交互に並べたり、毛色の異なる楽曲を間に挟んだりという手法を以って、聴き手を揺さぶってきます。そのどれもが印象的なメロディと器楽的な面白さを備えているのが強い。強い、というか、私好み。個々のメンバーのパフォーマンス、そのどれを見ればいいのか分からない、目移りするくらいの方が好きなので。

アンサンブルが怪しくなる瞬間/場面はあった。でも不思議なことに、それが「至らなさ」ではなく「ギリギリのスリル感」に転化する音楽性でもあるのがオクタヴィア。
バンドの出音がホール・クラスのそれではなく、まだまだライブハウス・サイズで鳴らす音だから、という点もあるかもしれません。ただ、会場の大きさに比例したスケールの大きな音を出すことがイコール「安定」という言葉に直結するならば、もしかしたらそういう音像は(今の)Octaviagraceに合ったものではないかもなぁ、と思ったりも。前にも触れたように、私にとっては「歪なキメラっぽさ」が魅力なのでね。で、それはこの5人のメンバーによる編成だから生まれる感覚であるように思います。それぞれの楽器間の丁々発止のやりとりをソリッドに聞かせ、実稀嬢のヴォーカルが統一された世界観でまとめ上げる。そんな方向に向かって研鑽してほしい感じ。

2時間通して感じたのは、随分とパフォーマンスがこなれてきたなぁ…ということ。
実稀嬢は随分と成長しましたね。
歌が急に上達したというより、声が上手くマイクに乗るようになってきた、抑揚や強弱が聴き手へとスムーズに伝えられるようになってきた、という感じでしょうか。1stミニ収録のHardenbergiaのブリッジは、彼女の声や歌い回しが最も魅力的に響いていると考えるパートなんですが、そこでの儚さのコントロールといいますか、曲の切ない情感を殺さず、かつ弱々しいVoだと感じさせない巧みさに驚きました。
そして同時に、だいぶフロントマンらしくなってきたと思いますね。フロアへのちょっとした言葉の投げ掛け、煽り方、曲間の繋ぎ方等のライブ進行の手腕、演奏陣へと注意を向けさせる所作…etc…、だいぶ堂々としてきた。

今まで、このバンドの演奏陣は、ある意味「それぞれの位置で黙々と自分の“仕事”をこなしている」という風に見えることがあったと思います。高度な技巧を繰り出し、バンド・サウンド全体と自身の音を調和させるのに精一杯な部分もあったかもしれません。
それがちと変わってたかな。変わっていたように見えた。もっと言うと意識的に変えてきたように見えた。Youskeは以前から(機材の関係で動けない2名を除いて)ただ独りアクティヴに動いていましたが、女性メンバー2人にもそれが伝播したような動きが見られた。歌いながら&弾きながら2人で寄り添ったり、ポジション・チェンジしたり。以前なら菩薩様が下手の下界に降臨することなんてなかったのに! しかも下手側のお立ち台に昇っとるゥ! 拝むしかないッ!(笑)
彼女のギターはやはり最高。トーン、フレーズ、左手のフォーム、弾いてる時の御姿…、完璧やんけ。テク的には完璧じゃない時もあるけど(笑)。ただまぁ、スキッピングする時の運指の美しさは格別ですわ。

“メンズノンノ系千手観音”ことKo-ichiのDrは、ライブで聴く方がずっと力強いんですよね。忙しない叩き分けとゆったりと包み込むような大らかさ、どちらも音源でのイメージに沿った形で具現化しながら、なおかつビシバシとキマってくる生の気持ち良さが添加される。バンド最速曲であるリベリオンにおいて、みんな必死の体で演奏&歌唱(演出もあったかもしれないが)している中、1人だけ涼し気な笑顔で叩いていたのにはニヤついた。この曲でも辛そうな顔しないんだ、ってw

そして、サビ裏でメロディックに抜けてくるYouskeらしいBaラインと、アンサンブルを纏め上げる要となるReanne様ぁの活躍に、「あぁコレよ、コレ」と膝を打ちつつ安心するのだ。


怒涛のライブ後半はなかなか凄かったですねぇ。Cope of midnightリベリオンalbescenceというトリプル・リアン・アタック萌えた 燃えたし、Emerging oathアザーブルーの流れによる本編締めも熱かった。


素晴らしいワンマンだったと思いますよ。
ただ、テクニック的なことよりも、もうちょっと前のめりなライブ・パフォーマンスというか、自らグイグイくる感じというか、“押し出し”の強さは欲しいような気はしますけどね。楽曲の細部への聴き込みに耐えうる緻密なアンサンブルと、ライブならではの熱。双方を両立できるようなバンドになってほしいと願います。
MCにしても、“間”をもたせられるだけのサービス精神の発露や、メンバーの人となりが浮かび上がってくるようなテンポの良いやりとりがもっと欲しいし。

何はともあれ、生まれ変わったら菩薩様ギターの指板になろうと、かたく胸に誓う吉宗であった。

<セットリスト>
01.Seal memory
02.Mr. vivid painter
03.Aurally lover
04.Naked bird
05.Spiritual dance
06.俄雨
07.Hardenbergia
08.Baソロ~Ba&Drセッション
09.Cope of midnight
10.リベリオン
11.albescence
12.starlit ending
13.ラストノスタルジア
14.ロストモラトリアム
15.white graffiti
16.Emerging oath
17.アザーブルー

ENCORE
18.Dramatic Quiet


来場者特典として、「Outward Resonance」の各曲についてメンバー5人がそれぞれコメントしたセルフ・ライナー・ノーツを貰えたんですが、これがレイアウトといい印刷といいとても丁寧に作られており、嬉しくなっちまいました。こういうちょっとした気配りによって、作品がより大事なものになってゆくという“仕掛け”。これがめっちゃ良いですね。


あ、そうそう。
アンコールで新グッズのTシャツに着替えてきた実稀嬢について、アイドルみたいとの声がありましたが、同じくTシャツ姿の菩薩様は弓道部員に見えたことを言い添えておきます(笑)


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