兀突骨「兵ドモガ夢ノ跡 -Where Warriors Once Dreamed a Dream」

兀突骨_兵ドモガ夢ノ跡
兀突骨「兵ドモガ夢ノ跡 -Where Warriors Once Dreamed a Dream」 (2016)

「川越の残虐王」こと、国産デスメタル/デスラッシュ・バンド、兀突骨(Gotsu-Totsu-Kotsu)の4thアルバム。
前作「因果応報」(2015)から引き続きの強力なメンバー編成、高畑治央(Ba&Vo)+円城寺慶一(Gt)+秋田浩樹(Dr)で制作されています。同じ布陣で2作続くのはバンドとして初めてのことだそうな。

同じメンバーで作られたゆえか、延長線上にある作風ですね。傑作だった前作と比べても甲乙付けがたい出来かと思います。
器楽的な面白さはさらに突き詰められています。トレードマークである高畑のスラップ・ベースのフィーチャー度合いはより大きくなり、円城寺と秋田の持ち味であるシャープでキレのあるプレイと一丸となった突進力は抜群。持ち前のリズムチェンジの巧さとドラマ性に満ちた曲作りの魅力はそのままに、メタル者ならストレートに熱くなれるフレーズが随所で派手にキマります。それによって攻撃性アップ、より激しく烈しい作風になっているように感じられます。
Shrapnel系の最高に派手で技巧的なGtプレイが炸裂する②争乱ノ死地ヘ③飢餓ノ恐怖⑧死中求活⑩武名⑪疾風ノ如クあたりは堪りません。って、それ以外の曲もほとんどそうですが。ギタースキーにとって、円城寺のギター・ヒーローっぷりはほんと眩しい。

反面、歌メロに関しては前作の方がキャッチーだったような気がしますね。「キャッチー」と言っても、全編歌詞が聴き取りにくいグロゥル/シャウト・スタイルだし、あくまでブルータルなデスメタルですので限度がありますが、それでもスッと耳に入ってくるフレーズが大きかったのが前作。そう感じるのは、本作に早口Voの曲が多いせいかもしれません。
最もキャッチーなのは⑦血塗ラレタ旅路でしょうか。ファストな曲が多い中、一際オールドスクールなノリの良さが映える曲で、オーオオーのコーラスや歌い上げるようなGtメロディも含めて、フックの塊ですね。

ベースによるインスト小曲⑥別レノ子守唄(アコギかと思った)を挟んでA面B面に分かれるような構成、そしてそれぞれがエピカルな大作で締めくくられるところも◎。兀突骨といえば大作というイメージもあるかもしれませんが(少なくともオイラにはあるんだ)、共に8分超えのその2曲がまた素晴らしい出来です。
⑤兵ドモガ夢ノ跡は途中5分過ぎからのメタリ感(=METALLICAっぽさ)全開なセクションにニヤリとさせられつつ、そこがフックになってますし、前作収録の是非ニ及バズに通じる総力戦の如き壮大なドラマ性を持つキラー・チューン⑫見果テヌ夢の展開美はもう完璧。


デスメタルの暴虐性、曲作りの巧さ、緊張感の醸成方法、ヒロイックな美旋律、“滅びゆく者への美学”を題に取ったことで生まれるリリシズム、そしてそれら組み合わせによる圧倒的個性を備えた傑作。
前作と同等か、それ以上かも。

【お気に入り】
⑫見果テヌ夢
⑪疾風ノ如ク
③飢餓ノ恐怖
⑤兵ドモガ夢ノ跡
⑧死中求活
⑦血塗ラレタ旅路
②争乱ノ死地ヘ MVは → コチラ。


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COMMENT 2

かつ丼  2017, 01. 15 [Sun] 20:53

だいぶ遅くはありますが
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
兀突骨は前作も好きですけど
(かっちり過ぎる気がする以外は)
今作は個人的にそのハードルを
軽く超えましたね
同じメンバーで製作したからか
器楽的な一体感が凄まじいですね
あとライブで争乱ノ死地を
観たからでしょうけど
ライブが脳内再生されて
更に作品にのめり込めました。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2017, 01. 16 [Mon] 20:53

かつ丼さん、

こちらこそ今年も宜しくお願いいたしますm(__)m

仰る通り、前作の方が整合感みたいなものはあったかもしれませんね。
ライブは前メンバーの時に一度観ただけで、その後何度か機会喪失してるので、現行のラインナップでまた観てみたいです。

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