月村了衛『黒警 (こくけい)』

月村了衛_黒警
月村了衛『黒警 (こくけい)』 (朝日文庫)

月村了衛のノン・シリーズの刑事モノ、『黒警』を読みました。

街で女を見捨てた警視庁組織犯罪対策部の沢渡と、行きずりの女の命を救った滝本組の幹部ヤクザ・波多野。腐れ縁の2人の前に、女を助けたい中国黒社会の新興勢力「義水盟」の沈が現れる。3人の運命が重なる時、警察内部の黒く深い闇が蠢きだす……。

面白いぞこれ。


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
 ↓


長編というより中編といいたいくらいの長さで、コンパクトにまとまっておりサクッと読むことができます。おまけに伏線回収が異様に上手いから、読後感がとても良いです。シュッと気持ちいいくらいに収斂するのは、クライマックスの切れ味があってこそで、その箇所では思わず感嘆の溜め息ついちゃいましたね。いやぁ見事です。

主人公の沢渡のキャラ設定がカッコ良くないのがいいねぇ。でも時々かっこよさが覗くの。その塩梅が絶妙で、矜持と怠惰を行き来する描写がめっちゃ◎。
そりゃあ生きてりゃ山あり谷あり、劇的なことも平凡な日常も混在しているわけで、ピリピリと緊張感漂う場面だけではなくて、滑稽な部分もチラッと見せることで読者の共感を得る、作者のその手法が憎いほどに巧いんですよね。さすがです。

あぁ面白かった。


スポンサーサイト

COMMENT 0