DGM「THE PASSAGE」


DGM「THE PASSAGE」 (2016)

イタリアのプログレメタル・バンドの9thアルバム。Frontiers Recordsに移籍してのリリースです。
ここ3作はメンバー交代なしで制作されており、バンドは安定期に入ってるような感じもありますね。

内容の方も安定。しかも高レベルで。こりゃあファンにとっては理想的な仕上がりじゃないですかね。
方向性は、素晴らしい出来栄えだった前作「momentum」(2013)を順当に受け継ぐものです。相変わらず想像力を喚起しにくい、そっけなさ過ぎるアルバム・タイトルと曲名がやや残念ですが、まぁそういうバンドなんだと諦めるとします。音楽的には、なんかもう洗練の極みっすよ、メロハー・テイストのプログレメタル路線としては。

鋼鉄学園プログレ組(担任:ミドリムシ先生)で言うと、学級委員長がDGM、番張ってるのがSYMPHONY X、みたいな、そんな「陰と陽」っぽい感じもあります。SYMPHONY Xを太陽の下に引きずり出したような、優等生感。すこぶる成績優秀ですよ、DGM君は。先生の覚えもめでたい。
かどうかは知らんが。

全体的なムードは爽やかで明るくはあれど、決して軟弱とは言わせない重心の低さやガッツィーな頼もしさがあって、HR/HM的満足度も高いです。技巧面に着目(着耳?)しても楽しめるし、歌メロだけ聴いてても心地良いしって、こりゃあ反則。
Mark Basile(Vo)は熱唱する様が板に付いてる逸材ですが、同時に不思議と爽やかさも感じさせる歌唱を全編で披露しており、実に素晴らしいですね。ヴォーカルから引き継いだパワフルさと清涼感を、インスト・パートで泣きをプラスさせて展開させてゆく様子が、またツボをビシバシと突いてくるんだよなぁ。GtとKeyによるメロディが、時に代わりばんこに、時に一緒になって紡ぐ間奏 is やばしやばし。この、ヴォーカル⇔演奏のバトンパスの仕方とバランスが良好な為、どちらに偏重することもないんですよね。

組曲形式になった①The Secret (Part 1)②The Secret (Part 2)がいきなりのハイライト。上に記した、このバンドの魅力の見本市状態です。めくるめくメロディ展開に聞き惚れているうちに、あっという間に過ぎる15分40秒。
この2曲のインパクトが大きいので、相対的にそれ以降の楽曲は弱まって感じてしまいますけどね。歌メロのせよリフにせよ間奏にせよ、どの曲にもオッ!と思う箇所はありますが。

先ほどSYMPHONY Xを例に出しましたが、そのリーダーであるMichael Romeo(Gt)が⑩Dogmaでゲスト参加しており、まるで学園に降りかかった困難に際して普段は反目する2人、学級委員長と番長が「とりあえず、今は休戦だな!」とばかりにガッチリと漢の握手を交わすイメージが思い浮かびます(浮かばない)。そのがゴリゴリのシンフォX的なリフを持つスリリングな良曲で、アルバム後半はこの曲が無かったらだいぶ印象が異なったはず。2段構えのサビメロがしっかりとDGM印なのがまたサイコー。


前作と同じくらいのお気に入り度。充実作です。
欠点を挙げると、「難点を挙げるとすると、似たようなトーンの歌メロが多いからか、曲毎の個性が浮き彫りになりにくいことかな。」という、前作で書いたこととまるで同じになりますけどね(苦笑)

【お気に入り】
②The Secret (Part 2)
①The Secret (Part 1)
⑩Dogma

特にこの3曲かな。


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COMMENT 2

DD  2016, 11. 03 [Thu] 19:40

 買ってみて聴きましたが、確かに演奏能力は高いし、Symphony X等聴いてる方にはお勧めできる作品ではありますね。

 1曲目が大作の作品はいくつか持ってますが、よほどの自信がないと、こういうのはできないし、品質はわかりやすいのでは。

 歌メロに関しては、あまり変わりすぎると、アバンギャルドっぽくなるし、しあk多ないのでは、live経験等通して改善する等しかないはず。

 こんな感じです。

お気に入り  1,4,9,11

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ヒゲ・スカイウォーカー  2016, 11. 05 [Sat] 20:02

DDさん、

歌メロや雰囲気が似通っているというのは、既に高品質な楽曲が揃っているからこその感想だったりするので、贅沢と言えば贅沢ですね。もっとストーリーを感じさせるような詞世界があると、改善されるような気もしますが。

いずれにせよ、ライブが楽しみです。

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