e:cho「l'oiseau bleu」


e:cho「l'oiseau bleu」 (2016)

仙台を拠点にしているんだけどどうもメンバー全員がそちらの方に住んでいるわけではなさそうな女性Voロック・バンドe:choの、何枚目かよく分からないアルバム。イントロSE的役割を果たす①the birthday song for B.B.を含む、8曲入り。
幻想的でちょっと不気味でちょっと可愛いアートワークにもみられるように、「l'oiseau bleu」というのは青い鳥のことを指すそうです(フランス語)。

元々、Voと演奏、双方のバランスがとても良いバンドという認識がありますが、本作ではかなりHaruka(Vo)の歌唱力を生かした作風に振ってきたように感じました。「振ってきた」というか、彼女の活躍が目立つってことかな。本作と同じくBlack-listed Recordsからリリースした再録ベスト盤「Ricostruzione」(2014)から方向性は変わっていないものの、微妙な塩梅が異なるというか。

パラフル&ポジティヴな②Stand Up!!や、ロック感全開のハード・チューン⑦Identityあたりで分かり易く押し出されているところですが、とにかく力強いヴォーカルなんですよね。男勝りとかガッツィーって感じじゃないんだけど、力強い。その「力強さ」っていうのは、豊かな声量や発声の仕方というテクニカル面のこともそうなんですが、彼女自身が書いた歌詞の言葉選びも含めて、迷いの無さや確信が声に乗っているように感じるという点もそう。

④VOICEでのヴォーカル・パフォーマンスは正に圧巻ですね。シンフォとバンド演奏が複雑に交錯する忙しい曲で、Gtソロの伸びやかさも大きな聴き処だったりするんですが、やはり肝はHarukaの歌唱。譜割りが細かくアップダウンも激しいというめちゃくちゃ難易度高そうなメロディ・ラインなのに、苦悶の表情ではなくあくまで溌剌と歌い切るHarukaねーさん最強説。
③ブルーデイジーで“歌のお姉さん”的なハキハキ歌唱を聞かせたと思いきや、⑤追想⑥茜色という感触が異なるバラード・タイプでは大らかさと優しさを感じさせる。から先述のへ続くところなんて、その落差(というか上昇差?)からか、同じ人が歌ってるように思えないほどなんですけど、どっちもHaruka印がしっかり押された歌唱であることも事実。
お見事です。

Vo以外の特徴としては重めのシンフォ・サウンドを大フィーチャーしているところでしょうか。それによってバラードでもヘヴィな感触があるし。バンドに専任Key奏者はおらず、全作曲を手掛けるY.O.U.(Ba&Key)が担当している部分ですね。彼、ライブを観ると圧倒的にベーシストとしてのイメージが定着しているんですが、こと音源に関して言うと、Baよりもシンフォニックな味付けのKeyの方が目立っていたりもします。Baも大活躍してはいるんですけど、それでも、ね。因みに彼のベース・プレイは、難しいことをやっているのかもしれないけどそうは聞こえないくらいめちゃくちゃ巧い、って感じ。


J-POPというにはやたら力強くてキメが多いし、ハードロックというには煌びやか過ぎる。
そんな独特のポジション、というか収まりの悪さを感じさせるe:choですが(笑)、今回もセンス溢れる流石の出来。長過ぎないアルバムの尺もあって、聴き易いです。

なんでも2017年春には次のアルバムが出るとか…、、

【お気に入り】
⑦Identity
④VOICE
③ブルーデイジー
⑧NEW HORIZON


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