GALNERYUS「THE SENSE OF OUR LIVES」


GALNERYUS「THE SENSE OF OUR LIVES」 (2016)

国産テクニカル・メロディック・メタル・バンド、GALNERYUSの10作目にして、初のコンセプト作となった「UNDER THE FORCE OF COURAGE」(2015)。同作の(音楽的な)完成度の高さは格別で、ウチのブログでも年間ベスト記事の中で選びました。→コチラ。
本作はそのコンセプト作に伴うツアーのファイナル、豊洲PIT公演を収めた映像作品です。Jun-ichi(Dr)を擁するラインナップの最後の作品でもあります。私が買ったのはDVD2枚組。1枚目にファイナルのライブを丸々、2枚目に香港と台北と名古屋公演のダイジェストを収録。Disc2は、Disc1に比べればオマケみたいなものですけど、それぞれ30分ほどのダイジェストが3つ入ってますので、ヴォリュームとしてはなかなか。

さて、お目当てのDisc1ですが、ショウは本編が2部構成、それにプラスしてアンコ-ルとなっています。本編1部は「UNDER THE FORCE OF COURAGE」の完全再現、2部が代表曲を中心にした構成。

天吊りカメラの守備範囲の問題か、映し方のせいか、フロア後方部分がどれほどの広さなのか定かではない(管理人はこの会場行ったことないの)ですが、豊洲PITデカいですね。ステージ後方にはスクリーンがあり、イメージ映像や歌詞やCDジャケを映し出します。セットは機材だけのそっけないものですが、ステージ真ん中からフロアに向かって花道がせり出しています。花道は、完全再現に集中するためか1部ではそれほど使われず、本領発揮は2部とアンコールでした。

とりあえず現時点でのこのバンドの映像作品としてはベスト、決定盤的なものではないでしょうかね。アルバム完全再現部分がメインとはいえ、2部~アンコールにかけての選曲もツボを得たものですし、バンドのパフォーマンスはいつも通り素晴らしいし、Jun-ichi最後の雄姿を収めた作品として、キャリアの“区切り”となる作品でもある。彼のキビキビとしたDrは、やはりサイコーです。

「UNDER THE FORCE OF COURAGE」はスムーズな流れを持ち、曲の配置に必然性を備えたアルバムですから、完全再現部の全てが見どころと言ってよいかと思いますが、強いて言えばハイライトはラストのTHE FORCE OF COURAGE
感情の高まりが頂点に達するラスサビでむをおおおおお!ってなりかけるが、そこでフロアから掲げられてる扇子に気づいて一気に萎えるのが大きなポイント。
、、、、、っていうかさ、自分で言っといてなんだけど「大きなポイント」どころじゃないよコレ。「扇子はねぇだろ扇子はァ!ガルネリなら拳か、せめてフラッグだろーっ!!」ってムカッとキて、観ながら一人ツッコんでました。いや、一歩譲って扇子掲げるのはいいけど、編集でカットしろよなー。アルバムの世界観が台無しだよ。
この汚点のせいで冷めてしまい、CDほど感動できなかったのは残念極まりないです。あと、スクリーンに映し出される映像が曲と合っていないところがチラホラあったのも気になりました。とはいえ、過度に演出に頼らず、バンドの地力で以って黙らせるのがガルネリらしいところだとは感じますけどね。

先に述べたようにバンドは素晴らしいのです。
1部の喋らない小野“SHO”正利(Vo)はサイコーです(笑)。いや生で観る分にはぺちゃくちゃ喋ってもらっても一向に構わないんですが(いや…、ちょっとはかまうかw)、完全再現に和み系MCはノーサンキュー。本音を言えば、「トーキョー!」とか曲名コールとか煽りも要らないくらい。相変わらず歌詞は聞き取れないし、後半は疲れが見えるしお客さんに歌わせ過ぎだとも思うけれど、全体的に調子は良かったように感じます。特にマイクを上気味に逸らしてのハイトーンの突き抜けっぷりはすげぇ。

ガルネリのライブを観ると、音源を聴くと、いつも再確認するのはSyu(Gt)の卓抜さですよね。普段から(他の)巧いギタリストを観て聴いていても、改めて感銘を受けるその凄み。
彼って、根っこ(=ルーツ)は古いところにあるタイプのギタリストだと思うんですよね。「だと思う」というより、まず間違いなくそうですよね。場面展開の鮮やかなプレイとか、前屈みになって演奏してる絵面なんてますますシェンカーっぽくなってきたなとか感じたりも。Vシェイプのギターに替えてるからってだけじゃないと思う。
古い気質の、所謂「顔で弾くタイプのギタリスト」であり、感情が指先からそのまんま音に直結しちゃうようなプレイを奏でながらも、それを支えるのが現代的な技巧であるというのがポイントでしょうか。最終的には、感情表現の巧みさと技術の高さ、その双方のバランスがめちゃくちゃ良いギタリストという評価に落ち着きますね。そしてそれが自分の理想のギタリスト像に非常に近い。ヘドバンしながら、アヘ顔で恍惚となりながら(めっちゃ褒めてる)、なんでそんなテクニカルなフレーズをバシバシ決められるの!?っていう。バラードATTITUDE TO LIFEでのGtプレイは後半のハイライトではないかな。また、Gt的に美味しい瞬間はちゃんとSyuを映してくれている編集もGJ!

感情表現と技巧のバランスの良さっていうのは、Syuだけでなく、ガルネリもう一人のキーマンであるYUHKI(Key)も同様。そして根っこが古いってのも一緒ですね。というか今どきこんな要塞のような鍵盤群に囲まれるなんて、オールドタイプに決まってるわ(笑)。
そんな2人のブレーンを中心にした演奏陣のアンサンブルは、凄まじく技巧的ではあっても淡々とせず、スリルと熱に結びつけることができるという稀有なもの。オノネリウス時代はその「熱」の部分が若干薄らいだと思うんですけど、それが戻ってきていると感じさせてくれたのが、このアルバム「UNDER THE FORCE OF COURAGE」でしたから。バンドが予想していたよりも重い音を出していたこと、あとは神の二の腕を持つTAKAのBaがクリアに聞き取れるのも良かった点ですね。あとTAKAさん、1部での長衣のような衣装が◎。

このバンドの音楽はヴィジュアル喚起力がそれほど強くないと感じていて、その原因は歌詞とヴォーカリストの資質に依るところが大きいと思ってるんですけど、それは置いといても、個々のメンバーの実力が合わさって音楽的に練りあがってゆく様がただただ素晴らしいですね。一発で注意を引き付けるのはこのバンドの技巧面だったりしますけど、ただテクニカルな部分をひけらかしてるだけじゃなくて、そこにガルネリの音楽を形作る上での必然性があるのがいい。惚れ惚れするわ。
聴き応え抜群、素晴らしい作品です。
扇子を除いて。


Chapter I
01.PREMONITION (SE)
02.THE TIME BEFORE DAWN
03.RAISE MY SWORD
04.THE VOICE OF GRIEVOUS CRY
05.RAIN OF TEARS
06.REWARD FOR BETRAYAL
07.SOUL OF THE FIELD
08.CHAIN OF DISTRESS
09.THE FORCE OF COURAGE

Chapter II
10.STRUGGLE FOR THE FREEDOM FLAG
11.THERE'S NO ESCAPE
12.POINT OF NO RETURN
13.QUIET WISH
14.- MC -
15.ATTITUDE TO LIFE
16.ACROSS THE RAINBOW
17.THE PROMISED FLAG

ENCORE1
18.DESTINY

ENCORE2
19.RAY OF LIGHT (SE)
20.SILENT REVELATION
21.- Finale -


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