『 MICHAEL SCHENKER FEST 』@東京国際フォーラム ホールA

『 MICHAEL SCHENKER FEST 』 東京国際フォーラム ホールA (2016/8/24)



歴代MSGのヴォーカリスト3名をフィーチャーした、『MICHAEL SCHENKER FEST』に行ってきました。

会場に入って周りを見渡すと、聖飢魔Ⅱで来た時よりも妙に会場がバカデカく感じて、特別な趣向のライブとはいえ国際フォーラムのホールAを埋めるなんてものすげーなと、改めて驚かされます。根強い神人気。
友人が一緒に取ってくれたチケットは、1階下手側の20ちょい列。前過ぎず、せり出した2階部分にも被っておらず、音響的には有利な位置だったと思います。適度な傾斜でステ-ジも観やすかったですしね。
ステージ上は、↑の画像の巨大なバックドロップが後方に、マーシャルの壁がドラム台を挟み込むようにズラリと並ぶセット。「M」の字をバンドロゴにした看板みたいのがあったくらいで、あとは全~部、機材。機材。機材。そっけないセットだと言えばそうですが、まぁそんなに演出面での華々しさを期待しちゃいない客層でもあるのかしら。

来日メンバーを列記しておきます。
 Michael Schenker (Gt)
 Gary Barden (Vo)
 Graham Bonnet (Vo)
 Robin McAuley (Vo)
 Chris Glen (Ba)
 Ted McKenna (Dr)
 Steve Mann (Gt&Key)


生ichael Schenkerを観るのは2回目です。
前回は2010年、Simon Phillips(Dr)とNeil Murray(Ba)という美味し過ぎるリズム隊で来日した時(VoはGary Barden)。場所は中野サンプラザでした。
MSGで観るとしたら考え得る限り最強であろう2人(特にSimonね)が揃ったステージを観てしまった私は大いに満足してしまい、その後のシェンカー・ライブには足を運ばずじまいでした。それ以降の来日時(2012、2014、2015年)のドラマーはHerman Rarebellだったんですけど、Simonのシャープなプレイを観た後に彼のもっさりとしたドラムは聴かなくてもいいかな、という気持ちも正直ありましたし。

今回のこのスペシャル・イベント、情報解禁時の記事で書いたように、私の最大の目当てはRobin McAuleyの歌唱と、McAULEY SCHENKER GROUPの楽曲でした。あとは、Graham Bonnetを観るのも初めてでしたし、DrがTed McKennaというのも楽しみな点でしたね。


定刻ちょっと過ぎ、まもなく始まる空気を察して、客電が落ちる前から総立ち状態の国際フォーラムでしたが、ニット帽を被った近年お馴染みの格好の主役・Michaelが登場すると、オッサン・オーディエンス・ヴォイスがさらに高まる。
ネ申自ら準備はいいか!?の煽りをかました後、インストInto The Arenaからスタート。あらかじめ前日の大阪公演のセトリをチラ見、いやガン見してたんですが、それと同じ構成でしたね。違いはCry For The Nationsがプレイされて1曲多かったことと、その前後の曲順が入れ替わっていたことくらいでしょうか。
この日はDVD撮影用にカメラが入ってましたが、ソレ向けの特殊な演出は無し。パイロとか紙吹雪/紙テープ等も無し。バンドの演奏と照明のみ。

音はとても良かったです。全体のまとまり、各楽器の分離、共に申し分なし。
デブ極まりない容姿のChris Glenはステージのほぼ中央にデンと居座って(Michaelは上手側だから。あと、座ってはいないけど)、存在感と体積が正比例。別に動き回るでもなく普通に弾いてるだけなんだけど、立ち位置とスタイリッシュなギター2人(Michael&Steve)との対比によってやたら目が行っちゃうんだ。音は結構ブリブリゴリゴリ。TedのDrと合わせて、「的確」といった印象のリズム隊でした。派手じゃないけど安心して聞ける。
下手側、Steveは、前回観たWayne Findlayと同じ役割で、リズムギターと時々キーボード。MSGの楽曲では要所々々でポイントとなるフレーズを担当するKeyですが、これもほどよい音量でクリアに聞き取れました。Coast To Coastのメインテーマ・メロでは、タメ気味の神のプレイにハーモニーGtを合わせるのに苦労しているような気もしましたが…。

で、主役のMichael。とってもご機嫌ですね。終始ニッコニコで動き回り、前方のファンへのサービスも旺盛。
オシ○コ我慢してるような前屈みの姿勢でフライングVを内股挟みしてる姿は、冷静に考えるとカッコイイもんじゃないはずですが、こんな格好して弾く人はこの人しかいないゆえに、何故か輝いて見える。中腰気味でヒョコヒョコと動き回る様子も、冷静に考えるとカッコイイもんじゃないはずですが、こんな格好して弾く人はこの人しか(ry
肝心のプレイは、めっちゃ冴え渡っています。Uli Jon Rothもそうですけど、衰えとは全く無縁の存在に思えてきます。指先の動きだけ見てたら年齢不詳ですわな。でも、ライブ途中でステージから降りちゃったりという“不安定”な時期もあったことを考えると、ここ数年(十年?)の充実っぷりは奇跡のようなもんかもしれません。で、書きながら調べてたら、神と仙人、同い年だって知ってビックリ!(生年は1年違いの12月と1月生まれ) えっ!? イメージ的にUliの方が全然ジジイ 年長っぽいのに!(笑)

GibsonからDEANのフライングVに持ち代えて久しい神様。リフこそ、甘くウォームなGibsonのVよりハッキリクッキリした現代的な音だったように感じましたが、ソロの煌めきときたらギター弾きじゃない身にとっては関係のない素晴らしさでしたよ。やっぱり機材の違いよりその指から奏でられる個性の方が圧倒的に強いわけでして、まったく不満はありませんでした。むしろI'm in 天界。Michaelのギター・サウンドって刺々しくないんですよね。「ハードロック」してるんだけど、耳に優しい音。
全体的には、神のギター、そしてヴォーカルという、このバンドの聴き処がちゃんとアピールされたアンサンブルだったと思います。邪魔に感じる要素が無く、聴いていてストレスを感じることが極めて少ない、曲に集中できる音像でした。
とても心地良い。


MSGの歴史を辿るかの如く、ヴォーカリストはGary Barden → Graham Bonnet → Robin McAuleyという順番で、自分のレパートリーを数曲ずつ歌ってゆくんですが、時代で分けられたそれぞれの「セクション」をインスト曲で繋ぐという構成が良かったですね。インストを演奏して → Michaelが次のヴォーカリストの名前をコールして呼び込むっていう流れは実に分かり易かったし、ショウ全体にメリハリが生まれていました。観る側としても、インストが挟まれることによって気持ちが切り替わるので、新鮮な気持ちで次のヴォーカリストのパフォーマンスに集中できるのよね。

愛すべきGaryはいつも通り。というか、前回と同じ。
パブで飲んでいたオッサンをそのままステ-ジに連れてきたようなスター性の無さと親しみやすさの同居。マイクを客席に向ける頻度が多過ぎなのも、歌唱がヨレヨレなのも、ご機嫌でステージを闊歩するのも想定内。比類なき弱々しさを期待していたAttack Of The Mad Axeman「Time after time~」のセクションでは、だいぶキーを下げていてあんまり面白く無かった点が残念でしたけどね。
Voのグダグダっぷりはさておき、Gary時代の人気は高く会場は大盛り上がりでしたし、私もとても楽しめました。壮絶な泣きっぷりを放つLet Sleeping Dogs Lieのエンド・ソロ・パートでは、Michaelのギターに聞き惚れたいのにGaryは素っ頓狂なスキャットで邪魔をしやがるので、オイオイって突っ込みたくなりましたがw

初のGraham Bonnetは、正に衝撃。
Michaelの紹介に劇的なAssault Attackのイントロが被さるように鳴り響いての登場は、えらくカッコ良くて鳥肌が立ってしまいましたが、それ以降は「カッコイイ」というより見ていて笑いを堪えるのに精一杯って感じ。
Grahamと言えば、やたらめったら大口を開けて歌うとか、どんどん服を脱いでいってしまいには上半身裸になっちゃうだとか、ステージ上で三点倒立をやり始めるだとかっていう、数々の伝説を耳にしていた人物。Assault Attackの後、上着を脱いだ時には「行け!そのままワイシャツもイけ!」なんて思いましたが(笑)、わずか3曲の出番でそれ以上脱衣することはありませんでした。
ただ、大口開けて歌うのは、伝承の通り!
すげぇ!

そんな、上下方向にも横方向にもできる限り口をデカく開けるのが目的みたいな歌い方で、どうして歌詞をちゃんと発音できる(してないのか?)のか全くもって不思議ですが、ほんとにデカい。しかもステージに対して横を向いて歌うことが多いので、そのビッグマウスっぷり(?)が客席からはっきりと分かるんですよね。マイクが獲物で、今にもそれを飲み込まんとする大蛇のような様相ですよ、こりゃ。肝心の歌唱自体は、調子っぱずれなところも多かったです。ただ、そんな粗を感じさせないくらいのインパクトがあったので…(苦笑)。あと、ここぞという時の声の太さと声量は凄まじかったですね。その声の存在感が活きたDesert SongがGrahamパートのハイライトかな。
そして立ち止まったら死ぬと言わんばかりの勢いで、ヨレヨレ&ダルダルになったネクタイを翻らせながらステージを右往左往しつつ、バンド・メンバー全員と絡む様子が最高。ちょっとは落ち着けッ!ww
Grahamって、掌大きくないですか? あと腕が長くないですか? やたらと目立つその両手両腕をブンブン振りながらはしゃぎ回る様子は、なんかの類人猿的な、幼稚園児のような、そんな無垢さが全開で、問答無用で好きにならざるを得ない。とにかく一瞬一瞬、一生懸命なんですよね。しかしながら、カッコイイか、ロック・ミュージシャンとしてのオーラがあるかって言ったら否定するほかなく(笑)、そりゃRAINBOWをクビになるのも理解できる。ミュージシャンというよりコメディアンっぽいもん。
パッツンパッツンのスーツにグラサンっていう格好はイメージ通りだったけど、その大口具合、そして奇妙奇天烈な動きと全身全霊でのパフォーマンスは予想を遥かに超えていたと言うほかなく、私は正直、感銘を受けましたよ。
今後の人生の中で辛くなった時には、この日のGrahamのパフォーマンスを思い出してみよう。きっと笑顔になれる。ニヤニヤと。
元気をくれるGraham。
グラハムはアイドル。

Robin McAuley。
パブにいるオッサン→コメディアンと繋がれたバトンが、ここでようやくミュージシャンらしいフロントマンに渡りました。
黒と銀鋲の衣装も、当時ほどじゃないとはいえボワンとした髪型も、マイク・スタンドを巧みに操るパフォーマンスも、落ち着いて会場全体を掌握するような仕草も、何もかも80年代からそのままタイムスリップしてきたフロントマンのそれです。フレンドリーな雰囲気を放ちつつも、ロック・ミュージシャンとしてのかっこよさを体現してる。
歌唱も素晴らしかったですね。CDで聴いていたイメージそのまんまだったし、安定感という点では、他の2人は勝負にならんですよ(笑)
McAuley時代のMSGの音楽はポップでアメリカ~ンな明るさを伴ったものとのイメージが強く、実際This Is My Heartと.Love Is Not A Gameはそういうアリーナ・ロック的スケール感のある楽曲と、それに準じたパフォーマンスでしたが、本公演の白眉となるであろう(断言)名曲Save Yourselfだけは様相がガラッと異なりました。
ショウ冒頭からずっとハードロックだったけど、これはメタル。スピード感、ノリ、楽曲が放つ緊張感が全く異なりましたね。これまでは的確で見事なドラミングを聞かせていたTedですが、この曲に関してはモタってるように感じられました。合ってないんだな。もっとガッツンガッツン拍車掛けてッ!って、Tedに無言の声援を送ってましたよ。それはともあれ、MSGで2番目に好きなこの曲(1番はLooking For Loveね)の生演奏は嬉しく、特に切羽詰った様なエンドGtソロの凄みには、呼吸するのも忘れてたような気がします。

3人のヴォーカリストの中ではRobinの出番が一番長く、持ち曲の後にもUFO曲を2曲やって本編終了。
そうなんですよね、歴代MSGのVoをフィーチャーしていても、『マイケル・シェンカー・グループ・フェスト』じゃなくて『マイケル・シェンカー・フェスト』なんですよね、そういえば。マッコーリー曲をもっと聴きたかったってのはありますけど、そりゃUFOの曲も外せませんわな。やれば思いっきり盛り上がるし。
アンコールは大合唱の医者医者で締め。しっかし、Grahamがステージにいるってだけで笑いがこみ上げてくるのはなんなんだコレww


ここ最近のMichaelの調子や評判を鑑みると、最高のプレイをしてくれるであろうことは織り込み済みでしたが、Grahamのインパクトの大きさ、それとRobinの歌唱&ステージングが、棚ボタというレベルを遥かに超えてサイコーでした。楽しかった!!
会場ちょっと小さくなってもいいから、RobinをメインVoにしたツアーで戻ってきてほしいな。彼なら他の時代の曲も歌えるでしょうし。

<セットリスト>
01.Into The Arena

【 Vo : Gary Barden 】
02.Attack Of The Mad Axeman
03.Victim Of Illusion
04.Cry For The Nations
05.Let Sleeping Dogs Lie
06.Armed And Ready

07.Coast To Coast (SCORPIONSカヴァー)

【 Vo : Graham Bonnet 】
08.Assault Attack
09.Desert Song
10.Dancer (Cho : Robin & Gary)

11.Captain Nemo

【 Vo : Robin McAuley 】
12.This Is My Heart
13.Save Yourself
14.Love Is Not A Game
15.Shoot Shoot (UFOカヴァー)
16.Rock Bottom (UFOカヴァー)

ENCORE
【 Vo : Gary & Graham & Robin 】
17.Doctor Doctor (UFOカヴァー)


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COMMENT 2

グラハムボネ太郎  2016, 08. 28 [Sun] 04:32

大口(笑)

正直言って歌ってる姿は全く(?)かっこよくないですからね(笑)
ただ、その代りの声が凄すぎるからグラハムはたまらんのです!
あんなボーカルは二度と現れないでしょうね!
ライブに行けて羨ましいです。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2016, 08. 29 [Mon] 20:10

グラハムボネ太郎さん、

歌は凄くなかったけど(笑)、声は凄かったです。
あと表情とか仕草とかも凄かったです(笑)
今回は曲数少なかったですけど、あの歌い方でフルスケールのライブもつんでしょうかw

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