eleanor「Celestial Nocturne」


eleanor「Celestial Nocturne」 (2016)

大阪出身のゴシック・メタル/メランコリック・メタル・バンド、eleanorの3rdアルバム。
ジャケいいね。

1stと2ndはBlack-listed recordsから出ていましたが、この3rdではRUBICON MUSICに移籍しています。マスタリングを手掛けているのが、LEAVES' EYESATROCITYのAlexander Krullという、なかなかの豪華制作環境。そのおかげかどうか分かりませんが、しっかりと締まって、音のレイヤーが綺麗に収められた音に仕上がっています。ま、かなり時間を掛けて仕上げられた作品のようなので、マスタリング以前の段階で相当研磨されてるとは思いますが。

「ゴシック」というとヨーロピアンなセンスの元に築かれた音楽性を連想します。彼らにも勿論、そういう面が大いにありますし、特に北欧、例を挙げるとSWALLOW THE SUNDRACONIANに通じる暗さや耽美を感じとることができそうです。
ただこのバンドの場合、同時に、日本情緒も強く感じますし、曲によってはアジアン・テイストもある。メインVoが女性で、かつそのShiori Vitus(Vo)の歌唱がソプラノやハイトーン主体のスタイルではないこと、そしてShioriに加えて、時にはJet Rumi(Chorus&Percussions)との女声ツインVo体制になることも考え合わせると、途端にeleanorの個性が強さが浮かび上がってきます。歌詞が全編日本語詞だというのも大きな特徴ですよね(←大歓迎ポイント)。
独自のメランコリック・メタルと評するしかないのかもしれませんなー。

1stも2ndも素晴らしい出来でしたが、この3rdはそれらを上回る傑作ではないでしょうか。
作曲面だけでなく、プロデュースを含む諸々も引き受ける中心人物、Ippei J Malmsteen(Gt)のメロディ・センスの非凡さは以前から光っていました。それは本作でも、「よくこれだけメランコリックなメロディが溢れ出してくるな!」という驚きと共にビシバシ炸裂しているわけですけど、アルバムの構成力が飛躍的に高まったおかげか、個々の曲のキャラ立ちがより明確になっている気がします。結果、アルバム全体の印象が底上げされている。

官能的な美旋律にメロメロになるインスト①Fall From Graceから一気にこのバンドの世界観に引きずり込まれます。バンドの強みを叩きつけてくるこのオープニングから、サビメロがあまりにも強力な⑤Eternal Momentまでのアルバム前半は、大雑把に言うと、このバンドに求められている王道たるコアな部分を凝縮したような感触があります。激しさよりは叙情が前に出るeleanorにあって、MVが作られた(→コチラ②Defying Gravityの質感は正しく「メタル」で、そのちょっとした意外性をも取り込んだ上での“王道”。

対してアルバム後半は、作風を拡散気味に、でもしっかりと個性を保ったまま幅を広げてゆくので飽きないんですよね。本作最長の⑥Empyreal Beautyはメランコリック・ドゥーム調、⑦Buried Aliveのスピード感と明るいポップ感に驚き、⑧Lazy Noiseは渋くブルージーなバラード、疾走感と狂おしいサビメロが堪らない⑨Thirsty、アコースティック楽器の響きを活かした民族音楽色が濃厚な⑩War Cry、といった具合です。
この前半と後半の対比を感じさせる構成力が、実に見事。

また、アルバム全編でViolinが大活躍しており、弦好きには堪らない作風になっているのもポイントですね。
なんて、幽玄なViolinの響きが引き締めるから、明るいとはいっても決して能天気には感じないし、結果としてアルバムの中で素晴らしいスパイスになっている曲です(曲調に反して、容赦ない歌詞なんですけどね。“生き埋め”ですから)。


メロディの強力さ、その強みを最大限に引き出すヴォーカルと楽器陣の表現力の高さ、絶妙なコーラス・ワークとアレンジ・センス…etc…。。
完璧じゃないか。
名盤と言い切ってしまいたひ!

【お気に入り】
全編凄まじいほどの美旋律の宝庫ですが、特に以下の曲にはヤラれる。
⑨Thirsty
⑤Eternal Moment
⑦Buried Alive
③Far Beyond Dystopia
②Defying Gravity


ブックレットにIppeiによる解説と共に、リードGtの割り振りが書いてあるのが嬉しいですね。
因みにバンドは、今年になってからドラマーのCarlosが一時的に離脱、Yuzuruが加入しているもようです。


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