PAIN OF SALVATION「REMEDY LANE RE:VISITED」


PAIN OF SALVATION「REMEDY LANE RE:VISITED」 (2016/2002)

スウェーデンのプログレッシヴ・ロック/メタル・バンド、PAIN OF SALVATIONの名盤4thアルバムをリミックスし、そこにアルバム丸々一枚を再現したライブ盤(2014年録音)を付けた2枚組CD。

2002年発表のコンセプト・アルバム、「REMEDY LANE」は彼らの最高作だと思っています。これか、もしくはその前の「THE PERFECT ELEMENTS PT.1」(2000)。ただし、もはや様式美と化した「プログレ・メタル」とは一線を画し、真にprogressiveであるバンドですから、音楽性は時期/作品によって異なりますし、その中でもたまたまこの2枚の方向性が自分の感性に強く響いたということなのでしょう。

すなわち、暗く叙情的ってこと。

全編を重く薄暗くメランコリックな空気が覆っています。そのムードと、キーとなるメロディが所々で顔を出すことで、コンセプト作としての統一感を醸成。北欧らしいメロディを持つ曲が多く、正にその点が管理人の好みにピッタリと合致します。
ただ、本作(というかこのバンド。というか中心人物であるDaniel Gildenlow)が凄いのは、ミクスチャー根性(?)が異常に発揮されていること。HR/HMバンドとしてのカタルシスやヘヴィネス演出の流儀に則ってはいても、実験的であることを全く恐れていないし、ジャズとかヒップホップとかフォークとか、他ジャンルから取り入れた要素がメタル成分と違和感無く同居しているのを聴く度に、スゲェなぁ…と感嘆するのです。むしろそういったクロスオーヴァー要素が、楽曲の中で絶妙なフックになってる。③Fandangoを初めて聴いた時には驚いたし、⑦Rope Endsを名曲たらしめているのはメランコリック極まりないサビ直前のラップ・パート(と言っていいのか?)ですし。

あと、⑨Dryad Of The Woods⑩Remedy Laneの流れのインスト2曲を聴けば分かる通り、技巧によって「プログレ」を主張するバンドではないんですよね。インスト(・パート)がテクニックひけらかしの場ではなく、あくまで作品のコンセプトとムードに則った“ピース”として機能している。これだけ緻密に構築された楽曲を演奏できるのですから、技術レベルも相当なものなんでしょうけど。


そんな「REMEDY LANE」を再度ミックス&マスタリングしたのは、名手Jens Bogren。もうさすがというしかない音作りですね。オリジナルのリリース当時からほとんど瑕疵の無い作品でしたから、ガラッと印象を異にするわけではありませんが、美点を全く失わずにダイナミックにアップデートされています。主要な音のレイヤーの向こう側にある繊細な音まで捉えられる。
完璧な名盤がさらに完璧になっちゃうってどういうことォ!?って感じ。


ディスク2のライブ盤がまた素晴らしい出来栄えです。
『ProgPower USA 2014』に出演した時の音源ですので、メンバーはDanielを除いてオリジナル・リリ-ス時とは異なっています。なのになんだこの変わらなさというか同じバンドっぽさ!(まぁ同じバンドなんだけど)
内省的に訥々と演奏するバンドかと勝手に思っていましたが、こりゃあ予想よりも熱いパフォーマンスでちょっとびっくりです。原曲が持つ緻密さやムードはいささかも失われていないんですけど、ステージから生のロック・バンドらしいエネルギーが放たれているのを感じます。あと、緊張感の中にリラックスした雰囲気があって、楽曲の間にメンバー紹介したり観客を煽ってみたり。

歌い手としても超一流の表現者であるDanielのVoは、音源のイメージ通りですね。自分の声の響き方をちゃんと知っていて、曲に合わせてそれをきちんとコントロールしているって感じ。歌の巧さを堪能できるThis Heart Of Mine (I Pledge)Undertowといったバラード系の曲での絶唱なんて、アルバム以上の迫力かもしれません。また、演奏陣によるコーラス・ワークの見事さも大きな聴きどころになってます。
ライブ・アクトとしても素晴らしいバンドだってことがビシバシ伝わってきますね。

来日してほしい!
今一番ライブ観たいバンドだ!


ディスク1 【Re:Mixed】
01. Of Two Beginnings
02. Ending Theme
03. Fandango
04. A Trace Of Blood
05. This Heart Of Mine (I Pledge)
06. Undertow
07. Rope Ends
08. Chain Sling
09. Dryad Of The Woods
10. Remedy Lane
11. Waking Every God
12. Second Love
13. Beyond The Pale

ディスク2 【Re:Lived】
01. Remedy Lane
02. Of Two Beginnings
03. Ending Theme
04. Fandango
05. A Trace Of Blood
06. This Heart Of Mine (I Pledge)
07. Undertow
08. Rope Ends
09. Chain Sling
10. Dryad Of The Woods
11. Waking Every God
12. Second Love
13. Beyond The Pale


【悶絶】
⑫Second Love これだけ80年代に書いた古いマテリアルであるという、面食らうほどにクッサクサな正統派バラード。
⑦Rope Ends
④A Trace Of Blood 大作でありながら流麗さを感じるメロディ使いが堪らん。
⑬Beyond The Pale 大団円は緊張感に満ちた大作。

全編悶絶モノだがこの4曲はスペシャル・モンゼツ。
永遠の悶絶。
MONZETSU ETERNALLY。


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