RAGE「THE DEVIL STRIKES AGAIN」


RAGE「THE DEVIL STRIKES AGAIN」 (2016)

何をどう数えたらそうなるのかサッパリ分からないが、前作「21」(2012)が21作目らしいので、22作目になるであろうドイツのベテランHR/HMバンド、RAGEのニュー・アルバム。
蛆虫ジャケがサイテー。

現役バンド=RAGEを追っかけてきたファンにとっては、Peavy Wagner(Vo&Ba)、Victor Smolski(Gt)、Andre Hilgers(Dr)というラインナップでの活動を終了、バンドを解体するというのは、衝撃的なニュースだったことと思います。私はショックのあまり、三日三晩寝込んでしまいました。
嘘です。

オリジナル・メンバーであり中心人物でもあるPeavyは、RAGEの名の下に、若い2人と一緒に(Peavyよりは“若い”ってことだが)新トリオ編成を組み、VictorはALMANACという新バンド(プロジェクト?)を始動させました。
※ALMANACのデビュー・アルバムの感想は → コチラ。
で、新生RAGEのお披露目となる本作、要は、VictorのいなくなったRAGEがどんな音を出してくるのか、ってことですよね。

現行RAGEのメンバーを記しておきます。
 Peter“Peavy”Wagner (Vo&Ba)
 Vassilios“Lucky”Maniatopoulos (Dr)
 Marcos Rodríguez (Gt)


ラッキー君、TRI STATE CORNERというバンドではVoを担当しているんですと。DrとVo、どっちが「本職」なんだろ?

何故かブックレットに2曲分の歌詞が載ってないため断言はできませんが、多分全曲、PeavyとMarcosの共作です(歌詞は全てPeavy。多分)。曲作りだけでなくプロデュースも含めて、クレジットを見る限りだとMarcosを信頼して任せている部分は多そうですね。
それはそうとMarcos、John Petrucci(Gt/DREAM THEATER)っぽいよね、見た目が。


「21」は攻撃力は高かったもののメロディのキャッチーさに乏しく、その点に不満の残る作品でした。同作に伴う来日公演はいつも以上の素晴らしさだったですけどね。
そんな前作から、メロディに関しては復調していると思います。Peavyらしい歌メロ(ただそれほどヒネリは無い)を随所で聴くことができます。攻撃力はさらに増してるかも。ただ、その音から受ける感触は異なっていて、新メンバーの個性に依るところが大きいんでしょうけど、キレの良さというより突進力で勝負、的なニュアンスがありますね。VictorのソリッドなGtがもたらしていたややモダンな煌めきは後退し、オーセンティックなメタルへの揺り戻しを感じます。Peavyが噛みつくようなアグレッシヴなVoを披露していることも大いに関係しているでしょう。
あと、新メンバー2人が歌える人だからでしょうか、サビを中心にしたコーラスの強化が目立ちますね。特に、終始ツインVo(トリプル?)で歌っているような③Back On Trackは新機軸かも。爽快さすら感じる。

Gtプレイのメリハリに乏しいですね(Drもだけど)。あの天才・Victorと比べるというのがそもそも酷な話なんですが、「ツボを得た」という表現からは遠い、鳴らしっぱなしであんまり“引き”が無い演奏。それでも疾走感のあるソロは良いかな。
しかも音作りが荒々しいので、その点でもVictorの「かなり歪ませて尖がってるけど緻密な音」とは印象が異なります。この音作りは賛否分かれるかもなー。ミックスとマスタリングを手掛けたのがDan Swanoってのもあるのかしら。

「これぞPeavy!」な⑥Ocean Full Of Tearsや前述のの存在、あとアルバム後半にドラマティックなGtワークを配した曲が多いこともあり、前作よりはずっと好きですね。
メロディがなかなか充実してるから。

不満点はあれど、来日してくれたらまず足を運びますよ。過去曲がどうなるかにも興味ありますし。

【お気に入り】
⑥Ocean Full Of Tears
③Back On Track
⑩The Dark Side Of The Sun
⑦Deaf, Dumb And Blind
⑧Spirits Of The Night

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COMMENT 4

DD  2016, 08. 21 [Sun] 10:52

 ジャケのこの傾向はかなり前からなので、いやなら取り込まないという手もあると思いますが。(すでに90年代からPeavyの趣味の色が出てて、それをわかってるので半分仕方ないと思いますが)

 荒っぽいながら90年代路線の現代化、という点で、今やりたいことの一部は継いでる感じもします。

 演奏能力は問題ないでしょう、この前に「Black in Mind」20周年記念のliveをやってることだし。

 ただ、この後のliveでどの曲を演奏するのでしょう、新作リリースする際「今でさえ選びづらいのに、さらに新作からやるからどうなるだろう」とPeavyが言ってたのでlive初日を見たほうがいいでしょうね。(そのsetlist含め)

 来日を待ちましょう。

 お気に入り・・1、3、6,9(現時点なので、聴きこむと変わる可能性あり) 
  

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kazz-asai  2016, 08. 21 [Sun] 12:57

予想通り

ヴィクター不在によって、それ以前の音、すなわちBlack In MindやEnd of All Daysに近いイメージの音に戻りましたね。
(さすがに13やGhostsのように迷走しなかったのは幸いでした)
ただヴィクターがピーヴィーにもたらした影響はまだ少なからず感じられます。
4人時代も、ヴィクター時代もひとしなみに好きな自分としては、この音はかなり歓迎すべきものとして映りました。

今ではREFUGEもあるわけですから、マンニ時代の音を求めるのは筋違いであり、この路線をさらに追求してほしいと思います。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2016, 08. 22 [Mon] 20:12

DDさん、

私ダウンロードじゃなくて現物CD派なので、蛆虫ジャケが手元にある状態ですね(笑)。Peavyが骸骨好きなのは有名ですけど…w

「BLACK IN MIND」の記念ライブなんてやっていたんですね! それはそれで観たいかも。
Victor編成のRAGEのライブを何回か観た身からすれば、思い切ってVictor時代の曲をばっさりカットしたセトリにしてくれても面白いかな、なんて思います。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2016, 08. 22 [Mon] 20:15

kazz_asaiさん、

揺り戻しは確かに感じるんですけど、ライブにせよ今後のアルバムにせよ、ギター1本の編成でどう聞かせてくるかが楽しみですね。Marcosにとってはかなりの重責だと思うんですが…。

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