藍井エイル@NHKホール

藍井エイル 『 Eir Aoi EXTRA LIVE 2016 "D'AZUR-EST FINALE" 』 NHKホール (2016/6/23)



藍井エイルの、アルバム「D'AZUR」(2015)に伴うツアーの追加公演、『 Eir Aoi EXTRA LIVE 2016 "D'AZUR-EST FINALE" 』に行ってきました。
本ツアーの公演はチケット取れるわけないだろと諦めていましたが、NHKホールというデカい会場での追加公演が発表されたので、これなら一般発売でも取れそうだな、と。
で、取れた。
3階席でしたけど。
NHKホールは薔薇の末裔サヨナラ公演以来ですね。

空間が広く取られたホールゆえに、3階席からだとステージまでの距離は相当あるものの、なかなか見やすいです。いや、見やすかったはず、です(←後述)。
しかし色んな会場でライブを観てますけど、つくづくTOKYO DOME CITY HALL(のバルコニー席)ってのはキャパに比してステージまでの距離が近く、異常なほど見やすい良い会場だと思いますね。あそこ好き。


私は藍井エイルの熱心なファンではありません。名前は以前から知ってはいたものの、実際CDを買って聴いたのは去年からだったと思いますし。「D'AZUR」の完成度には驚いたものの、ズボッとハマることもなかったのですが、その抜群の歌唱力については一度ライブで体験してみたいと思っていました。
考えてみれば、彼女に限らず、アニソン・シンガー(の音楽)って大抵の場合(ってそれほどの数のアーティストを聞き込んでるわけじゃないですが)、好きなところと嫌いなところを両方併せ持っているんですよね。好きな点は、抜群の歌唱力・表現力、HR/HMを聴く時と似た感情が喚起されるメロディックな楽曲。嫌いな点は、画一的なアレンジ、毒にも薬にもならないキレイキレイした作り物感。
「アニソン・シンガー」ってのは音楽ジャンルを表す言葉じゃないですが、そういう名の下に括られるアーティストがやってる音楽には一定の傾向があるように思われるわけです。私が趣味で聴いてる、ごく狭い範囲内の話ではありますけど。

そういった印象がライブで覆されるのか否か。

…なんてことは正直どうでもいいんですけど(笑)


暗転したステージ上、凝りに凝った舞台装置の一角に登場したエイルにスポットが当たり、アカペラの歌い出しからいきなりキラー・チューンIGNITEでショウがスタート。

公演直前までまるで気にしていなかったことですが、ふと思ったのが、「やっぱサイリューム(=ペンライト)使うんだよな?」ってこと。で、会場で周りを見てみると、やっぱ色は青なんだな。つーか、色を変えられるんだな。物販で色を変えられるやつが売ってるのかね? それともそういうのをあらかじめ買ってくるのかね? 私は興味ないので用意してませんが。
つーか、サイリューム振るライブって、眩しくてイヤなんだよね。本数がそんなに多くなきゃいいんだけど。
え、エイルたんのライブ?
多い。めっちゃ多い。
持ってないほうが疎外感を覚えるほど。

この雰囲気と似たものを感じたライブは、あれだ。
キタエリだ。
喜多村英梨@渋谷公会堂だ。

ただもっと自由な感じ。サイリュームの動きもあんまり揃ってない。
(サイリュームに関して言えば、むしろ動きが揃っているほうが目障りには感じないかも)
それは、エイル本人がそれほどシステマティックなアクションをしなくて自由奔放に動き回っているせいでもあるし、あまりシンクロするような動きで煽らないからってのもある。
どうでもいいけど彼女、まいっちんぐマチコ先生(古ッ!)的な動きするよねw
まいっちんぐ ←こういうの。脚の動き。パ○ツは見えてないけど。

あと可愛い系キュート系の曲はないので、そこまでアイドルっぽいノリになりにくいってのもあるかも。
言い方はアレだが、ヲタ度はやや低い感じです。ロック・コンサートの会場にたまたまサイリュームがあるような雰囲気。いや、「たまたま」ってこたぁないか。今やX JAPANのライブでさえサイリューム溢れてるみたいですし。
私、客側の盛り上げようって意識が迸った「団結力が高いライブ」って苦手なんですが、この日はそこまで拒否感を感じる場ではなかったので安心しました。ビカビカブンブンと眩しかったですけど。

しかし「ヲタ度は低い」とは言え、猛者はいるもので、特に最前やや下手側に凄まじくアグレッシヴな動きをしている強者がいて、しばし視線を釘付けにされたことを記しておきましょう。
…というか、すぐ前の座席の人がすげー背ぇ高くて、あんまりステージが見えなかったんですけどね。3階席のこの(急な)勾配ですら視界が塞がれるってことは、かなりの長身よね。しかも右→左→右と頻繁に体重移動するからものすごく目障り! サイリューム以上に!


バック・バンドの編成は、ツインGtにKey入りの5人編成を基本とし、そこに必要に応じて、DJとViolinが加わる大所帯。因みにDJの人はGtも担当し、時にトリプルGt体制になる場合もアリ。メイデンなのかサザンロックなのか。
バンドメンバーは、DrやKeyだけでなく、みんなそれぞれ専用のお立ち台というか、高台が用意されており、その場で動かずにプレイします。そこから降りてステージ前方に出ることを許された(笑)のは、本編ラスト辺りとアンコールでの数曲のみ。
開演してすぐは各楽器の分離が甘く、全体の音がボンヤリしていていましたが、それが解消されると、楽曲の空気の再現とVoを活かすことに徹した、実にツボを得た音であると分かります。Violinの音色がすっげー良い働きをしてましたね。どの音が目立ち過ぎるということもなく調和し、全体としては邪魔しない程度に適度にエッジが効いてる。もうちょっとDrが締まってたらもっと良かったですね。
そんなことより、DJの人の動きがチャラ過ぎてビビる。
あとKeyの人のヘドバンが激しくて目を奪われる。


ステージセットについて。
反物を上から何本も下ろしたように見える構造物がステージ上のあちこちに配され、照明装置がそこにまとわり付くように多数設置されています。
ガッチリと豪華で堅牢なステージセットを組むというのは、今の“流行り”じゃないんでしょうね。デザイン性に優れ、スクリーンの機能も兼ねる、複雑かつ繊細に組まれた構造物。それがライティングとプロジェクションマッピングに依って、曲毎に全く違う表情を見せる。そんな“動的”な舞台演出が主流なのかもしれません。
お客さん側からはセットがどういう風に組まれているか、どこに何が映るのか、よく分からないんだけど、ショウの進行に従っていろんな面を少しずつチラ見させてゆく。そんなワクワク感の提供。
よく出来てるなぁ。こういう考え抜かれた演出を観るだけでも、チケット代の何割かはペイしていると思います。実に見事でした。
因みに、一番後方の壁にはスクリーンも設置してあったんですけど、ショウの終盤までそこにメンバーの姿は映さないのね。それよりは音を感じて、ステージ全体を観てくれっていう感じでした。


で、肝心のエイルの歌唱はというと、これがものすごい。
今までに観た女性ヴォーカリストで一番巧いんじゃねーのかッ!?って思いがよぎるほど、凄い。なるほど、こりゃあ逸材だわ。
当然、聴き手の好みとの相性というのはあるんでしょうけれど、この「気持ち良さ」は異常だな。
ショウ終盤にやや声量が落ちたかな?と思う場面はあったし、低音早口パートをストレス無く歌いきるにはもっと滑舌が良くなったほうがいいねとは感じましたが、ごくごく些細な点。粗探しみたいなもんよ。声量があるとか(実際、すげーある)、高い声が出るとか(ファルセットを交えるものの、すげー出る)、そういう曲芸染みたこととは関係ないところで、凄まじく歌心を感じるのよね。メロディラインを最大限活かすよう、歌詞を聴き手にしっかりと届けるよう、そういう風に注意深く慎重に歌っている様子が伝わってきます。と同時に、そういうものとは対極にあるような勢いと伸びやかさ、熱さを内包していること。これが凄い。
正直言って、あまりのヤヴァさに驚いて、興奮することすら忘れた。音源では一本調子に感じることもままありましたが、ライブでは全く気になりませんでしたね。演出効果と相まって。
いやー、すごいわ。


藍井エイルが売れた/売れてる理由って、勿論、抜群の歌唱力と声の良さ、そしてそのVoを活かす楽曲提供があったからっていうのが最も大きいとは思うんですが、以前から「名前の響き」ってのがあるよなぁーって思ってます。
アオイエイル。
「上から読んでも山本山」もしくは「ガダルカナル・タカ」的な雰囲気が漂ってるし、藍井を「あおい」と読ませて、「えいる」と続ける。
このア行の多さな(笑)

響きのキャッチーさと字面のキャッチーさ。
コレはその音楽を耳にする以前に、アタマの片隅にこびりついてくる固有名詞でしょ。

だって、例えば「超大型新人・藍井エイル、デビュー!!」っていうキャッチ・コピーがあったとすると、歌手なのかAVじょ…いやセクシー女優なのか判別つかないぜコレ。
そりゃあ気になる。気になるよ。
マーケティング的には、消費者に気にしてもらったら勝ちでしょうし、実際彼女の音楽を聴いてみたらあの歌の凄さですからね。売れてしかるべきだと思いますし、もっともっと日本を代表する歌姫になっていただきたいです。

あとね、彼女のキャラ、というか押し出してるイメージが中性的なところってのは大きいと思いますね。乙女乙女してないところ。
会場には女性ファンも多かったんですけど(ま、圧倒的に男性客中心ではありますが)、彼女の凛としたイメージが女性ファンへのアピールになっているんじゃないかとは思いました。


エイル自身のパフォーマンスに唖然とさせられることしきりだったんですが、ショウ進行も正にプロの仕事そのもの。素晴らしく練度の高いスタッフが揃っていると感じました。
大所帯のバンド、そして繊細なコントロールが要求されるであろうプロジェクションマッピングとライティング操作。にも関わらず、ほぼ曲間もMCもあまり入れない(アンコールとかは別ですけど)、テンポの良いステージ進行には驚かされました。空気が良い意味で緩まない。ダラダラとした3時間ではなく濃密な2時間を提供、という具合でしょうか。


曲に関しては分からないものも多かったので、それぞれについては割愛して、特に印象的だったシーンのみ以下に。

NHKホールの上手側壁面には豪華なパイプオルガンが据え付けられていますが、Lapse From Virtueでそれを使用したことは、大きな目玉的演出だったでしょうね。イントロとアウトロに大々的にフィーチャーされて、荘厳な空気を生み出していました。
アウトロで、バンド演奏を引っ張った挙句にパイプオルガン独奏状態になった時には「随分と長いな」と感じましたが、思い返せば、そこで時間稼ぎ(?)をすることによってエイルが衣装チェンジするんですわな。その演出が本編を二部構成のように感じさせ、聴き手の意識の切り替えを促すことになったのは、結果的に良かったと思います。Lapse From Virtueの後、衣装替え後一発目のシューゲイザーは初めて聴きましたが、スゲー好みでビックリ。
因みにエイルの衣装は、以前からのイメージを良い意味でも悪い意味でも裏切らない、上着ヒラヒラ丈長&ふともも誇示系でした(笑)


メンバーみんな、青のツアーTシャツに着替えて登場したアンコールでは、Hysteric Blueの代表曲春~spring~をプレイしたんですが、なんだこりゃ懐かしー! 1999年、大学生だぞオイラ。
ドラマーが元ヒスブルの人で、あぁ、シングル「アクセンティア」でエイル自身カヴァーして収録してるのね。原曲と比べてみると歌唱力の差(ry

翌月に発売するシングルからタイトル・タラックのを初披露し(早口Voが映える、アップテンポ&ポジティヴ系の良曲でした)、最後は、明るく弾けるサンビカで締めでした。
素晴らしい、ほんとに素晴らしいショウでした。見事なエンタメ。


それぞれのエピソードを交えつつ、バンド・メンバーを一人ずつ2回に渡って紹介し、折々に、そしてラストには、1階から3階まで、右から左まで、全ての観客に届けるかのように何度も深々とお辞儀してお礼を伝えたエイル。圧倒的な歌唱力とは裏腹な(?)、そんな丁寧で謙虚な姿勢が最後に脳裏に焼き付きました。

<セットリスト>
01.awakening~IGNITE
02.幻影
03.GENESIS
04.ずっとそばで
05.ゆらり
06.JUMP!!!
07.AURORA
08.Close Friend
09.Quit
10.Lapse From Virtue (パイプオルガン前奏&後奏)
11.シューゲイザー
12.MEMORIA
13.ツナガルオモイ
14.アクセンティア
15.Bright Future
16.INNOCENCE
17.ラピスラズリ
18.シンシアの光
19.青の世界

ENCORE
20.HaNaZaKaRi
21.春~spring~ (Hysteric Blueカヴァー)
22.翼 (新曲、初披露)
23.サンビカ


えい!えい!るー!


アンコール要求の時のコールと、最後の締めの時のフレーズ。最初何言ってるのか分かんなかった(笑)

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COMMENT 2

のぶ  2016, 06. 25 [Sat] 19:36

エイルさんは歌声も見た目も好きなのですが…本当に「好きなところと嫌いなところを両方」ですね(^^;
CDもレンタル止まりです(笑)

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ヒゲ・スカイウォーカー  2016, 06. 26 [Sun] 19:49

のぶさん、

美人さんだと思いますが、私は見た目はそれほど好きじゃないです(笑)
クール過ぎるように見えるからかもしれません。ライブ会場で喋っているのを聴いたら、冷たい感じは一切しませんでしたが。

アルバムだと同じような方向性のアレンジを使い回してるので、飽きがくるってのはありますね。記事にあるように、生で体験したらとても良かったので、ライブ映像作品を買ってみようかな、と考えてます。

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