STRATOVARIUS「BEST OF」


STRATOVARIUS「BEST OF」 (2016)

新曲入りのベスト盤。
私が買ったのは、2015年のWACKEN OPEN AIR出演時のライブ音源が付いた、3枚組CDです。

現行編成で録音した新曲Until The End Of Daysから始まります。Lauri Porra(Ba)作詞作曲の、かなりポップ寄りでコンパクトにまとまった曲ですね。メタルとは言いがたい。次の②My Eternal Dreamへと違和感無く続きますが、そのほど技巧的な聴き応えは無いし、メロディもあっさりめ。まぁ、爽やかで悪くはないですけどね。ここまでストレートに吹っ切れた曲は今まで無かったような気もするし。
彼らの熱心なファンなら当然押さえておくんでしょうけど、ストラトのことがソコソコ好きで、かつ既に全ての音源を持っている人が、この1曲のために買う価値があるかどうかといったら、どうなんでしょうね。ちょい疑問かも。Official Lyric Videoがアップされてます(→コチラ)ので、それを聴いて判断するのが吉かもしれません。私はノーチェックで(本作を)買いましたが。

この1曲を除いて、2枚組み・全28曲が既発曲となりますが、名曲だらけって知ってたけど、やっぱ名曲だらけですな。そして、Timo Kotipelto(Vo)が素晴らしいヴォーカリストだってことがビシバシ伝わってくる。
私の個人的嗜好とライブでのセトリの組み方を考え合わせると、現行編成での曲が思ったより多かったな、という感じです。ただ、3部構成・18分超えの大作であるElysiumを収録したのは英断。この曲は現行ストラトの一つの到達点だと思いますから。また、欧州では(当時)ウケが良かったというThe Kiss Of Judasを外したのは少々意外でしたね(私は好きじゃないけど)。


ストラトの今までの歴史を考えると、大雑把に、
【1.大ティモ期】…Kotipelto加入前、Tolkki(Vo&Gt)
【2.Wティモ期】…Kotipelto(Vo)・Tolkki(Gt)時代
【3.小ティモ期】…Tolkki脱退後
となるわけですけど、作曲者目線で言うと、やはり大ティモがいるかいないかってところですよね。重要なのは。
Timo Tolkkiが書いた曲とそうでないものとでは、やはり楽曲の感触が大きく違うわけで。

大ティモの書いた曲ってのは、強力なメロディが決め手となることが多く(っていうかほとんどそれだ)、要は分かり易いんですよね。単純明快。この曲はイイ!ってのがダイレクトに伝わってくる。
で、現在の小ティモ期、―【Matias(Kupiainen)期】と言ってもよいかもしれないが―は、メロディ作りだけでなくアレンジまで含めたバンドの総力戦で以って、曲のレベルを押し上げてくるような感じがします。例えばDeep Unknownなんてサビ裏のコーラスが無かったら、かなり地味だぜ。全体的なムードは、気品があって洗練されてる。
言い方を変えると、例えば、大ティモ曲はヘタクソなコピバンがカヴァーしたとしても、勘所のメロディさえ外さなければ、「良い曲であること」がすぐに聴き手に伝わると思うんですね。それに対して、今のストラトの曲はそうじゃないような気がする。技巧とメロディを的確にコントロールして、今の彼らじゃないと具現化できない音を出しているのは、Matiasの手腕かも。

こうして各時代(って言い方は大袈裟だが)の名曲・代表曲をまとめて聴いてみると、改めて気づくこともあるわけです。
ストラトの音楽を評してQUEENSRYCHEっぽいみたいなことをどこかで読んだことがありますが(まぁB!誌ですけどw)、「ンなことないだろ!?」ってずっと思っていました。そもそもQUEENSRYCHEの音楽的変遷ってフラフラしてるから、どれが「彼ららしい」と評される音楽性なのか、イマイチ分からん。ライクなのかライチなのかも、イマイチ分からん。
でも、確かに(ストラトの)初期3枚目まで、つまり大ティモVo期、―もしくは「EPISODE」(1996)まで含めてもいいかもしれませんが―、の楽曲にあるちょいスペーシーでヘンにプログレ染みた展開は、「THE WARNING」「RAGE FOR ORDER」あたりのQUEENSRYCHEと似た感じがあるかもしれません。

…ってここには大ティモVo期の曲って2曲しか収められていませんが。しかもその選曲がWings Of TomorrowBreak The Iceだなんて! 前者なんてその存在すら忘れてたっす(笑)。まぁ、The Hands Of TimeWe Are The Futureだと他の曲とムードが被っちゃいますけどね。

新曲のことは置いといても、ぎっしりと詰まった名曲群をまとめて聴くことができるので、なかなかお得感は高いし、同時に快感度数も高いベスト盤。


さて、Disk3の「LIVE AT WACKEN 2015」。
映像は無くとも、当代最強のパワーメタル・バンドであるストラトの凄みが伝わってきますね。特に演奏陣ね。正確無比・完璧なプレイというわけじゃないんだけど(いや、それでもクッソ巧いけど)、ライブならではのラフさの中に余裕が漂っていて、かつメンバーがステージを楽しんでいる姿が思い浮かぶ。Matiasのマジカル・タッチがYAVAIす。Jens Johanson(Key)のピコピコした音色はあんまり好きじゃないんだけどね。
勿論、小ティモが完璧にオーディエンスを掌握してる様子も分かるし。つーか、「ヴァッケン!」って言ってるの聞くだけで興奮するよな。
選曲も美味しい。


ディスク:1
01.Until The End Of Days (新曲)
02.My Eternal Dream
03.Eagleheart
04.Speed Of Light
05.S.O.S.
06.Forever Free
07.Wings Of Tomorrow
08.No Turning Back
09.Break The Ice
10.Distant Skies
11.Will The Sun Rise?
12.A Million Light Years Away
13.Under Flaming Skies
14.Darkest Hours
15.Winter Skies
16.I Walk To My Own Song
17.Maniac Dance

ディスク:2
01.Halcyon Days
02.Will My Soul Ever Rest In Peace?
03.Destiny
04.Paradise
05.Deep Unknown
06.Elysium
07.Black Diamond
08.If The Story Is Over
09.Unbreakable
10.Forever
11.Shine In The Dark
12.Hunting High And Low

ディスク:3 【LIVE AT WACKEN 2015】
01.Intro
02.Black Diamond
03.Eagleheart
04.Against The Wind
05.Dragons
06.Legions Of The Twilight
07.Paradise
08.Shine In The Dark
09.Speed Of Light
10.Unbreakable
11.Hunting High And Low

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COMMENT 2

DD  2016, 08. 06 [Sat] 20:48

はっきり言ってHands~,We Are~は結構いろんなところでupされてるのでもういい感じもします。まとめ方は方向性違えど近年のBON JOVIのBestに近い印象がありますね、新曲を入れて、その以外はbandの音楽性を象徴する曲をランダムに入れてるという点で。

 いわれるとほとんど持ってる人は無理に手にしない方が得でしょうね。こちらが購入したのは、聴いてない初期(手にしたことあるがもうどこかへ・・)の曲もあるので。

 3枚目はほぼ全時代のbestを総ざらいしていて(中にrareなものも)、聴きごたえありそうですね。(残るは映像のみか)

 どんな方向性を歩むのか、気になります。(どんな曲でもこなす腕がある演奏陣なので)

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ヒゲ・スカイウォーカー  2016, 08. 08 [Mon] 22:13

DDさん、

そういえば以前にもベストありましたね。Tolkki時代のやつで。私は当時買わなかったので忘れていました。
個々人によって違う、持ってる/持ってないっていうのを無視すれば、なかなかツボを得た選曲の好ベスト盤だと思います。

今後のバンドについては…、、個人的にはCain's Offeringとの住み分けがちと心配だったりします。もうちっとプログレメタル的な方向性に行っても面白いかな、と。印象的なメロディを作る実力はあるでしょうから。

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