ちょこっと感想 2016年 vol.3

【ちょこっと感想 2016年 vol.3】

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Black Stone Cherry「Kentucky」

アメリカのレトロ志向HRバンドの5thアルバム。デビュー・アルバムの時点で既に地に足着きまくってるサウンドを出していましたが、今回も変わらない安定感をみせております。冒頭から、豪快かつ無骨な曲が続き圧倒されますが、ちょい愛想が足りないというか、渋過ぎるきらいもありますね。もうちょっと軟弱でもいいし(笑)、メロディックな面も押し出してほしかったです。
④Soul MachineのGtワーク、⑤Long Ride, ⑬The Ramblerの叙情、⑨Rescue Me, ⑫Born To Dieのド迫力の畳み掛け等、聴くべきところは多いし、カッチョイイっちゃあカッチョイイんですけどね。



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BLOOD CEREMONY「Lord Of Misrule」

カナダ産70年代志向サイケ/ドゥーム・ロック・バンドの4thアルバム。2013年の3rd「THE ELDRITCH DARK」を順調に受け継ぐ内容です。別の言い方をすれば、まるで代わり映えのない作風。…ですが、クオリティも素晴らしい出来だった前作を踏襲しているので、一切文句はありません。やっぱこのバンド、サイコーっす。
同内容ってことは、傾向としてはキャッチー/軽め/魔術的/オルガン&フルート大活躍、ってことですね。曲によってはポップですらあります。Alia O'Brien(Vo, Flute&Organ)のコケティッシュな歌声を活かしたメロディ・ラインと、有機的なアンサンブルの両軸。派手にフィーチャーされたフルートは、最早このバンドのトレードマークでしょう。ソロに突入する瞬間がスリリングですし、⑤Half Moon Streetの終盤でGtと共に高まってゆくところなんて堪らん。
傑作。



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SPIRITUAL BEGGARS「SUNRISE TO SUNDOWN」

ARCH ENEMYのMichael Amott(Gt)率いるHRバンドの9thアルバム。同じくアチエネのSharlee D'Angelo(Ba)も在籍してます。ジャケが良いですね。
Apollo Papathanasio(Vo)は上手いし好きなヴォーカリストなんですけど、彼の加入後のスピベガって、あんまりピンときてないんですよね。悪くはないし(バンドに)合ってないわけでもないんだけど、反対にスペシャルなものを何も感じないという。スピベガで歌うくらいなら、アポロ別のバンドで歌ってよ、的な。
それが本作で一転したってこともないんですが、前作よりはマシかな。もう諦めの境地に達したってだけかもしれませんが、単純に耳に入ってくるメロディは増えたし、躍動感を感じる。楽器隊は名手揃いなだけに演奏は申し分ないし。
とはいえ、曲の出来も音の個性も、JB時代には遠く及ばないけど。



寺山修二劇中歌少女詩集
「寺山修二劇中歌少女詩集」

J・A・シーザーの演劇で歌われる楽曲をリアレンジ、録り下ろした作品。作詞は全て、寺山修二。
今年5月に観に行った『J・A・シーザー リサイタル』に参加していたメンバーが関わっており、メインの歌唱を担当しているのは、女優・蜂谷眞未と石川詩織。蜂谷はプログレメタル・バンド、LoszealのVoね。シーザー自身も1曲に参加しています。
基本的には、暗~~い童謡調のメロディを歌唱と語りで紡ぎ、Gt, Key, Flute, Violin等がそれを補強するといった構図。楽器陣は伴奏だけに留まらず、物語の盛り上がりに合わせて、時に激しく、時にエキセントリックに、時に感情的に主張します。中でもViolinの活躍っぷりは目立っており、②あじあのあけぼのなんて完全にプログレ化してますな。
昭和の時代の暗い部分を抽出したというか、このやるせなさ、しみったれた感じ、淫靡さはどうしようもなく気が滅入ります。ダークなメタルの比じゃないほどに。そういう意味では紛うことなき暗黒音楽でしょこりゃあ。最も演劇的な楽曲であろう⑧風見鶏のマリーにおける蜂谷の歌唱・演技は鬼気迫る。物凄く怖い。


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