UNDHIFEAT「Reason for Existence」


UNDHIFEAT「Reason for Existence」 (2016)

Key入り5人組、国産メロディック・メタル・バンドの1stフルアルバム。
結成は2003年ということで、もう十年選手を超えているわけですけど、ここにきてフルアルバムとしては初のリリースです。

気持ちよく聴くことができるメロパワですね。
今までにミニアルバムを2枚リリースしていますが、そこから全ての面が飛躍的に向上しています。録音環境は良くなっているでしょうけど、音楽的方向性も含めて、特に何が変わったってわけでもないんですけどね。バンドの“格”が一段上がった感じ。過去の活動の中で作り溜めていたであろう楽曲を、ここで一気に揃えてきたっていうのも大きいかもしれません。

気持ちよく聴けるってのは、楽器隊にせよ、リードVoとコーラスにせよ、ヘンに過剰なところが無く、バランスが取れているからでしょうね。
コーラスワークが売りのバンドではありますが、それをフィーチャーしまくりで主旋律が曖昧になったり、リードVoであるDAIを食っちゃわないのが良いです。とってもいい塩梅。
また、DAIの声が、ハイトーン方向にも、逆に、野太い方向にもどちらにも偏っていないのは、このバンドの特徴だと思います。ただ、曲が求める音域のハイトーンは十分出ているし、もしかしたら本人としては「ハイトーン・ヴォーカリスト」で括られたい気持ちがあるのかもしれません(笑)。彼のVoの絶妙な立ち位置(?)が、UNDHIFEATの音楽を軟弱にもさせず(とはいえ、パートによっては声に細さを感じる)、同時に聴き易さを担保している気もしてます。

DAIの声質や歌い回し、メロディの質感から、導き出されるのは、メロスピに寄り過ぎないジャパメタ。ここらへんも「バランス」ね。そこに、このバンドの武器だと考えるYUIのKeyワークがキラキラした北欧っぽさを添加し、ジャパメタ特有の臭みを緩和する感じでしょうか。
ライブで観た時は印象の薄かった(でもメイン・ソングライターである)SEIJIのGtが、CDだと良い具合に主張しており、HR/HMならではのカタルシスをしっかり提供してくれるところは嬉しかった点でした。ところどころ気持ち良く歌うようなソロが収められていますし。


まぁ、「バランスが取れている」「過剰なところが無い」ってのは、反面、弱点にもなり得るわけですけどね。強烈な個性に乏しいという点で。そこはメロディの煽情力でカヴァーって感じかなぁ。
一点、気になるのは、英詞はいらない、もしくはもっと少なくしたほうがいいんじゃないですかね、ということ。日本語詞の曲の方がちゃんと情感が乗っているのを感じますし、英詞の忙しいパートだとラインをなぞっているだけに感じるところもあります。③JUST A PIECE OF REBELLION⑪WAY TO THE GLORYとか、勿体ない。それでもなんて強力なサビでしっかり取り戻すんですけど。


良曲の揃った力作。
SEIJIにDAIという、制作上の中心人物が居る上に、メンバー全員が曲を書けるというのは、バンドの強み。それでいて、とっちらかずに統一したムードを保っている作風なのは、現時点では長所でしょうね。バンドのヴィジョンが定まっているという点で。ただ、今後、各曲のキャラ立ちをより明確にしてゆく必要があるとは感じました。

【お気に入り】
②STILL ALIVE
④Under the Twilight Sky
⑤AVENGE FOR INSULT
③JUST A PIECE OF REBELLION
⑦MIDNIGHT PROWLER

スポンサーサイト

COMMENT 0