BLACK EARTH@渋谷CLUB QUATTRO (2016/5/25)

BLACK EARTH 渋谷CLUB QUATTRO (2016/5/25)



初期エネミーこと、BLACK EARTHの来日公演に行ってきました。東京公演2日目の追加公演。

(特にここ日本では)未だ信奉者も多いであろうJohan Liiva(Vo)時代のARCH ENEMYですから、渋谷CLUB QUATTROというキャパ800人のハコ(って行く度に、ここ絶対800入らねぇだろ!って思う)は速攻ソールドアウト。行くつもりだったのにチケ発売日にボヤボヤしていた私は「え!?もう売り切れっすか?」ってなったんですが、この追加公演の開催に助けられました。
結局この日もソールドアウトになったという。スゴイ。

メンバーを載せておきます。

 Michael Amott (Gt)
 Christopher Amott (Gt)
 Johan Liiva (Vo)
 Daniel Erlandsson (Dr)
 Sharlee D'Angelo (Ba)


現行アチエネからVoと、Michaelの相方Gtを変えた編成ですね。

私はフロア後方の上手側に寄ったところで待機。一段高くなったところではあるものの、周りに長身のファンが多く(オイラもそれほど低くはないんだが)、ステージの様子はあまり掴めず。半ば、前の人の後頭部を見ながら音を聞くような状態ですね。

MOTORHEADAce of Spadesを丸々流してから、1曲目はデビューアルバムのタイトル名だけどそのアルバムのタイトル・トラックではないという曲、Black Earthからスタート。いつメンバーが入場してきたのか分からなかった…。
個人的には全くピンとこない曲ですね。もしかしたら初期アチエネで最もどうでもいいと思ってる曲かもしれないですけど、この限定プロジェクトのバンド名でもあるし、2曲目以降には珠玉の楽曲群が控えているのを把握しているので、ノー・プロブレム。

セトリは、順番の入れ替えこそあるものの、曲目は全公演共通になっているんでしょう。Johan時代でも1stよりは2nd&3rd派の私にとっては、序盤から万歳三唱モノの曲が続きます。VoがAngela Gossowに代わった、「WAGES OF SIN」(2001)に伴うツアーで生アチエネを初体験した身としても、ここで初めて聴く曲は多いし。

演奏が素晴らしい。
本来この大きさの会場で聴けるような音じゃないです。演奏陣個々の技術は勿論のこと、サウンドの締まり方・スケール感が超一流バンドのそれですから。そんなバンドの音の上にJohanの垢抜けないダミ声が乗る様子はなかなか不思議な音像ではあります。デスメタルをプレイしてはいても、今のアチエネの音って「汚く」はないですからね。むしろブライトな輝きがあって、かつ、アンサンブルからは切迫感よりも優雅さや余裕を感じることが多いっていう、そういう音。
これはですね、無理矢理『スター・ウォーズ』で譬えると(譬えなくてもいいんだがw)、ジェダイですよ。ライトサイドですよこりゃ。対して、そんなバンド・サウンドの中、ただ一人暗黒音楽の伝道者として気を吐くJohanはダークサイドだ。圧倒的に。シスだ。いや、シスにしちゃあ弱そう(失礼)で威厳が無い(失礼)感じなんだが、この“オリジナル”な声で当時の名曲・佳曲が歌われる様には興奮せざるを得ないですね。

しかし、Angela Gossow、Alissa White-Gluzという超一流のフロントマンと比べると、Johanの独自性、っつーか垢抜けなさは際立っていますね。なんだろな、首が埋まってるように見える肩の高さと背中の丸め具合のせいなのか? いや、両手の使い方も奇妙だし、拳を上げるように煽る仕草なんて猫パンチしてるようにしか見えないぞ。つーか、この人、リハーサルやる時に鏡の前で自分の所作を確認しないのかね? こういう動きをしたらステージで映えるよな、とか考えたことがないんだろうかね?

でもね、そんなJohanが好きですよ。サイコー。 
それに、遠くから見ると、いや、視力の悪い私がさらにピントをズラし気味にしててステージを眺めると、Lee Dorrian(Vo/WITH THE DEAD、ex:CATHEDRAL)の動きをするVille Laihiala(Vo/POISONBLACK、ex:SENTENCED)に見えないこともないしな。あ、そりゃVille様に失礼か?(笑) っていうか、褒めてるような文章じゃないかw
で、私だけではなくって、ここCLUB QUATTROにいる人は全員がJohan大好きってことで(決めつけ)、曲間にはやたらとヨハン・コールが湧き起こる状態です。ちょー人気者。そんな歓声を受けるJohanも嬉しそうで、その様子を見た我々Johanファン倶楽部会員もニッコリせざるを得ないという、正のスパイラル。Johanは笑顔を運んでくるよ。Johanは世界を平和にするよ。ゴメンJohan、弱そうなシスとか言っちゃって。あなたはジェダイだ。マスターだ。マスター・ヨハン。フォースと共にあらんことを。

演奏陣はいつも通り。Danielはほんと的確で頼り甲斐ありまくりだし、Sharleeは所狭しとノシノシ歩く(実際にステージ狭い)し、お兄ちゃんは地味。ほとんど(姿が)見えなかったけど。
バンマスが一番地味ってそれでいいのか、って思いますが、いいんでしょうそれで。Michael兄ちゃんはステージでは音で勝負する派ですから。事実この日も、ツヤのある絶品トーンによる号泣フレーズがバシバシ繰り出されてきて、こちらはもうタジタジ。ソロやテーマ・メロディがくっきりとクリアな響きで奏でられていることもあり、こんなにギター・プレイの美味しいライブってのはそうそうないよなぁ…、との感慨を覚えました。
弟くんChristopherが随分とはっちゃけたように弾きまくってたのも印象的でしたね。なんだよクリス、元気そうじゃん、って。Jeff Loomisと比べるとややラフなプレイですけど(相手が悪い)、ギター・ネックを立てて弾いたりとお兄ちゃんより動きは大きく、かつファンを煽ってくるような仕草もあり、彼の姿を目で追うことは多かったです。身体をひねりつつ指板に指を走らせる姿はカッコ良かったしね。
お兄ちゃんのねっとり甘めなトーンと比べると、弟くんのGtはもっとブーストしてて粒が荒い感じ。でも2人がツインでハモると、ゾクッとするほどぴったりと合っていて音が際立つのね。最高。

先ほど、「バンドの音の上にJohanの垢抜けないダミ声が乗る」って書きましたが、乗れてないなぁwと感じる場面もあって(笑)、それはJohanのリズムがブレブレだからだと思うんですが、Voと演奏陣、それぞれが別個に好き勝手やっているような曲もありましたね。The ImmortalとかBury Me An Angelとか。つまり早口Voのパートがある曲ですね。前者の時なんて、Voと演奏のあまりの乖離っぷりに吹き出しそうになっちゃいましたよ(笑)。それでこそJohanエネミーだとも思いましたけど。


しかし、こうやって初期3枚の楽曲をまとめて聴くと、その真にオリジナルな姿に改めて驚愕します。そりゃあパーツパーツを抜き出せばあれに似てるこれに似てるってのはあるんでしょうけど、組み合わせの妙というか、フレーズの繋げ方の巧さというか、美しさと意外性を備えた楽曲展開には平伏すしかない。こんなユニークで甘美な激烈音楽、ここでしか聴けないんじゃないか?

私が観たアチエネのライブで、一番印象に残ってるシーンって、初めて観た赤坂BLITZ(旧)でのAngelclawで、その溜めて溜めて、Chirsの流麗なGtソロに突入する瞬間だったんですよね。あの時の興奮は今でも鮮やかに覚えてる。そんなかつての記憶を再生し、また新たに鮮烈な印象を植え付けた、この日のAngelclawも同様に素晴らしかったです。すんげーライブ映えしてて、私にとっては他のどの定番曲よりも光ってましたよ。

Johanによる短めの挨拶はあれど、休まずにバンバン曲を繰り出してくるライブでした。そんな小気味良いショウ進行に対して、フロアからの反応は当然のように熱いです。
セットの真ん中にデビュー作「BLACK EARTH」(1996)を丸々再現するセクションを配置、全体としては二部構成になっていましたが、このバンド自体、20周年を祝うためのプロジェクトなわけで、この“第二部”こそがメイン・ディッシュと言ってよいかもしれません。
Bury Me An AngelFields Of Desolationという、2大名曲の存在は非常に大きいですが、暗黒度数の高い他の曲に関しては、“第一部”の楽曲と比較して個人的お気に入り度は大きく劣ります。そのため、贅沢な話ではありますが、ここでやや小休止的ムードなオイラ。つ-かね、連日のライブ&ライブレポ執筆続きで睡眠不足なのよ(笑)。ま、それもFields Of Desolationで一気に吹っ飛びましたけどね。

アンコールはIRON MAIDENのカヴァー、Aces Highから。これは、勢いがあってスリリングなんだけど、原曲にあった気品が全く失われていることに若干萎えましたね。Voパートはしょうがないんだけど、Gtパートにも威厳と勇壮さが不足してますわ。
でも、今回のセトリの中でもAngelclawの次くらいに嬉しいBeast Of Man、定番の人気曲Silverwing、そして大団円に相応しいエピカルな名曲Bridge Of Destinyという三連発には満足するほかない。満足どころか、天国ね。


アチエネはJohan脱退以後も優れた作品を何枚も出していますし、むしろそっちの方が洗練されて完成度も高いものが多いんでしょうけど、やはり初期から順番に聴いていった者からすると、この三枚に収められた楽曲には魔法がありますね。確実に。
↓こうやって眺めてみると、ほとんど理想的とも言えるセットリストで、ほんとこれ奇跡だったんじゃねーのかっていうライブ。煎じ詰めると、楽曲のパワーにヤラれた、そんな風に言える2時間だったと思います。
いやー、最高でした。メタル聴いてて良かった。

<セットリスト>
01.Black Earth
02.The Immortal
03.Dead Inside
04.Pilgrim
05.Sinister Mephisto
06..Diva Satanica
07.Tears Of The Dead
08.Let the Killing Begin
09.Angelclaw

「BLACK EARTH」再現
10.Bury Me An Angel
11.Dark Insanity
12.Eureka
13.Idolatress
14.Cosmic Retribution
15.Demoniality
16.Transmigration Macabre
17.Time Capsule
18.Fields Of Desolation

ENCORE
19.Aces High (IRON MAIDENカヴァー)
20.Beast Of Man
21.Silverwing
22.Bridge Of Destiny

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