氷室京介@東京ドーム (2016/5/21)

氷室京介 『 KYOSUKE HIMURO LAST GIGS 』 東京ドーム (2016/5/21)



氷室京介、最後のライブ活動となるLAST GIGSツアー、東京ドーム3Daysの1日目に行ってきました。
最初で最後のヒムロック。

東京ドームに来たのは久しぶり過ぎて、前回が何だったのかよく覚えてないっす。BON JOVIの「CRUSH」ツアーか、KISSの最初のフェアウェル・ツアーだったと思います。2000年くらいね、多分。

レフト側外野席。
一般発売で奇跡的に獲れたようなチケットで、事前に調べていた通り、センター・ステージ(アリーナど真ん中にステージのあるプラン)じゃなければ、ほぼ見切れ席のような位置でした。摩天楼ジグザグに駆けぬけて席に辿り着いてみると、案の定センター・ステージではない。ま、そりゃそうか。
しっかし、これはほんと見えないなー。ステージの下手側の真横でした。遠くにステージ前方に設置してある氷室用のモニター(コロガシ)が見えるので、彼がモニターに足掛けて歌ったり、ギタリストが前面に出て来てソロをとったりすると見えるという。あと、ステージから張り出した翼部分の突端にはそこそこ近い位置だったので、そこにメンバーが来ると異様に周りの熱気が上がるという、そんな位置。
ステージ見えない。
アリーナよく見える(笑)
氷室を観てむをおおおおお!してるアリーナの観客を観てむをおおおおお!する位置。
ただ、こちら側スタンドに向けてスクリーンが設置してあったので、ほとんどそれを見てました。

開演時間に近づくにつれて異様な熱気と待望感に包まれるドーム。あぁ、こういう感覚は久しぶりね。野太い「ヒムローッ!!」って声が時々木霊して、何かの集会みたいです(笑)
10分ちょっと過ぎ、スクリーンにソロデビュー後のツアーの模様を編集したモノトーン映像が時系列に流されて、否が応にも(嫌じゃないけど)気持ちを昂らせてスタート。

BOØWYは小学校時代に後追いで聴きました。音楽の授業やテレビで流れている曲以外で、自ら進んで音楽を聴き始めて、最初の頃に出会った(=友人から教えてもらった)アーティストの一つ。氷室のソロはデビュー(1988)~90年代半ばあたりまで聴いてたっきりで、あとはベスト盤の類いを何枚か持ってるのみ。つまり、ここ20年くらい(!)のソロ曲についてはイマイチ分かりません。
そんな私でも関係なく引き込まれる、のっけからのBOØWY曲連発!

ただ知ってる曲だといっても、初めてのドーム体験がB'zの「BROTHERHOOD」ツアー(1999)で、あまりの(ドームの)音響の悪さに冒頭のギリギリchop丸々、何の曲をやってるか判別できなかったというポンコツ耳の持ち主である管理人なので、イントロが鳴った途端にワァァアアア!ってなる周りのお客さんのような反応は到底できましぇん。
それでもこの環境に慣れてくると、音はそれほど悪くないと気づきました。ステージ真横の位置ですけど、こちら側に向けたスピーカーも設置してあるので、(反対側の)上手側の楽器も含めて、それぞれの音がちゃんと聞こえる。ボワンボワンと反響するMCが一番聴きとりにくかったかな。


バンドメンバーを記しておきます。

 DAITA(Gt)
 滝山幸英(Gt)
 西山史晃(Ba)
 Charlie Paxson(Dr)
 大島俊一(Key)
 中野哲靖(Manipulator)


演奏陣は、正に「バックバンド」って感じですね。特に目立たず、的確なアンサンブルで氷室をサポートする。Gtソロの配分はほぼ半々くらいだったと思います。DAITAは丁寧なプレイですね。滝山幸英はもっとハードロッキンな感じ。

しかしこうやって生演奏で聴くと、ハードロック一辺倒ではないんだな、と。改めて。特にBOØWY曲はまるで違う。GtソロになるとHR的なフレーズも登場するんだけど、基本ギターもメロディ楽器というよりリズム楽器の役割で、演奏陣が生み出すビートと、その上に乗る特異な節回しの氷室の歌唱が曲をリードする、都会的でファンキーなロックに聞こえる。全然“ハード”じゃないし、重くもない。むしろ小気味良い軽快さが勝る感じかな。
ソロ曲になるとギターのHR度合いは増してくるんだけど、それもリフで押せ押せって感じの曲調ではないしね。


さて、主役のヒムロック。
黒タンクトップにドレスシャツに黒革パン、そしてアクセジャラジャラという、イメージと寸分も違わぬその御姿に嬉しくなってしまいますね。

 ①右足を左足の前に出す。
 ②反対に左足はやや右手の後方へ。
 ③上体をひねりつつ、重心を右手やや後方にもってゆく。
 ④マイクは右手で所謂「氷室持ち」(小指だけマイクの下側)。
 ⑤右腕、脇締める。
 ⑥左手は顔の横・胸・腹の三角地帯を複雑に行き来。


基本姿勢はコレね。
これに体重移動と身振り手振りのバリエーションを加える型で、基本、歌に集中するパートでは定位置から動かないことが多かったです。間奏時や観客とのコール&レスポンスが発生する曲では、若々しく動き回ってましたけど。なにより、忙しなく小刻みに身体を揺らす様子!、そして常にシャワーから出たばっかみたいなあの髪の感じ!が正にヒムロックって感じで(笑)、興奮しました。
ライブ活動引退の原因である耳の不調はかなり酷いらしく、頻繁に左耳のイヤモニを押さえていましたね。時には外したり。ここ数年はそんな様子だったみたいですけどね。それでも最後まで音を外してるような感じは無かったなー。さすがと言うべきか。

しっかし、不思議なヴォーカリストだなぁ。
声自体の個性・魅力も相当なものがあるんですけど、歌い方や所作含めて、自身の美学が昇華されたような独自のスタイルを築き上げて、かつ、それをずっと続けてきたことに敬意を覚えずにはいられません。
3時間弱、30曲以上、ほぼ休憩なしで突っ走る最後の最後まで、声の衰えを感じさせない歌唱。それは喉の強さというよりも(それもあるでしょうけど)、歌い上げるタイプの人じゃないがゆえでしょうか。喉を酷使するような歌い方じゃないんだけど、身体の動きと表情と噛みつくような歌い方で以って「熱唱タイプ」に見えるという、このマジック(笑)

そして、噂には聞いていましたが、このマイク・パフォーマンス…、、すげぇな!
なんでこんなに頻繁にマイクと口元との距離が変わるんだよ!? 歌っているというより、ボクサーがシャドウ・ボクシングしてるようにしか見えん!
で、それが格好だけじゃないのは、音源とそんなに印象が変わらないライブでの歌唱を聴くと分かるし、それが不可思議極まりないですね。レコーディングの時にも同じようなハンドマイクのパフォーマンスやりながら録音してるんじゃないかと思うほどの、不自然なアクションと相反する自然な聞こえ方。

もしかしたら昔はピリピリするムードを発していた人なのかもしれませんけど、この“LAST”の場において刺々しさは全く感じず。むしろ穏やかな様子で、ファンへの感謝、そして関係者への感謝も包み隠さず伝える様子が印象的でした。喋り上手ではない(と本人も繰り返し述べてた)がゆえに、その真っ裸の言葉が響いてくるというね。長年のファンには堪らんだろうな…。

ただ、お涙頂戴のライブになることは本人も望んでおらず、そもそもまとまったMCを喋る場面も少なく、次々と曲を繰り出してくるショウ構成でした。要所々々で火柱や花火、銀紙吹雪ドッパーンの演出はあれど、そうしたギミックに負けることのないストイックな氷室+バンドの姿。でも同時に、ファン投票の結果が反映された、往年の名曲だらけ、35年を振り返るようなセトリなだけに、ドーム全体が大合唱で、その様子に氷室も顔をほころばせる場面が多く、温かさをも感じるショウでしたね。

私が観てた位置よりもさらにステージセットの後方に回り込む場所、セットの骨組みを通してアリーナ席と相対するような位置にライブ・ビューイング席があったんですが、ここはほぼずっとスクリーンを見ているしかないような完全見切れ席でした。メンバーがステージ両翼の通路の先まで来ると、その後ろ姿をかろうじて見ることができる程度。
ショウの序盤に、そちらまで歩いてきたヒムロックがふと後ろを振り返って「おぉ!そこにいたのか!?」って風に驚いて(驚いたふりして)、しばらくそちらに向けて歌うというサービス精神には感銘を受けましたね。
この場面でもMCでも感じたことですし、キャリアの長い人のステージを観ると度々感じることですが、長年エンタメで食べてきた人ほど、プロであることとファン/関係者への感謝・心配りを忘れないものだと思いますね。


セットリストについて、ここにきて初めてライブを観るトウシロがウンヌン言うのはおこがましいので黙っていますが、世間的にはBOØWY曲以上の超重要曲であろうKISS MEJEALOUSYを眠らせてってやらないんですね(結局黙ってない/笑)。あとSTAYGood Luck My Loveは異常に好き。

しかし、BOØWYマテリアル中でも好きな曲については、何十年ぶりだろうが1曲丸々歌詞を覚えてるもんだなー。あ、俺、全然歌えちゃうじゃん!って驚きました。曲が染みついてるわ。
今現在大好きで、ライブに通ってるあんなバンドとかこんなバンドとかについては歌詞を覚えきれてないっつーのになんだこの現象は、とか、そんなこと考えながら観てたら、なんか涙出てきた。あー、なんか自分の(音楽)人生の追体験してるようなもんだな、とか考えて、涙出てきた。
イチイチこの場面がどうだったーこうだったーって描写は控えますが、グッとクるシーンは数知れず、こんな機会だからこそ懐メロ上等・グレイテストヒッツ最高ってことです。へー、こんな曲やるんだとか、この曲こんなに人気あったんだ、という驚きも含めて、私は大いに楽しめました。


まさか2回あるとは思っていなかったアンコールの最後の最後。
氷室の曲名コールと共にアリーナの客電が点けられ、ドーム全体が明るくなった中で奏でられたSUMMER GAME。のっけから大合唱のドーム。そこで感極まったのか、歌詞に詰まりまくる氷室。思いを振り払うかのように、そして自分を叱咤するかのように歌い始めるんだけど、またすぐに詰まる。そんな様子の氷室を観てさらに大合唱になるドーム。

泣いたね。
涙せざるを得ない。


ライブ中、何度も深々とお辞儀をしていた氷室が、最後の長ーく上体を折って礼をした後に、あっけないくらいにサッとステージを去る様子は、まだ最後じゃないという思いが表情に出ているような気もしたし、名残惜しさを振り払っている風にも感じました。
日本を代表するロック・アイコンの姿を最後に拝むことが出来て、私は幸せでした。ヘンにカッコつける必要のない、自然体なロッカーっぷりが異様にカッコイイ。そんなLAST GIGだった。



追記のセトリ見つめなよANGEL。
     ↓

<2016/5/21 セットリスト>
01.DREAMIN' (BOØWYカヴァー)
02.RUNAWAY TRAIN (BOØWYYカヴァー)
03.BLUE VACATION (BOØWYカヴァー)
04.TO THE HIGHWAY (BOØWY「ハイウェイに乗る前に」セルフカヴァー)
05.Baby Action (BOØWYカヴァー)
06.ROUGE OF GRAY (BOØWYカヴァー)
07.WELCOME TO THE TWILIGHT (BOØWYカヴァー)
08.ミス・ミステリー・レディ (Visual Vision) (BOØWYカヴァー)
09."16" (BOØWYカヴァー)
10.LOVE&GAME (Re-mix)
11.IF YOU WANT
12.LOVER'S DAY
13.CLOUDY HEART (BOØWYカヴァー)
14.PARACHUTE
15.WARRIORS
16.NATIVE STRANGER
17.Marionette (BOØWYカヴァー)
18.ONLY YOU (BOØWYカヴァー)
19.RENDEZ-VOUS (BOØWYカヴァー)
20.BEAT SWEET (BOØWYカヴァー)
21.PLASTIC BOMB (BOØWYカヴァー)
22.WILD AT NIGHT
23.WILD ROMANCE
24.ANGEL 2003

ENCORE1
25.The Sun Also Rises
26.魂を抱いてくれ
27.B・BLUE (BOØWYカヴァー)
28.BANG THE BEAT
29.NO.NEW YORK (BOØWYカヴァー)

ENCORE2
30.VIRGIN BEAT
31.ROXY
32.SUMMER GAME

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