DEEP PURPLE「Deep Purple in Rock」

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DEEP PURPLE「Deep Purple in Rock」 (1970)

英国産ロック・バンドの4thアルバム。
いわゆる“第2期”と言われるメンバーによる1枚目ですね。

今さら紹介するのもどーなんだっていうくらい有名な作品で、ウチのブログに来てくれる人は大抵聴いたことあるんでしょうし、仮に未聴でもこのジャケは見たことあるでしょう。
ラシュモア山の歴代大統領の彫刻をパロってしまった、この力技ジャケットのインパクトは凄まじく、私自身、その音に触れるよりずっと前からこのアートワークは脳味噌にこびりついておりました。どこで見たのか定かではありませんが、まぁそれくらい有名なアルバムであり、ジャケであるということでしょう。しかしコレ、今で言うところの「クソコラ」だろ(笑)。時代を先取りしまくってる。

パープルの第2期というと、David“ウタッテ!”Coverdale(Vo)とGlenn“ファンキー”Hughes(Ba&Vo)を擁する第3期と並んで(もしくはそれ以上に)人気の高いラインナップだと思いますが、そのメンバー構成を一応記しておくと、以下の通り。

 Ritchie Blackmore (Gt)
 Jon Lord (Key)
 Ian Paice (Dr)
 Ian Gillan (Vo)
 Roger Glover (Ba)


こうやって書き出してみると、イアンって2人いたんだな、と。

「このメンバーだからこそ出てきた音」
そう表現してよい音を出していた第2期深紫だと思いますし、4枚のスタジオ作の中では本作が一番そのことを強烈に感じます。あらかじめ作られた曲を録音したというより、何も準備せずに5人いっぺんにスタジオに入ってジャム・セッションしたらこんな音が出てきましたけど、みたいな感じの音。ライブ盤のような生々しさとエネルギーに満ち満ちていることも、そう感じさせる要因でしょうね。

一般的にはパープルがハードロック化した作品として有名だと思いますが、私にはコレ、HRというよりもやたら野蛮でヘヴィなジャズロックに聞こえますね。「ハードなロック」ではあるけど、私の中のHR像とは少し相容れないサウンドだったりします。整合感よりも、どこに転がってゆくか分からない無軌道さが勝っているように感じるから。この歪みまくった音作りも、ハードロックというよりむしろメタルじゃないかコレ。
Ian Gillanの切れまくったVoパフォーマンスもほんとメタリックですよ。②Bloodsucker「アァー!ナンナンダーァッ!!」のシャウトの切迫感なんて、ほんと何なんだコレ?

基本フォーマットは、「ヘヴィ・ジャズロック + メタリックVo」のように感じますが、ハードロックとしてのエッセンスが聞き取れるところは勿論あって、④Flight Of The Ratのリフなんてその最たるところでしょうかね。ただこの曲も、中間部はどっか別の次元に行っちゃったり、ラストのDrソロがやりたい放題だったりするんですけどね。
というか、このアルバムのHRのイメージの多くは、Ritchieのリフ・ワークにのみ依っているような気もしてきました。Voは癇癪を爆発させる悪ガキのような何をしでかすか分からないっぷりですし、楽器隊のアンサンブルはジャムの延長のようなところもありますし(ライブ盤ではよりその傾向が強まる)。
次作「FIREBALL」(1971)以降の方が全体的にハードロックを感じます、私は。


なんだかんだ言っても、(Ritchieのいる)パープルではこれが一番好きかな。いや、好きというより評価してるというか、「すげー、コレ!」と思う度合いではこれがトップですね。
曲単位では、ここに収められたものより、第2期でもFireballHighway Star、第3期にはもっと私好みのメロディックなものが多数あります。しかし、どれもアルバム一枚の中で退屈な曲と一緒に混在しているし、本作のような一枚のアルバムとしての濃密な塊感には乏しいのよね。「in Rock」は曲の凄さよりも、一枚に収められたエネルギー量がすげーという感想が先に立つ。
勿論、曲単位でも、①Speed Kingの無茶苦茶な性急さとハイテンション、③Child In Timeの思索的な冒頭から予想もできないくらいサイケデリック&プログレッシヴに急展開してゆくダイナミズム、⑦Hard Lovin' Manのしつこいくらいねちっこく攻めてくる様、等々にはガツンとヤラれます。どの曲も必ず器楽的なやりたい放題パートがあるのがイカす。


メンバー全員ブチ切れてる。
名盤、というか、名演でしょ。

【お気に入り】
③Child In Time
①Speed King
⑦Hard Lovin' Man
②Bloodsucker

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