KING CRIMSON「LIZARD」


KING CRIMSON「LIZARD」 (1970)

2ndアルバム「IN THE WAKE OF POSEIDON」と同じ年にリリースされた3rd。

世間的にはどういう評価なんですかね。やっぱり地味盤ですかね(笑)。
かくいう私も数年前に買ったばかりで、クリムゾンの70年代の作品では一番後回しにしていました。曲名を眺めてみても、こんな曲あったっけか??、というくらい自分の中に浸透していない作品だったりします。ライブで演奏されていない楽曲ばかりというせいかも。

前作で既に崩壊への道を辿っていた感のあるクリムゾンですが、ここではもう完全崩壊しているといっても過言ではないでしょう。オリジナル・メンバーはRobert Fripp(GtとかKeyとか色々)とPeter Sinfield(歌詞とか諸々)の2人のみで、Mel Collins(Sax他)とGordon Haskell(Vo&Ba)は前作から引き続き。Drは本作のみの参加でAndy McCulloch。あとはゲスト・ミュージシャンがいっぱい。

そんなバンドの状態や編成だったからでしょうか、他のどの作品とも違うアルバムです。
ところどころ顔を出す美しいメロディは1stと2ndを、急転直下な展開は「太陽と戦慄」からの2枚を想起させるような気がしますし、AndyのDrプレイはMichael Gilesをオマージュしたような聴き応えがありますけど、そんな共通点よりも異質さの方が目立ちます。私にとってはとにかく印象が落ち着かない作品。感触の異なる色んなパートをコラージュしたようなキメラっぽさが強烈なんですよね。チグハグと言ってもいい(笑)。まとめることができなかったのか、はたまたまとめる気なんてそもそも無いのか。楽曲のテーマメロやアルバム全体のムードを味わうんじゃなくて、パーツパーツの面白さを楽しむアルバムかな、と。

その面白さは、曲がどこに転がって行くか分からないことからくる不安さを孕んだ感覚だったりもします。The Keith Tippett Groupの3人とMelが主導するフリージャズっぽいパートがとりわけ強い印象を残しますが、アコースティック楽器の美しい響きや、牧歌的なんだけどどこかタガが外れたようなGordonの歌唱(特に②Indoor Games③Happy Familyは怖い)も本作になくてはならないパーツ。突如として吹き上がるメロトロンの旋律もこれまでの作品とは違う趣きがあるし、YESのJon Anderson(Vo)の清廉な歌声(23分超えの大作⑤Lizardに参加)も、混沌としたうねりの中に飲み込まれてしまうことを考えるとどこか歪に響く。


怪作。
嫌いじゃないです。
Keith Tippett絡みの作品も追ってみないとなぁ、と思わされる。

【お気に入り】
⑤Lizard
①Cirkus


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